中国・四国では広島市でキャベツ価格が84.33円/kg、高松市は69.67円/kgと差がある。広島は数量減、高松は数量増が目立ち、特に高松市は+29.81%の出荷増による供給過多で価格が急落。地域の生産と出荷体制の見直しが価格安定に向けての課題となっている。
キャベツの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 84.33 | -9.319 |
2 | 高松市 | 69.67 | -23.44 |
市場価格の推移

中国・四国の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 0.97 | -12.69 |
2 | 高松市 | 0.479 | +29.81 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
キャベツの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点におけるキャベツの市場価格は、広島市で84.33円/kg、高松市で69.67円/kgと地域内で価格差が目立っています。全国平均(77.67円/kg)と比較すると、広島市は高め、高松市はやや安めの水準です。
前年同月比でみると、広島市は-9.319%、高松市は-23.44%と、特に高松市において大幅な価格下落が見られます。これは供給過剰や消費停滞など、市場調整圧力が強くかかった結果と考えられます。
卸売数量の推移と地域差
卸売数量に関しては、広島市が0.97kt、高松市が0.479ktと、広島市が倍近い取扱量を誇ります。しかし、前年同月比での変化をみると、広島市は-12.69%と減少傾向にある1方で、高松市は+29.81%と大幅に増加しています。
この増加は、高松市場における新たな取引先の確保や近隣産地の増産が影響している可能性があり、結果的に価格下落を招いたと見られます。
都市別の市場構造と特徴
●広島市:
中国地方最大の都市であり、市場の集荷力・分配力ともに高い。中国地方の主要産地(山口、島根、岡山など)から安定した供給を受けているが、近年は流通量減少が課題となっています。価格は比較的高く、品質志向の需要もあることがうかがえます。
●高松市:
4国地方の中心都市の1つ。取扱量は少ないが、近年の数量増加は注目に値します。徳島県・香川県などの地元産キャベツの出荷拡大、または関西・中部からの搬入増加が背景にあると考えられます。ただし、供給過多により価格が大きく下落しており、市場調整が急務となっています。
価格下落・高騰の要因分析
価格変動の要因には以下が挙げられます:
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気象要因の影響:2025年初頭からの温暖化傾向により、キャベツの生育が進み過ぎ、供給過多に陥った可能性。
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収穫タイミングの集中:特に高松市では、生産者が1斉に出荷を行ったことで市場に過剰な在庫が生まれ、価格が急落。
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流通ルートの拡大:高松市での数量増は、他地域からの流入増加によるものと推察され、地場市場での供給調整力が弱いことが影響。
キャベツの生産動向と今後の展望
中国・4国地方では、岡山県、香川県、徳島県、広島県の1部でキャベツの栽培が盛んですが、他地域と比べて大規模集約的な生産が少ないのが特徴です。家族経営型農家が多く、出荷調整能力に限界があり、価格変動に対応しづらい構造があります。
今後は、産地リレー出荷体制の強化や、契約出荷の普及が安定供給と価格維持の鍵となるでしょう。特に高松市においては、数量増加と価格維持のバランスをいかに取るかが重要です。
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