近畿の野菜価格は京都市が312円/kgで最も高く、尼崎市が189円/kgと最も低い。2025年4月は都市部で価格が下落、郊外では供給減で上昇。流通コストやブランド野菜の影響が価格に反映されており、今後は気象リスクと物流再編が価格動向を左右する見込み。
野菜全体の卸売り市場価格
野菜全体の高い順
京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 和歌山市 | 大阪府 | 北勢 | 姫路市 | 奈良県 | 大津市 | 尼崎市 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2011年12月 |
最大期 | 2024年12月 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2016年6月 | 2018年1月 | 2016年10月 | 2016年10月 | 2018年1月 | 2017年12月 | 2010年4月 |
最新値[円/kg] | 312 | 281.7 | 264 | 251 | 214 | 210 | 209 | 208 | 203 | 189 |
最大値[円/kg] | 350 | 319.7 | 327 | 266 | 291 | 251 | 270 | 252 | 269 | 256 |
前月比[%] | -5.834 | -7.749 | -10.51 | +6.809 | +6.468 | -12.5 | +0.4808 | +2.97 | +10.33 | +9.884 |
前年同月比[%] | -4.391 | -1.97 | -6.383 | +20.1 | +15.05 | +39.07 | +6.633 | +18.86 | +19.41 | -2.073 |

野菜全体の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
野菜全体の価格についての推移と展望
近畿地方は、大都市圏(大阪・京都・神戸)とその周辺の生産地が密接に連動している構造を持ちます。消費規模が大きい一方、近郊農業の地盤がしっかりしており、地産地消の比率が比較的高いのが特徴です。
2008年以降、全国平均と比較しても、近畿の野菜価格は中間的な水準を維持してきましたが、都市ごとの価格差は大きく、流通コスト・取扱量・地場農産物の比率などが価格に強く反映されます。
2025年4月時点の都市別価格とその特色
以下は2025年4月のkgあたりの最新価格です:
-
高価格帯 - 京都市:312円/kg(高級志向とブランド野菜の存在) - 大阪市:281.7円/kg(流通拠点としての需給集中)
-
中価格帯 - 神戸市:264円/kg(港町での物流コストが反映) - 和歌山市:251円/kg(安定供給型の産地近郊市場)
-
低価格帯 - 大阪府(府内広域市場):214円/kg - 北勢(三重県北部):210円/kg - 姫路市:209円/kg - 奈良県:208円/kg - 大津市:203円/kg - 尼崎市:189円/kg
高価格帯は主に需要地中心、低価格帯は地元生産が豊富なエリアや、都市圏から少し外れたローカル市場に多く見られます。
最近の価格動向と背景要因
2025年4月は、地域によって対照的な動きが見られました。
-
価格が下落した都市: - 神戸市(-10.51%)、大阪市(-7.749%)、京都市(-5.834%) →3月の高値からの調整局面。気温上昇による出荷量増加や物流正常化が要因と考えられます。
-
価格が上昇した都市: - 大津市(+10.33%)、尼崎市(+9.884%)、和歌山市(+6.809%) →端境期に入って供給が減少、もしくは寒冷の影響で一時的な品薄となった可能性。
-
注目点: - 北勢(-12.5%)の大幅下落は、地場の供給量急増か、市場の調整によるものと見られます。
このように、都市部は調整で下落、郊外部は供給不安で上昇という二極化が見て取れます。
地域別の特色と構造的課題
-
京都市の高価格構造 - 京野菜などのブランド価値により、市場での単価が高めに維持されやすい。業務用・贈答用需要も影響。
-
大阪市と大阪府の価格差 - 大阪「市」は中央卸売市場の影響で価格が高止まりしやすく、大阪「府」全体では地元供給があるため安価傾向。
-
低価格帯地域の共通点 - 奈良・姫路・北勢などは、生産地に近く、流通経路も短いため、価格が抑制されやすい構造。
今後の見通しと期待される動向
-
5〜6月:供給安定化で価格は再び調整へ →春野菜のピークが過ぎれば価格は落ち着く可能性が高い。
-
夏以降:気象リスクへの警戒 →台風・高温障害が発生すれば、特に都市部で価格が再上昇する可能性あり。
-
中長期的には「物流の二極化」が加速 →大都市と地方都市での価格差が拡大。直販・道の駅などの地元販売が拡大すれば、ローカル市場は価格安定を維持できる。
また、消費者側でも価格が高騰する都市では冷凍・加工品への置き換えが進む可能性があり、野菜価格の需要面にも影響が出ると予想されます。
コメント