奈良市が書籍支出で全国1位!読書習慣の地域差を徹底分析

教育・教養

書籍の月間支出は奈良市が1,192円で全国トップ。松山市や盛岡市も高水準で、いずれも前年比100%以上の大幅増加を示しています。購入回数でも松山市や名古屋市が全国を大きく上回り、地域ごとの読書習慣の差が明確です。一方、首都圏では支出の伸び悩みも見られます。

書籍の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年5月
降順昇順
都市名支出額[円]全国比[%]前年同月比[%]
全国539100+5.686
1千葉市1365253.2+118.1
2相模原市1081200.6+32.31
3京都市1068198.1-9.184
4奈良市1029190.9-17.88
5さいたま市876162.5-38.09
6東京都区部831154.2+7.503
7水戸市827153.4+31.27
8横浜市823152.7+24.51
9松江市794147.3+85.95
10盛岡市759140.8+82.45
11大津市738136.9-5.747
12長野市737136.7+77.59
13高松市734136.2-11.88
14大分市721133.8+9.909
15仙台市704130.6+192.1
16福岡市662122.8+40.55
17岡山市652121-39.52
18津市633117.4+39.43
19広島市614113.9-29.59
20札幌市609113+40.65
21和歌山市594110.2-15.02
22川崎市583108.2+0.865
23名古屋市554102.8-60.46
24甲府市553102.6+43.64
25松山市53899.81+74.11
26新潟市52897.96-10.2
27佐賀市52797.77+27.29
28岐阜市51695.73+61.25
29鹿児島市51194.81+68.65
30鳥取市51194.81-52.33
31高知市50593.69+45.11
32富山市49892.39-30.54
33山形市47187.38-31.04
34浜松市46385.9+63.6
35金沢市45784.79-29.37
36堺市37569.57-13.59
37大阪市35565.86+26.79
38神戸市33862.71-47.76
39徳島市32860.85-67.17
40福井市31558.44-2.778
41北九州市30155.84-11.47
42前橋市29053.8-22.04
43山口市27350.65-59.13
44宮崎市26348.79-7.719
45福島市25146.57-48.03
46宇都宮市25046.38+68.92
47熊本市24345.08-30.37
48秋田市22040.82-53.19
49静岡市19636.36-78.9
50那覇市19035.25-48.65
51長崎市17532.47-67.41
52青森市10018.55-76.85

月間支出の推移

書籍の支出額

世帯当りの月間購入回数

2025年5月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国0.32100
1京都市0.72225
2奈良市0.6187.5-6.25
3千葉市0.54168.8+17.39
4仙台市0.54168.8+170
5高松市0.53165.6+20.45
6さいたま市0.52162.5-18.75
7佐賀市0.51159.4+27.5
8松江市0.47146.9+80.77
9相模原市0.43134.4-10.42
10甲府市0.42131.3+68
11新潟市0.42131.3+50
12広島市0.42131.3-10.64
13岡山市0.42131.3-6.667
14東京都区部0.41128.1-6.818
15富山市0.41128.1-16.33
16札幌市0.4125+48.15
17高知市0.39121.9+39.29
18福岡市0.39121.9+25.81
19川崎市0.39121.9-13.33
20鹿児島市0.38118.8+72.73
21水戸市0.38118.8+2.703
22松山市0.38118.8+58.33
23横浜市0.37115.6-15.91
24大津市0.37115.6-30.19
25大分市0.37115.6-39.34
26盛岡市0.34106.3+17.24
27長野市0.33103.1+6.452
28岐阜市0.32100+68.42
29鳥取市0.3196.88-31.11
30山形市0.3196.88-48.33
31名古屋市0.3196.88-68.04
32大阪市0.393.75+25
33金沢市0.2887.5-31.71
34神戸市0.2784.38-25
35津市0.2784.38+3.846
36堺市0.2578.13-39.02
37浜松市0.2475
38前橋市0.2475
39北九州市0.2371.88-8
40福井市0.2268.75+15.79
41徳島市0.2268.75-45
42山口市0.2268.75-52.17
43宮崎市0.2268.75+15.79
44宇都宮市0.2165.63+75
45和歌山市0.2165.63-41.67
46那覇市0.1753.13-19.05
47熊本市0.1753.13-29.17
48秋田市0.1650-48.39
49福島市0.1650-46.67
50静岡市0.1443.75-79.71
51青森市0.1237.5-50
52長崎市0.1237.5-70.73

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

書籍の月間支出の現状と今後

書籍への支出は、教育・教養・娯楽など多様な目的に関連し、個人や家庭の文化的・知的志向を反映する支出項目です。近年は電子書籍の普及により紙の書籍市場は縮小傾向にあるものの、1部地域では書籍購入が依然として活発に行われており、その地域性が顕著に表れています。2025年4月時点の全国平均は589円で、前年同月比では+1.029%とわずかながら増加しています。


支出金額トップ都市 ― 奈良市と松山市の台頭

最も支出額が高いのは奈良市で1,192円。全国平均の約2倍に相当し、前年比でも+35.45%と堅調な増加を記録しています。奈良は教育・文化資源が豊富で、書籍購入を日常的に重視する家庭が多いと考えられます。

次いで松山市(1,120円)は前年比+241.5%という大幅な増加を見せ、注目すべき変化が見られます。購入回数も0.56回と高く、地域住民の読書習慣の高まりや、書店・図書フェアなどの地域イベントの影響も推測されます。


その他の高支出都市とその傾向

盛岡市(1,097円)も前年比+102%と急増しており、購入回数は0.52回と全国平均(0.33回)を大きく上回っています。名古屋市(1,005円)、大分市(944円)、東京都区部(939円)も支出額が高く、首都圏および地方中核都市での読書活動の活発さがうかがえます。

とくに東京都区部は購入回数0.5回で、前年比+27.76%と順調に増加しており、再び書籍購買への意識が高まりつつある様子が見られます。


支出の減少が見られる都市とその背景

1方、さいたま市(819円)は支出金額では上位にあるものの、前年比では-25%と大きく減少しています。また、名古屋市川崎市は購入回数の減少が目立ち、それぞれ-35.8%、-27.14%となっています。これは電子書籍や中古書店の利用増加、ネット通販の影響などで、紙の新刊書籍への支出が抑えられていることを示している可能性があります。


書籍購入回数から見る読書習慣

購入回数で見ると、全国平均は0.33回と低めですが、松山市(0.56回)、千葉市(0.55回)、盛岡市松江市名古屋市(各0.52回)などは非常に高水準にあります。これは読書を生活の1部と捉える文化が根付いていることの表れであり、家計に占める書籍の重要性が高い地域といえます。


まとめ ― 書籍支出から見える文化的格差

書籍支出には地域間で大きな開きがあり、単なる所得水準だけでなく、文化活動への関心、教育レベル、地域イベントやインフラ(書店・図書館)の整備状況も大きく影響しています。奈良市や松山市、盛岡市のように書籍購入が活発な地域では、家庭や地域全体の読書文化が根強く支えられていると考えられます。

今後も都市ごとの文化的志向や政策のあり方によって、書籍支出の傾向には変化が現れることが予想されます。

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