近畿の米の集荷動向|滋賀が牽引、減少続く他県の課題と展望

穀物統計

近畿地方では滋賀県が米の集荷・契約数量で他県を大きくリード。全体では前年同月比で減少傾向が強いが、三重県「コシヒカリ一般」や兵庫県「キヌヒカリ」が契約数量を伸ばすなど、一部で安定供給が評価されている。気候変動や生産者高齢化が課題。

近畿での米の集荷数量

2025年5月
降順昇順
市場集荷数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均5.3100-25.59
1滋賀 (コシヒカリ)16.5311.3-15.38
2滋賀 (みずかがみ)9.3175.5-19.13
3兵庫 (コシヒカリ)8.1152.8-26.36
4滋賀7.3137.7-25.51
5コシヒカリ一般6.6124.5-35.29
6奈良 (ヒノヒカリ)5.5103.8-34.52
7コシヒカリ伊賀4.381.13-27.12
8京都 (コシヒカリ)3.973.58-18.75
9兵庫2.852.83-17.65
10兵庫 (ヒノヒカリ)2.445.28-46.67
11京都 (ヒノヒカリ)0.815.09-27.27
12京都0.815.09-42.86
13三重(キヌヒカリ)0.611.32-45.45

米の集荷数量の推移

米の集荷数量(近畿)

近畿での契約数量

2025年5月
降順昇順
市場契約数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均5.692100-9.091
1滋賀 (コシヒカリ)16.4288.1-2.381
2三重 (コシヒカリ一般)11.7205.5+11.43
3兵庫 (コシヒカリ)9.8172.2-8.411
4滋賀 (みずかがみ)8.8154.6-10.2
5滋賀7123-12.5
6三重 (コシヒカリ伊賀)4.680.81-22.03
7奈良 (ヒノヒカリ)4.477.3-16.98
8兵庫3.154.46+6.897
9兵庫 (ヒノヒカリ)352.7-14.29
10コシヒカリ2.645.68-43.48
11三重1.221.08+9.091
12ヒノヒカリ0.712.3-36.36
13京都(キヌヒカリ)0.712.3-41.67

契約数量の推移

契約数量(近畿)

カテゴリー

米価格米販売量米の集荷数量

詳細なデータとグラフ

米の集荷数量の現状と今後

近畿地方は全国の中でも農業生産よりも消費に特化した地域が多く、米の集荷数量・契約数量は比較的小規模です。とはいえ、滋賀・3重・兵庫などでは地元ブランド米の育成が進み、安定した集荷・契約実績を上げてきました。2025年5月時点の平均集荷数量は5.3トン、契約数量は5.692トンと、前年同月比でいずれも減少傾向にあります。


集荷数量ランキングとその推移

順位 地域(銘柄) 集荷数量(トン) 前年同月比
1 滋賀(コシヒカリ) 16.5 -15.38%
2 滋賀(みずかがみ) 9.3 -19.13%
3 兵庫(コシヒカリ) 8.1 -26.36%
4 滋賀(キヌヒカリ) 7.3 -25.51%
5 3重(コシヒカリ1般) 6.6 -35.29%
6 奈良(ヒノヒカリ) 5.5 -34.52%
7 3重(コシヒカリ伊賀) 4.3 -27.12%
8 京都(コシヒカリ) 3.9 -18.75%
9 兵庫(キヌヒカリ) 2.8 -17.65%
10 兵庫(ヒノヒカリ) 2.4 -46.67%

滋賀県がトップ3を独占しており、近畿の米流通における中心的存在です。1方で、全体的に前年比で大幅な減少傾向が見られます。特にヒノヒカリ系の兵庫・奈良での減少幅が大きく、地域ごとの需給バランスの変化が顕著です。


契約数量の実績と動向

順位 地域(銘柄) 契約数量(トン) 前年同月比
1 滋賀(コシヒカリ) 16.4 -2.381%
2 3重(コシヒカリ1般) 11.7 +11.43%
3 兵庫(コシヒカリ) 9.8 -8.411%
4 滋賀(みずかがみ) 8.8 -10.2%
5 滋賀(キヌヒカリ) 7.0 -12.5%
6 3重(コシヒカリ伊賀) 4.6 -22.03%
7 奈良(ヒノヒカリ) 4.4 -16.98%
8 兵庫(キヌヒカリ) 3.1 +6.897%
9 兵庫(ヒノヒカリ) 3.0 -14.29%
10 京都(コシヒカリ) 2.6 -43.48%

契約数量では3重県の「コシヒカリ1般」が前年同月比でプラス成長を記録し、滋賀県の堅調な水準と並んで、1部で契約ベースでの安定供給体制が評価されていることがうかがえます。

また、兵庫の「キヌヒカリ」が唯1契約数量を増加させており、これは地元需要や特定用途(外食・弁当市場)における安定取引の成果と考えられます。


地域別の品種特性と生産の背景

  • 滋賀県

    • 「コシヒカリ」と「みずかがみ」が主力。琵琶湖周辺の豊富な水資源と栽培適地により安定生産が可能。

  • 兵庫県

    • 品種多様で「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「ヒノヒカリ」を展開。中山間地が多く、生産条件にばらつきがあり減少傾向が目立つ

  • 3重県

    • 「伊賀産」や「1般品」など地域ブランドが存在。品質重視の流通により契約数量では1定の評価を得ている。

  • 奈良県・京都府

    • いずれも生産規模は小さいが、地元消費や観光業との連携でブランド価値維持に努めている。


価格と数量推移に影響を与える要因

  1. 生産者の高齢化と担い手不足 → 耕作面積の縮小と作付け放棄の増加。

  2. コスト上昇 → 肥料・燃料の価格高騰によって利益確保が困難になり、作付けを控える傾向が広がる。

  3. 天候要因 → 近年の異常高温や少雨により収量や品質が不安定

  4. 銘柄の分散とブランド価値の再構築 → 特定銘柄依存から脱却し、地場品種(みずかがみ、キヌヒカリなど)による差別化を進めているが、市場評価とのギャップも存在。

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