2025年5月のピーマン卸売市場価格は都市別で590円/kg(佐世保市)から202円/kg(松戸市)まで幅広い。地域差が拡大し、寒冷地は高値維持、関東や沖縄は低価格傾向。季節変動や需給不均衡による価格変動が激しく、特に沖縄や宮崎で前年割れが深刻。今後はスマート農業やブランド化、流通改善による価格安定化が期待される。
ピーマンの卸売り市場価格
ピーマンの高い順
佐世保市 | 豊橋市 | 函館市 | 沼津市 | 仙台市 | 室蘭市 | 上尾市 | 札幌市 | 藤沢市 | 長崎市 | |
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最新 | 2016年12月 | 2016年12月 | 2016年12月 | 2016年12月 | 2025年5月 | 2011年12月 | 2016年12月 | 2025年5月 | 2011年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2008年2月 | 2008年2月 | 2008年2月 | 2008年2月 | 2025年2月 | 2008年2月 | 2012年3月 | 2024年3月 | 2008年2月 | 2022年2月 |
最新値[円/kg] | 590 | 588 | 571 | 569 | 551 | 542 | 539 | 533 | 530 | 519 |
最大値[円/kg] | 878 | 874 | 969 | 1026 | 867 | 1027 | 865 | 940.3 | 914 | 953 |
前月比[%] | +1.549 | -7.981 | -14.9 | -8.668 | -14.88 | +44.92 | -6.908 | -19.12 | +39.84 | +11.13 |
前年同月比[%] | +4.61 | +6.522 | -6.547 | -5.167 | -14.84 | +22.35 | +8.233 | -25.07 | +14.47 | -16.43 |
ピーマンの安い順
宮崎市 | いわき市 | 大津市 | 八戸市 | 福島市 | 高松市 | 青森市 | 松戸市 | 沖縄県 | 久留米市 | |
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最新 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2025年5月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2025年5月 | 2023年12月 |
最大期 | 2008年2月 | 2008年2月 | 2016年2月 | 2023年2月 | 2016年2月 | 2024年9月 | 2023年2月 | 2020年2月 | 2024年9月 | 2016年2月 |
最新値[円/kg] | 248 | 471 | 508 | 432 | 446 | 512 | 475 | 202 | 214 | 333 |
最大値[円/kg] | 737 | 899 | 880 | 861 | 868 | 1018 | 959 | 866 | 953.3 | 794 |
前月比[%] | +8.297 | -15.14 | +13.39 | +14.89 | +9.314 | -14.76 | +6.742 | -46.28 | -45.82 | -5.932 |
前年同月比[%] | -50.99 | -5.988 | +24.82 | -15.63 | -3.672 | -23.58 | -19.63 | -38.97 | -49.77 | -22.74 |
ピーマンの推移


その他のデータとグラフ
ピーマンの価格についての推移と展望
2025年5月時点で最も高値を示す都市は佐世保市(590円/kg)、豊橋市(588円/kg)、函館市(571円/kg)であり、低価格帯では松戸市(202円/kg)、沖縄県(214円/kg)、宮崎市(248円/kg)が目立ちます。高値都市の多くは北海道や9州、東海地方に分布し、低価格地域は関東や沖縄、9州南部に偏っています。
前月比で見ると、室蘭市や藤沢市が40%超の大幅増加を示す1方、札幌市や函館市、沖縄県、松戸市では20%〜45%の大幅減少が見られ、市場の変動が激しい現状が浮き彫りとなっています。
これまでの価格特徴と最近の問題
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季節性と気候影響ピーマンは温暖な気候を好むため、寒冷地はハウス栽培で供給を賄うが、季節や気温変動で収穫量が大きく左右されやすい。春先の価格変動が大きく、今回のデータでも5月に激しい増減が見られる。
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価格の地域差拡大生産基盤や流通環境の違いにより都市ごとの価格差が拡大傾向。特に冷涼地の北海道や9州の1部は高値安定、関東近郊や沖縄は価格が低迷。
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需給の不均衡1部地域での過剰生産や輸送遅延による需給バランスの乱れが原因で、価格の急落や急騰が頻発。
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新型栽培技術導入遅れスマート農業や機能性品種の普及が進まず、品質・収量の安定化に課題。消費者ニーズに即した品種改良も限定的。
地域別のランキングの特色
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北海道・東北圏函館、室蘭、仙台、青森、8戸などはハウス栽培主体で価格が高いものの、前月・前年比で価格変動が大きく、市場が不安定。
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関東圏松戸、藤沢、上尾は低価格から中価格帯で推移。藤沢の急激な価格上昇(約40%)は需給バランスの変化や物流改善が背景と推測。松戸の大幅下落は在庫過多の可能性がある。
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中部・東海圏豊橋、沼津は中高価格帯で安定傾向。地域ブランドや輸送体制の強化で価格維持を図っている。
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9州圏佐世保や長崎は高値傾向、久留米や宮崎は低価格圏。宮崎は前年比で50%超の大幅下落と厳しい状況。収穫時期や需給調整の遅れが影響。
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沖縄県全国で最も低価格帯にあり、年々減少傾向が続く。輸送コストの影響や消費動向の変化、周年栽培の供給過多が原因。
今後の推移予想と期待
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需給調整の強化と情報共有市場と生産者間の情報連携を強化し、過剰生産や在庫過多の解消に注力。
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スマート農業の普及促進AIやIoTによる生産管理改善で収量・品質の安定化を図り、価格の急変動を抑制。
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地域ブランドの確立特色ある品種開発や地域特産化で付加価値を向上させ、価格の底上げを狙う。
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新たな流通チャネルの活用EC販売や直販強化により、中間コスト削減と消費者ニーズの直結を目指す。
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気候変動対策の強化耐暑・耐寒性品種の開発とハウス設備の改善で生産安定性を高める必要がある。
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