中国・四国地方の2025年6月のだいこん市場価格は高松市が139.7円/kgで最も高く、前年から32.6%増加。広島市は107.3円/kgで価格上昇も数量は微減。価格高騰の背景には異常気象、物流費増加、生産者減少、地域ブランド化がある。今後は生産安定化と物流改善が課題となる。
だいこんの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 高松市 | 139.7 | +32.6 |
2 | 広島市 | 107.3 | +15.41 |
市場価格の推移

中国・四国の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 0.468 | -3.505 |
2 | 高松市 | 0.178 | +2.299 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
だいこんの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点での中国・4国地方におけるだいこんの市場価格は、高松市が139.7円/kgで最も高く、次いで広島市が107.3円/kgとなっています。前年同月比では高松市が+32.6%、広島市が+15.41%と、両都市とも価格が上昇しています。
卸売数量は、広島市が0.468ktで最多、次いで高松市が0.178ktとなっています。前年同月比で広島市は-3.505%の微減に対し、高松市は+2.299%の微増となっており、数量面では地域差が見られます。
価格と数量の推移および都市別の特徴
2008年からの長期的な動向を見ると、中国・4国地方のだいこん価格は、全国平均に比べてやや高めに推移しています。特に高松市は価格の上昇幅が大きく、地域の特産品としてのブランド化や需要の増加が背景にあると考えられます。
広島市は卸売数量が比較的多いことから、安定した消費市場を形成しています。価格はやや低めで推移していますが、消費量の多さで1定の市場規模を維持しています。
価格高騰の主な要因
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気象変動の影響2024年から2025年にかけての異常気象、特に降雨不足や高温がだいこんの生育に影響し、供給量の減少を招いています。これが価格上昇の大きな要因です。
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物流コストの増加燃料価格や人手不足による輸送費上昇が、価格に反映されています。
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生産者の減少と作付面積の縮小農業従事者の高齢化や後継者不足により、だいこんの生産量が減少傾向にあります。
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地域ブランドの浸透高松市を中心に、品質や産地を強調したブランド戦略が進んでおり、価格の底上げ要因となっています。
今後の展望と課題
中国・4国地方のだいこん市場では、以下の点が今後の重要な課題です。
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生産基盤の強化新技術の導入や若手農業者の支援により、安定的な生産体制を確立する必要があります。
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物流効率の向上地域間の輸送コスト削減と迅速な配送を実現するための物流改善が求められます。
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消費拡大の促進地元消費だけでなく、広域市場への販路拡大や加工品開発を通じた需要喚起が期待されます。
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