中部・北越地方のじゃがいも市場では2025年6月、名古屋市171.7円/kg、金沢市167円/kgと前年比大幅下落が見られる一方、卸売数量は名古屋市で30%増、金沢市も増加。豊作による供給過剰と需要伸び悩みが価格下落の主因で、需給調整と付加価値化が今後の課題となる。
じゃがいもの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
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1 | 名古屋市 | 171.7 | -44.8 |
2 | 金沢市 | 167 | -52.56 |
市場価格の推移

中部・北越の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
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1 | 名古屋市 | 2.087 | +30.93 |
2 | 金沢市 | 0.217 | +9.596 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
じゃがいもの卸売り市場の現状と今後
2025年6月の中部・北越地方におけるじゃがいもの市場価格は以下のとおりです。
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名古屋市:171.7円/kg(前年同月比 -44.8%)
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金沢市:167円/kg(前年同月比 -52.56%)
卸売数量については、
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名古屋市:2.087kt(前年比 +30.93%)
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金沢市:0.217kt(前年比 +9.596%)
となっており、価格が大きく下落する1方、卸売数量は大幅に増加しています。この傾向は全国的な供給増加と地域市場の需給バランス変化を反映しています。
過去の価格・数量推移と背景
中部・北越地方のじゃがいも市場は、過去10年以上、安定的な需要と生産体制を基盤にした価格推移を示してきました。しかし、近年では以下のような変化が見られます。
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2019年以降の気象変動や生産調整の影響で生産量に波が発生。
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2024年から2025年にかけては天候に恵まれ、豊作となり供給が過剰に。
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その結果、市場価格は前年比で大幅に下落し、特に金沢市では50%超の減少となりました。
数量は増加傾向で、特に名古屋市での取り扱い量の増加が顕著であり、市場の流通力が強化されていることがうかがえます。
都市別市場の特徴
名古屋市
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中部地方の商業・物流の中心地として、多様な産地からの集荷拠点。
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卸売量は全国の主要都市に比肩する規模で、流通経路が多様。
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2025年は数量が前年比30%増と急増し、市場の供給過多感が強まった。
金沢市
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北陸地方の主要市場として、地域内生産が強い1方、隣接地域からの輸入もある2重構造。
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卸売数量は堅調に増加し、地域消費も1定水準を維持。
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価格は需給アンバランスの影響で急落したが、数量増加は市場活性化の兆しとも言える。
価格急落の要因と影響
中部・北越地域の価格低迷には、以下の要因が影響しています。
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全国的なじゃがいも生産の回復と豊作 2025年は北海道を含む主要産地での豊作により、供給過多が発生。
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流通の効率化と競争激化 名古屋・金沢両市場では物流効率化により大量流通が可能になり、価格競争が激化。
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需要の伸び悩み 消費者の選好変化や外食需要の変動により、需要の伸びが供給に追いつかない状況。
中部・北越のじゃがいも生産動向
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中部地方は特に愛知・岐阜を中心に機械化・大規模化が進み、安定した生産基盤を持つ。
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北越地方(富山・石川・福井)は、品質重視の小規模生産が多く、付加価値商品の展開に注力。
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近年は気候変動対策として、排水対策や土壌改良など生産技術の向上が進む。
今後の展望と課題
中部・北越地域でのじゃがいも市場安定のためには、
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需給調整のための生産者と市場間の連携強化
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付加価値の高い品種開発や加工用需要の拡大
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消費促進のためのマーケティング強化
が求められます。特に名古屋市市場は全国的な流通ハブとして、需給バランスの調整役を担うことが期待されます。
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