仕送り金は主に地方から都市部へ進学・就職する子どもへの支援として位置づけられ、特別支出の中でも家計への影響が大きい。最新データでは地域差が顕著で、中国や四国では高額である一方、全国平均では微減。仕送りを行う世帯割合も減少傾向にあるが、生活費の高騰や進学支援の不足が続く限り、家庭にとっては重要な負担項目であり、今後も政策支援が求められる。
家計調査結果
仕送り金の相場
仕送り金支出の世帯割合
仕送り金の推移


詳細なデータとグラフ
仕送り金の特別費現状と今後
仕送り金は、親から子、または親族間などで生活支援のために送金される特別な支出項目であり、教育、就職、病気や老後の援助といったライフイベントに強く関わる重要な支出です。特に大学進学や地方から都市部への進学・就職に伴う仕送りが主な内訳となっています。世帯の家計においては定常的な支出とは異なり、必要に応じて大きく変動する特徴を持っています。
仕送り金の平均額と地域差の背景
最新のデータでは、仕送り金の全国平均は8.856万円ですが、中国(11.65万円)や4国(10.98万円)など地方圏で高額な傾向があります。これは、地方から都市部の大学へ進学する子どもに対する仕送りが多いためと考えられます。都市部に居住する世帯(例:大都市8.239万円)は、子どもが自宅通学できるケースも多く、仕送りの必要性が相対的に低くなっている可能性があります。
また、中都市(10.05万円)でも仕送り金が多い傾向が見られ、都市部に比べて家計の余裕や家族文化の影響もあると考えられます。
前年同月比から見る地域ごとの増減動向
仕送り金の増減は地域によって大きなばらつきが見られます。中国(+28.04%)や4国(+35.02%)、関東(+28.19%)では大幅な増加があり、仕送りニーズが再び強まっている可能性があります。これは進学先の学費や生活費の上昇、あるいは世帯の所得回復などが背景にあると考えられます。
1方で、9州・沖縄(-25.04%)、大都市(-13.88%)、東北(-16.32%)では大きな減少が見られます。これは物価高や所得の停滞によって、仕送りの金額を抑えざるを得ない家庭が増えていることを示唆している可能性があります。
仕送りをする世帯の割合とその変化
仕送りを行っている世帯の割合は平均で3.281%と比較的少数派ですが、東北(3.67%)や小都市B(3.11%)などでは高めに出ています。これは、進学などで子どもが遠方に住んでいるケースが多く、仕送りが生活の1部となっている家庭が多いためと見られます。
ただし、全体としては-3.366%と減少しており、近畿(-18.03%)や東北(-18.98%)では急減しています。背景には、物価高騰、世帯収入の圧迫、あるいは仕送りを必要としないオンライン学習や地元進学の増加などの構造的変化があると考えられます。
今後の仕送り金の推移と期待
今後の仕送り金の動向は、以下の要因に大きく左右されます:
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少子化の進行により、仕送りを必要とする子どもが減少する1方で、1人あたりの仕送り額が増える可能性もあります。
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物価と生活費の上昇が続けば、仕送りの必要額は今後も増加する可能性がありますが、家計に余裕のない世帯では抑制される可能性も。
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リモート教育の普及や地元進学の推進が進むことで、仕送り自体の必要性が減るトレンドも考えられます。
政策的には、奨学金や家賃補助などの支援が整えば、家庭の仕送り負担も緩和されるでしょう。特に地方出身者にとっては、仕送りの有無が進学の可否に直結するため、教育機会の公平性にも関わってきます。
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