中国・四国地方の下水道料金動向と課題:1か月20立法メートル料金の現状と将来展望

下水道料金

中国・四国の下水道料金は平均2,921円で全国平均より高く、松山・山口・宇部が上位を占める。山口は前年比+9.286%と急騰。松江や岡山も高めで、鳥取や徳島は比較的安価。都市規模や設備の更新タイミングにより地域差が大きく、今後の再整備が料金に影響を与える見通し。

1か月20立法メートルの下水道料金相場

2025年5月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均2921+0.823
1松山3385
2山口3366+9.286
3宇部3135
4松江3080
5今治3046
6岡山3011
7高知2948
8福山2926
9鳥取2767
10徳島2617
11高松2506
12広島2260
下水道料金

詳細なデータとグラフ

中国・四国の下水道料金現状と今後

2025年5月時点における中国・4国地方の平均下水道料金は2,921円で、全国平均(2,572円)よりやや高めの水準です。これは、広域にわたるインフラ整備コストや、都市規模の違い、自治体財政の対応力などが複雑に絡み合った結果と考えられます。


高価格帯の都市 ― 松山・山口・宇部

  • 松山市(3,385円)は中国・4国全体で最も高く、安定して上位に位置しています。市域が広く、観光資源を抱え、地域全体のインフラ負担が平均を押し上げていると推測されます。

  • 山口市(3,366円)は前年比+9.286%と大きく上昇しており、下水道施設の更新投資や、広域整備のための費用転嫁が影響しているとみられます。

  • 宇部市(3,135円)は工業都市としての性格を持ち、インフラの管理費が高い1方で、人口の密度や地理的制約がコスト効率を下げている可能性があります。


中価格帯の都市 ― 松江・今治・岡山・高知

  • 松江市(3,080円)は島根県の中核都市として、観光地でありながら人口密度が高くないため、下水道運用のコストが高くなる傾向があります。

  • 今治市(3,046円)岡山市(3,011円)は製造業や流通の拠点でもあり、都市部の整備状況は進んでいるが、古い施設の維持費用も反映されていると考えられます。

  • 高知市(2,948円)は、やや低下傾向で推移しており、施設の効率化や人口減少による維持コストの分散などの影響が考えられます。


低価格帯の都市 ― 福山・鳥取・徳島

  • 福山市(2,926円)は、平均よりわずかに高い水準だが、県内他都市と比べて安定しています。広域下水道計画の影響を受けつつも効率的に運用されている印象です。

  • 鳥取市(2,767円)徳島市(2,617円)は、地域の人口密度が低く、インフラも中小規模の設計でコスト抑制に成功している例といえるでしょう。


推移と将来の課題

全体として、中国・4国地方の下水道料金は大都市に比べて高止まりの傾向があります。これは地形や人口密度の分布、各市町村の財政力と更新タイミングのずれに起因しています。特に、山口市のような料金急騰都市は、今後も他地域で同様の値上げリスクが存在することを示しています。

将来的には、下水道使用者の減少・インフラの老朽化への対応として、広域的な整備や官民連携によるコスト削減が重要課題となるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました