中部・北越地方の下水道料金は平均2,756円と全国平均よりやや高め。長野・松本・富山が高価格で、岐阜は前年比+10.44%と急騰。人口規模や降雪・施設更新コストが都市ごとの料金差に影響。今後も老朽化や気候対策による変動が想定される。
1か月20立法メートルの下水道料金相場
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 2756 | +1.387 | |
1 | 長野 | 3534 | |
2 | 松本 | 3140 | |
3 | 富山 | 3080 | |
4 | 新潟 | 3047 | |
5 | 岐阜 | 3025 | +10.44 |
6 | 浜松 | 2948 | |
7 | 静岡 | 2777 | |
8 | 富士 | 2662 | |
9 | 金沢 | 2651 | |
10 | 福井 | 2618 | |
11 | 長岡 | 2596 | |
12 | 甲府 | 2431 | |
13 | 豊橋 | 2277 | |
14 | 名古屋 | 1804 |

詳細なデータとグラフ
中部・北越の下水道料金現状と今後
中部・北越地方の下水道料金の平均は2,756円(2025年5月時点)であり、全国平均(2,572円)よりやや高めです。この地域は山間部や中小都市が多く、下水処理の広域化が難しい地理条件や降雪による配管・施設管理のコストが影響していると考えられます。平均増加率は+1.387%と、全国的な傾向と比べてもやや上昇基調にあります。
高価格帯都市 ― 長野・松本・富山
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長野市(3,534円)は地域内で最も高く、全国でも上位に位置。降雪地帯であるため設備の維持管理費が高く、かつ都市規模に対して分散した居住地が多いため、効率的な処理が困難とされます。
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松本市(3,140円)も高水準で、観光地・文化都市としての環境保全意識の高さから、高品質な水処理体制を維持していると推察されます。
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富山市(3,080円)は工業や行政機能が集中する都市で、老朽施設の更新費用が反映されている可能性があります。
中位価格帯都市 ― 新潟・岐阜・浜松
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新潟市(3,047円)は都市圏の中では高め。河川と海が接する地形により、水処理の複雑化や維持費の増加が背景と見られます。
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岐阜市(3,025円)は、前年同月比で+10.44%の大幅上昇を記録。これは施設更新・運営費の急増、または料金見直しによる1時的な跳ね上がりと考えられます。
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浜松市(2,948円)は人口規模が大きいにもかかわらず、高めの水準。これは都市周辺部の拡張による新設施設の負担や、平地に広がる地形の配管コストが影響していると推測されます。
低価格帯都市 ― 静岡・富士・金沢・福井
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静岡市(2,777円)は中庸に位置するが、県庁所在地として効率的な処理が進んでいる1方で、過去に整備された施設の維持費がコストに反映されている可能性があります。
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富士市(2,662円)は製紙産業が盛んな地域で、産業排水と生活排水の共存により水処理体制が複雑でありながらも、料金は比較的抑えられています。
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金沢市(2,651円)と福井市(2,618円)はともに北陸の中心都市。降雪地帯ではあるものの、自治体支援や人口集中の影響で処理効率がある程度確保されていると見られます。
今後の見通しと課題
全体的に、長野や松本のように観光・環境保全都市は料金が高めに推移する傾向があり、また岐阜のように突発的な上昇が起こる都市も存在します。これは老朽化した施設の更新コストや自治体の財政見直しの影響によるもので、今後もこうした局地的な変動が続く可能性があります。
また、気候変動に対応するインフラ整備、水質基準の強化、省エネルギー化などへの投資が求められており、今後も安定的な料金水準維持には自治体間の広域連携が鍵となるでしょう。
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