中部・北越のトマト価格動向｜都市別特徴と価格下落の背景

中部・北越地域のトマト市場は、金沢市305円/kg、名古屋市294.7円/kgと安定的な価格帯ですが、供給過剰や消費者の節約志向で微減傾向です。ハウス栽培による品質向上と新販売経路の拡大が市場維持の鍵となっています。

2025年6月のデータによると、中部・北越地域におけるトマトの市場価格は、金沢市が305円/kg、名古屋市が294.7円/kgとなっています。卸売数量もほぼ同じ値を示し、金沢市が0.305k円/kg、名古屋市が0.295k円/kgです。前年同月比では、金沢市は-3.38%、名古屋市は-0.56%の減少となり、やや価格・数量ともに低下傾向が見られます。

価格と数量の長期的推移

過去約17年間（2008年～2025年）での推移を振り返ると、中部・北越地域のトマト市場は全体的に安定した価格帯を維持しています。ただし、近年は微減傾向が強まっており、特に2024年から2025年にかけては両都市ともに価格と数量で減少が見られます。これは供給過多や消費者の価格敏感度の高まりが影響している可能性があります。

都市別の市場特性

金沢市

• 北越地域の主要市場であり、地元生産者と近隣地域からの供給が融合。

• 市場価格は中部圏と比較してやや高めで安定しているが、最近は価格減少傾向。

• 北陸特有の気候影響により、夏場の生産量に変動が大きい。

名古屋市

• 中部地域の大消費地として流通の中心。

• 金沢市より価格はやや低いものの、安定的な供給体制を持つ。

• 近年は競争激化により価格が微減、消費者の多様なニーズに対応する品種展開が進行中。

価格変動・高騰の要因

価格が微減している要因としては、

1. 供給過剰傾向　→ 生産者の増加やハウス栽培の拡大による供給量の増加。

2. 消費者の価格志向変化　→ 節約志向の強まりにより、より安価な商品への需要シフト。

3. 天候や気候変動　→ 生産時期の気候変動が収量に影響し、安定的な出荷が難しくなっている。

4. 流通経路の多様化　→ 直売所やネット販売などが増え、市場流通量が相対的に減少。

中部・北越地域のトマト生産動向

• 中部地方（愛知県・岐阜県・3重県）：施設園芸が進み、品質重視のトマト生産が拡大。名古屋市はその主要な消費地として安定供給の要。

• 北越地方（石川県・富山県・新潟県）：気候の影響を受けやすいが、ハウス栽培で通年供給を目指す取り組みが進む。金沢市は地元産の新鮮トマトを中心に流通。

まとめ

中部・北越地域のトマト市場は、両都市で微減傾向がみられるものの、依然として安定した市場規模を持ちます。価格の下落は供給増や消費者志向の変化によるもので、今後も品質向上と新たな販売チャネルの開拓が鍵となるでしょう。