近畿地方の米販売量分析:地域ごとの特色と今後の課題

穀物統計

近畿の米市場では、平均販売量4.069トン・価格2.839万円/60kgで、数量は大幅減(-17.86%)に対し価格は大幅増(+93.68%)。滋賀の「コシヒカリ」「みずかがみ」「キヌヒカリ」が主力を占め、三重・奈良などは落ち込み顕著。生産減・コスト増が価格高騰を招いている。

近畿での米販売量

2025年5月
降順昇順
市場販売数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均4.069100-17.86
1滋賀 (コシヒカリ)12.7312.1-12.41
2滋賀 (みずかがみ)7.4181.9-8.642
3兵庫 (コシヒカリ)6.8167.1-6.849
4滋賀 (キヌヒカリ)5.7140.1-17.39
5三重 (コシヒカリ一般)5.2127.8-33.33
6奈良 (ヒノヒカリ)4.4108.1-16.98
7三重 (コシヒカリ伊賀)3.381.1-15.38
8京都 (コシヒカリ)2.766.35-20.59
9兵庫 (キヌヒカリ)1.946.69-17.39
10兵庫 (ヒノヒカリ)1.331.95-40.91
11京都 (キヌヒカリ)0.717.2-30
12京都 (ヒノヒカリ)0.49.83-50
13三重 (キヌヒカリ)0.49.83-55.56

米販売量の推移

米販売量(近畿)

近畿での市場価格

2025年5月
降順昇順
市場価格[万円/60kg]平均比前年同月比[%]
平均2.62100+78.33
1滋賀 (キヌヒカリ)3.151120.3+125.5
2滋賀2.684102.5
3兵庫 (キヌヒカリ)2.52796.46+70.86
4京都(コシヒカリ)2.11780.81+42.19

市場価格の推移

米価格(近畿)

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

米販売量の現状と今後

2025年5月時点で、近畿地方における米の販売量の市場平均は4.069トン市場価格の平均は2.839万円/60kgと報告されています。前年同月と比較すると、販売数量は平均で-17.86%と大幅な減少、1方で市場価格は+93.68%とほぼ2倍近い上昇が確認されました。数量と価格の逆行現象が顕著であり、需給バランスの変化が読み取れます。


銘柄別・地域別の販売数量の特徴

  • 滋賀(コシヒカリ):12.7トン(-12.41%) 近畿圏で最大の販売量を誇る。減少傾向だが依然として中心的存在。

  • 滋賀(みずかがみ):7.4トン(-8.642%) 滋賀県の新しい品種。数量は堅調ながら、わずかに後退。

  • 兵庫(コシヒカリ):6.8トン(-6.849%) 比較的安定しているが、他県より減少幅は小さめ。

  • 3重(コシヒカリ1般):5.2トン(-33.33%) 前年同月比の減少率が最も大きく、供給縮小が顕著。

  • 京都・奈良・兵庫(ヒノヒカリ):合計7.4トン 近年では主力からやや後退し、銘柄の切り替えや市場離れが進行している可能性。


価格の推移と高騰の構造的背景

価格は大きく上昇しており、以下の要因が複合的に絡んでいます:

  1. 生産コストの上昇 肥料・燃料・機械等のコスト増加により、農家が価格転嫁を行っている。

  2. 収量の減少と供給不足 異常気象や担い手不足による作付面積の縮小が進行しており、供給が減る中で価格が上昇。

  3. 銘柄プレミアムの確立 滋賀「キヌヒカリ」は3.151万円/60kgと高値で取引され、ブランド力の差が価格に反映されている。


都市・県別の特徴と背景

  • 滋賀県 「コシヒカリ」「みずかがみ」「キヌヒカリ」と複数品種を展開。販売量・価格ともに全国的に見ても高水準を維持。

  • 兵庫県 「キヌヒカリ」が中心で、価格は2.527万円/60kgとやや抑えめ。市場への安定供給力を維持している。

  • 3重県 「コシヒカリ」の中でも「伊賀」「1般」などで特色を出しているが、減少傾向が強く、再構築が急務。

  • 奈良・京都 「ヒノヒカリ」主体で伝統的な栽培地だが、販売量の落ち込みが大きく、再生産意欲の低下が心配される。


今後の課題と展望

  1. 需給のミスマッチの是正 価格高騰は農家にとって1見プラスだが、消費者離れを招く懸念も。中間価格帯の品種育成が望まれる。

  2. 担い手育成と地域資源の活用 近畿地方は中小規模農家が多く、持続的な農業の確保には新たな担い手と地域の協力体制が不可欠。

  3. ブランドの差別化と輸出強化 「キヌヒカリ」などの高価格品種は国内外での展開も視野に入れ、広報と品質維持が鍵。

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