ソルゴーの10a当たり収量の都道府県別動向と予測

かんしょ・豆類

2023年のソルゴー10a当たり収量は全国平均4,250kgで前年比+1.918%。福岡(6,750kg)や北海道、愛媛で顕著な増加が見られた一方、九州南部や関東では減少傾向も。今後は気象対応技術と省力栽培の高度化が安定収量の鍵となる。

10a当たり収量のランキング

2023年
降順昇順
都道府県最新値[kg]全国比[%]前年比[%]
全国4250100+1.918
1福岡6750158.8+23.4
2北海道5760135.5+16.84
3愛媛5680133.6+18.09
4熊本5260123.8+1.154
5宮崎5190122.1-1.143
6鹿児島5060119.1-1.748
7大分5010117.9-0.199
8奈良5000117.6+1.01
9石川4990117.4-11.52
10東京4890115.1-9.444
11新潟4790112.7+58.61
12千葉4560107.3+2.242
13福島4480105.4-1.969
14香川4430104.2+3.263
15徳島4400103.5-10.2
16長野418098.35-13.99
17岡山415097.65-6.321
18高知414097.41-14.81
19長崎403094.82-4.502
20富山399093.88-0.25
21島根389091.53+30.54
22茨城379089.18-17.43
23静岡371087.29+12.42
24神奈川368086.59+6.052
25岐阜360084.71-2.439
26滋賀352082.82-14.77
27宮城350082.35+56.25
28群馬348081.88-17.34
29福井340080+11.11
30佐賀311073.18-2.813
31三重310072.94+9.929
32埼玉293068.94-4.87
33栃木290068.24+6.227
34和歌山283066.59-8.71
35岩手277065.18+39.9
36愛知260061.18+7.438
37兵庫229053.88-2.966
38山口225052.94+15.98
39広島218051.29-23.24
40鳥取216050.82-15.29
41京都173040.71-35.21
10a当たり収量

収穫量作付面積10a当たり収量

詳細なデータとグラフ

10a当たり収量の現状と今後

ソルゴーは主に家畜の粗飼料や緑肥として利用される作物で、収量(10a当たり収穫量)は地域の気象条件・品種・栽培管理技術によって大きく左右されます。2023年の全国平均は4,250kg/10aで、前年から+1.918%と微増しました。この上昇は、1部地域での気象条件の好転や栽培技術の安定化が影響していると考えられます。


高収量地域の特徴と背景

福岡県(6,750kg / 158.8%)全国で最も高い収量を記録。前年比+23.4%と大幅増加し、土壌改良・肥培管理・高糖度品種の導入が奏功した可能性が高いです。畜産と密接に連動する地域では、収穫後の利用効率も高く、栽培技術も洗練されていると推測されます。

北海道(5,760kg / 135.5%)冷涼な気候を活かした夏季集中栽培で、高い収量を実現しています。前年から+16.84%と大幅増加しており、短期集中栽培や輪作体系による土壌管理の成果が反映されていると見られます。

愛媛県(5,680kg / 133.6%)4国地域ではトップの収量で、前年から+18.09%の増加。温暖な気候と水分管理のバランスが取れていることが影響していると考えられます。

熊本・宮崎・鹿児島など9州勢熊本(5,260kg)、宮崎(5,190kg)、鹿児島(5,060kg)は、いずれも全国平均を大きく上回っていますが、宮崎と鹿児島では若干の減少が見られます。これは夏場の高温や干ばつ、台風などの気象リスクが影響した可能性があります。


中位・下位県の特徴と変化

奈良県・石川県・東京都などの地方・都市近郊奈良(5,000kg)や石川(4,990kg)、東京(4,890kg)は収量では上位ですが、石川と東京では大きく減少(それぞれ-11.52%、-9.444%)しており、降雨や収穫時期のブレが収量に影響を与えたと推測されます。都市近郊では地力の変動が大きく、年ごとのブレが顕著になる傾向があります。


今後の予測と政策的示唆

2023年の傾向からは、技術や環境への対応力の差が収量の地域差に直結していることが読み取れます。特に福岡・北海道・愛媛などでは、栽培管理と気象の好条件がかみ合い、大幅な収量向上が見られました。

将来的には以下の展開が予想されます:

  • 気候対応型品種や耐倒伏性の高いソルゴーへの転換

  • ICTを活用した精密農業による収量安定化

  • 気象災害リスクが高い地域での収量ブレ拡大の抑制対策

収量だけでなく、品質面や栄養価、収穫適期の管理も重要性を増しており、ソルゴーの高収量は単なる量的指標ではなく、経営体の総合的な能力を示す指標とも言えます

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