外国パック旅行費の支出動向と今後の展望|2025年最新データ分析

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2025年4月の外国パック旅行費は平均39.55万円と大幅に回復。九州・沖縄や大都市で支出が高く、前年同月比+20%以上の伸びを示す地域もあるが、支出世帯割合は平均0.239%と依然低水準。今後は円安と物価高を乗り越え、LCCや近距離旅行の活用、富裕層向け高付加価値商品の展開により、持続的な市場成長が期待される。

家計調査結果

パック旅行費(外国)の相場

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 九州・沖縄 大都市 関東 近畿 全国 小都市B 中都市 北海道 東海 中国
最新値[万円] 39.55 67.99 66.52 61.98 47.84 47.37 44.5 43.41 28.92 28.33 24.4
前年同月比[%] +20.26 +199 +101.8 +101.7 +185.5 +51.97 +84.03 +25.99 -31.44 -75.02

パック旅行費(外国)支出の世帯割合

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 東海 大都市 四国 近畿 関東 小都市A 全国 北海道 中都市 中国
最新値[%] 0.239 0.44 0.35 0.34 0.31 0.29 0.27 0.25 0.2 0.2 0.14
前年同月比[%] +11.27 +69.23 +55 +35 +13.64 +33.33 -17.65

 

パック旅行費(外国)の推移

パック旅行費(外国)の支出額
支出世帯の割合

 

詳細なデータとグラフ

 

パック旅行費(外国)の旅行関係費現状と今後

「パック旅行費(外国)」とは、航空券・宿泊費・現地移動などが1括で含まれた海外旅行の総費用を意味し、旅行会社が提供するパッケージツアーにかかる支出である。個人旅行よりも計画性・手軽さが求められる層に人気があり、経済状況や為替、感染症、地政学的リスクなどと密接に関係している。特に近年は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたが、その反動もあり、近年の回復傾向が著しい。


パック旅行費(外国)の現状分析(2025年4月時点)

全国平均と地域差

2025年4月時点の全国の月間支出平均は39.55万円である。これに対し、9州・沖縄が最も高く67.99万円、次いで大都市66.52万円、関東61.98万円と、都市部および西日本の1部地域で支出が高水準となっている。逆に中国(24.4万円)や東海(28.33万円)など1部地域は平均以下で、明確な地域差が存在する。

支出増加率

前年同月比で平均+20.26%の増加と、強い回復傾向を示している。特に9州・沖縄(+199%)、近畿(+185.5%)、関東(+101.7%)などは非常に高い伸び率を示しており、コロナ禍で1時的に旅行を控えていた層の反動とみられる。

支出世帯割合の動向

1方で、外国パック旅行を支出した世帯の割合は平均0.239%と低水準であり、旅行に出る家庭が限定されている実態がある。最も高いのは近畿の0.31%、最も低いのは9州・沖縄の0.08%と、支出額が高くても利用者数が少ない構造が顕著である。


これまでの動向とコロナ禍の影響

2010年からの長期トレンドを見ると、2010年代前半は円高やLCCの普及、訪日外国人との航空路線共有などが進み、海外旅行は身近になっていた。ところが、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、国際旅行はほぼ停止。2022年以降に徐々に再開され、2023〜2025年にかけて急回復する動きが生まれている。

特に2024年以降は、為替の円安傾向にもかかわらず、「リベンジ旅行」の流れが強く、アジア圏を中心とした比較的安価な旅行先に需要が集中した。パッケージツアーは感染対策やトラブル時の保証体制などが整備されている点から、安心志向の高齢者層や家族連れを中心に人気が再燃している。


直面する課題

為替と物価高の壁

円安の進行と現地インフレにより、海外旅行のコストは実質的に大幅に上昇している。特に欧米方面へのツアーは価格が跳ね上がり、中流層にとっては「気軽な贅沢」から「計画的な出費」に変化している。

地域格差と情報格差

東京・大阪など大都市では多様なパックツアーが手に入る1方、地方では商品選択肢や出発地の制限が大きい。また、情報へのアクセス格差もあり、特定の層にしか届かない販路が課題である。

支出世帯の偏在

支出額は増加しているが、利用世帯は極めて少数であり、「旅行に行ける層と行けない層」の2極化が進行している。これは今後の国内消費や旅行業界においても社会的な課題となりうる。


今後の期待と展望

LCC・近距離パック旅行の拡大

燃料費の安定とアジア主要都市との路線復活により、台湾・韓国・タイ・ベトナムといった東アジア〜東南アジア圏へのパック旅行がさらに普及する可能性がある。費用を抑えつつ充実したサービスを提供する中堅旅行会社の動向がカギを握る。

富裕層・シニア層への特化型商品

価格にこだわらず「体験」「安全」「医療対応」を求める層向けに、医療付きツアーやワーケーション型ツアーなど、新しい旅行の形が登場することが予想される。パック旅行市場は単なる価格競争から脱却し、価値重視へと進化することが期待される。

平均支出額の持続的上昇と広がり

現在は1部層に支えられている外国パック旅行費だが、世帯数増加とともに平均支出額も持続的に上昇する可能性がある。特に2025年以降の円相場安定や出入国制度の簡素化が実現すれば、支出世帯割合の増加と市場の裾野の拡大が見込まれる。


まとめ

パック旅行費(外国)は、コロナ禍の打撃から急速に回復しつつあるが、依然として支出世帯の少なさ地域・経済格差の拡大といった課題を抱えている。今後は、近距離低価格型ツアーと、富裕層向け高付加価値ツアーの2軸展開が市場をけん引し、平均支出額の上昇と裾野の広がりを同時に進める構造が予想される。

 

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