北海道・東北地方のキャベツ価格は都市によって大きな差があり、札幌市では高値、山形市や盛岡市などでは低価格が特徴です。気候条件や流通コスト、生産体制の違いが背景にあり、2025年3月時点では最大で3.5倍以上の価格差が生じています。今後は気候安定化や物流の効率化により、価格の平準化が期待されます。
キャベツのデータとグラフ
キャベツの高い順
札幌市 | 仙台市 | 函館市 | いわき市 | 青森市 | 盛岡市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2025年3月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2010年4月 | 2018年2月 | 2018年2月 | 2018年2月 |
最新値[円/kg] | 221.3 | 187 | 120 | 96 | 93 | 86 |
最大値[円/kg] | 247.7 | 250.3 | 179 | 302 | 288 | 234 |
前月比[%] | 5.733 | -8.031 | -6.25 | -22.58 | -12.26 | -21.82 |
キャベツの安い順
八戸市 | 室蘭市 | 青森市 | 函館市 | 山形市 | 盛岡市 | |
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最新 | 2023年12月 | 2011年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2018年2月 | 2010年4月 | 2018年2月 | 2010年4月 | 2018年2月 | 2018年2月 |
最新値[円/kg] | 82 | 85 | 93 | 120 | 63 | 86 |
最大値[円/kg] | 275 | 197 | 288 | 179 | 278 | 234 |
前月比[%] | -19.61 | 44.07 | -12.26 | -6.25 | -8.696 | -21.82 |

キャベツの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
キャベツの価格についての推移と展望
北海道・東北地方は冷涼な気候により、キャベツの栽培期間が限られる地域が多く、冬季は他地域からの輸送に依存する傾向があります。そのため、過去のデータにおいても、冬季や不作の年には価格が高騰しやすい傾向が見られました。特に札幌市や函館市では、輸送コストの影響が強く、全国平均より高値になることが頻繁にあります。
一方で、東北のいわき市、山形市、盛岡市などでは地元生産と流通のバランスが取れており、比較的安定した価格推移をしてきたという特徴もあります。
2025年3月時点での最新の価格動向と課題
2025年3月の最新データによれば、北海道・東北地域におけるキャベツの価格は都市によって大きな差があります。
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高価格帯都市
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札幌市:221.3円/kg(前月比 +5.733%)
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仙台市:187円/kg(前月比 -8.031%)
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中〜低価格帯都市
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函館市:120円/kg(-6.25%)
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いわき市:96円/kg(-22.58%)
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青森市:93円/kg(-12.26%)
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盛岡市:86円/kg(-21.82%)
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室蘭市:85円/kg(前月比 +44.07%)
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山形市:63円/kg(-8.696%)
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このように、価格差は最大で3.5倍以上に達しており、地域間格差が顕著です。特に札幌市のような寒冷地かつ大消費地では高騰しやすく、山形市やいわき市では極端な低価格で推移しています。
地域別価格の特色と背景
札幌市・室蘭市・函館市(北海道)
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札幌は消費地であり、道外からの輸送依存度も高いため高値。
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函館や室蘭は道南地域で比較的本州との物流が盛んなため、輸送コストがやや抑えられ、札幌より低価格で安定しやすい傾向。
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2025年3月には室蘭市が前月比+44.07%と異常な価格上昇を記録しており、供給の急減が背景にある可能性。
青森市・盛岡市・山形市(東北北部)
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地元生産と流通の効率化が進んでいる地域では、低価格を維持。
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山形市は全国でも最安レベル(63円/kg)で、地産地消のモデル地域といえる。
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盛岡市は急激な価格下落(-21.82%)を示しており、過剰供給や需要減が影響か。
仙台市・いわき市(東北南部)
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仙台市は東北の大都市として消費量が多く、価格はやや高め。
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いわき市は比較的安価(96円/kg)で、農業生産の安定供給体制がうかがえるが、前月比-22.58%の下落により需給の急変が示唆される。
最近の問題点と外部要因
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気象の不安定化(寒波・霜・長雨など)が収穫量に影響。
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燃料費・農業資材費の高騰による生産コスト上昇。
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物流費の増加が離島・寒冷地価格に反映。
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人手不足による収穫・出荷の遅延やコスト上昇。
これらの要素は、特に北海道や山間部の東北地域において、価格形成に直接影響を与えています。
今後の期待と見通し
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春以降は暖かい気候により供給量が増えるため、全体的に価格は安定〜やや下落傾向になる可能性があります。
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しかし、物流や資材価格の高止まりが続けば、高価格地域との格差は拡大するリスクも。
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地元産地の強化と、地域ごとの需給バランスを反映した価格政策が求められるでしょう。
まとめ
北海道・東北のキャベツ価格は、地理的条件・流通環境・生産力の差異によって大きな地域差があり、全国でも最も顕著な価格格差が見られます。今後は、気候の安定化と地域間物流の効率化が、価格の平準化と安定に向けたカギとなるでしょう。
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