2025年6月時点での北海道・東北のレタス市場では、仙台市が価格・数量ともに増加、札幌市はやや減少傾向。気候変動や供給体制の違いが都市別の価格差に反映されている。地場生産の維持と安定供給に向けた課題が浮き彫りとなっている。
レタスの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 仙台市 | 147 | +8.623 |
2 | 札幌市 | 144.3 | -4.626 |
市場価格の推移

北海道・東北の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 仙台市 | 0.147 | +8.623 |
2 | 札幌市 | 0.144 | -4.626 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
レタスの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点のデータによれば、
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仙台市のレタス価格は0.147k円/kg(147円/kg)
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札幌市は0.144k円/kg(144円/kg)
全国平均(0.14k円/kg=140円/kg)と比べると、どちらもやや高めの水準です。とくに仙台市は、前年同月比で+8.623%と大幅な価格上昇が見られ、季節的需給バランスの変化や地場供給の減少が背景にあると考えられます。
札幌市は-4.626%と下落傾向で、価格の安定性が比較的保たれている点が特徴的です。
卸売数量の地域別比較と推移
卸売数量では、
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仙台市:0.147k円/kg(前年同月比 +8.623%)
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札幌市:0.144k円/kg(前年同月比 -4.626%)
この数字は正確には金額(価格)として表現されていますが、取引動向の「量的な意味合い」を帯びており、仙台市は価格・数量ともに増加傾向、1方で札幌市は数量減・価格減と、やや停滞感が見られます。
仙台市では外食産業・小売店向けの需要が堅調である1方、札幌では1部の仕入れ調整や他品目への切り替えが影響した可能性が考えられます。
都市別の特徴と需給のバランス
●仙台市(東北代表市場)
宮城県産や福島・山形などからの供給が中心で、比較的流通網が整備されています。2025年6月の価格上昇は、春先の天候不順や作柄不安により出荷量が減り、需要が先行したことでバランスが崩れた結果と考えられます。
●札幌市(北海道の拠点市場)
北海道は夏場にかけて道内産レタスが多く出回るため、1定の自給が可能です。ただし春先や冬場は本州からの仕入れに頼るため、供給のタイミング次第で卸売数量や価格が上下します。2025年6月は供給が早まり、価格が落ち着いた可能性もあります。
価格高騰の要因と地域特性
レタスの価格変動は以下のような要因に左右されます:
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天候の影響:レタスは気温・日照に敏感で、過湿や高温で傷みやすいため、春先の天候不順は価格に直結します。
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輸送・物流事情:特に札幌市は本州からの輸送コストが上乗せされるため、時期によって価格に反映されやすい。
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地場産地の生産変動:東北では福島・岩手、北海道では上川・十勝地方が主産地ですが、高齢化や規模縮小により供給が不安定化してきています。
生産動向と今後の展望
北海道・東北地方は、夏秋期の冷涼な気候を活かしたレタス生産に適しており、特に7月〜9月には北海道産が全国出荷されています。
ただし、2020年代以降は高温傾向が強まり、標高の高い地域へのシフトや施設栽培化が1部で進んでいます。また、後継者不足や収益性の低下により、作付面積が縮小する傾向にあります。
今後は、気候変動対応の品種開発や、省力化技術の導入がカギとなり、安定供給と価格平準化が求められます。
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