北海道・東北の米価格と販売量|ブランド米と高価格化の実態

穀物統計

北海道・東北の米価格は大幅に上昇し平均2.853万円/60kg、販売量は29.52トン。青森や岩手、福島で販売量と価格が共に増加。秋田など一部では減少傾向。資材高騰とブランド戦略が価格上昇の背景にあり、今後は高品質米の需要拡大と安定供給が鍵。

北海道・東北での米販売量

2025年5月
降順昇順
市場販売数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均29.52100+0.0161
1秋田 (あきたこまち)113.2383.4-12.92
2北海道 (ななつぼし)89.8304.2-2.179
3まっしぐら58.9199.5+21.95
4宮城 (ひとめぼれ)53.7181.9-12.97
5北海道 (ゆめぴりか)53.2180.2+5.138
6岩手 (ひとめぼれ)51.2173.4+30.28
7山形 (はえぬき)49.7168.3-12.19
8山形 (つや姫)2688.06-14.47
9福島 (コシヒカリ中通り)19.867.06-7.477
10福島 (天のつぶ)19.465.71+83.02
11福島 (ひとめぼれ)17.157.92+90
12山形 (雪若丸)11.639.29+6.422
13岩手 (銀河のしずく)11.538.95+38.55
14福島 (コシヒカリ会津)10.635.9+0.952
15秋田 (ひとめぼれ)827.1-8.046
16宮城 (つや姫)7.625.74-7.317
17秋田 (めんこいな)6.722.69+34
18宮城 (ササニシキ)6.120.66
19岩手 (あきたこまち)413.55-14.89
20福島 (コシヒカリ浜通り)1.96.435-5
21青森(つがるロマン)00-100

米販売量の推移

米販売量(北海道・東北)

北海道・東北での市場価格

2025年5月
降順昇順
市場価格[万円/60kg]平均比前年同月比[%]
平均2.853100+83.97
1福島 (コシヒカリ会津)3.478121.9+111
2秋田 (ひとめぼれ)3.315116.2
3青森 (まっしぐら)3.202112.2+106.6
4福島 (ひとめぼれ)3.02105.9+101.6
5福島 (天のつぶ)3.008105.5+108.4
6福島 (コシヒカリ中通り)2.962103.8+91.15
7山形 (つや姫)2.946103.3+56.92
8北海道 (ゆめぴりか)2.878100.9+79.6
9山形 (雪若丸)2.82398.96+84.88
10宮城 (つや姫)2.81998.82+79.65
11北海道 (ななつぼし)2.77797.35+77.19
12山形 (はえぬき)2.72895.61+87.34
13秋田 (あきたこまち)2.69494.43+71.86
14秋田 (めんこいな)2.69394.4+89.67
15北海道 (きらら)2.61991.8+75.69
16岩手 (ひとめぼれ)2.52288.39+69.22
17宮城 (ひとめぼれ)2.46586.41+58
18岩手 (銀河のしずく)2.40184.16

市場価格の推移

米価格(北海道・東北)

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

米販売量の現状と今後

2025年5月時点での北海道・東北地域における米の平均販売量は29.52トン平均市場価格は2.853万円/60kgとなっており、価格は前年同月比で+83.97%と大幅な上昇、販売量は+0.0161%と横ばいに近い微増にとどまっています。このデータからは、価格は急騰しているが販売量の拡大は伴っていないという供給制限的な市場構造がうかがえます。


銘柄別・県別の販売数量とその変化

  • 秋田(あきたこまち):113.2トン(前年比 -12.92%) 東北を代表するブランド米でありながら、販売量は1割以上減少。作付面積の縮小や市場在庫の影響が示唆されます。

  • 北海道(ななつぼし):89.8トン(前年比 -2.179%) 高い安定性と人気を持つ品種。販売量はわずかに減少したが、地域の主力としての地位は堅持。

  • 青森(まっしぐら):58.9トン(前年比 +21.95%) 販売量の急増が目立つ例。価格の上昇(+106.6%)と連動し、注目度が高まったことが要因と考えられます。

  • 岩手(ひとめぼれ):51.2トン(前年比 +30.28%) 前年からの伸びが顕著。ブランド認知の広がりとともに販路が拡大した可能性があります。

  • 福島(天のつぶ):19.4トン(前年比 +83.02%) 価格と販売量がともに急上昇。ブランド力の向上と安全性の評価が背景にあると見られます。


高価格帯の品種とその背景

  • 福島(コシヒカリ会津):3.478万円/60kg(前年比 +111%) 全国トップレベルの高価格。希少性と会津地方のブランドイメージが高値形成を後押し。

  • 秋田(ひとめぼれ)、青森(まっしぐら)、福島(ひとめぼれ)も3万円超え いずれも品質と産地の信頼性が高く、輸出や贈答需要への対応も価格上昇の1因です。

  • 山形(つや姫):2.946万円/60kg(前年比 +56.92%) 「つや姫」は品質の高さから家庭用やギフト需要に強みを持ち、安定した高価格を維持。


価格上昇の要因と地域別の特徴

  1. コスト増による生産単価上昇 肥料・燃料・人件費の上昇が、米価に転嫁される形で価格上昇を招いています。

  2. ブランド戦略の進展 福島、青森、山形などでの「品種×地域」ブランド化が進み、単価向上につながっています。

  3. 気候と作柄の変動 2024年〜2025年にかけての天候不順により、1部地域では収穫量が減少し、供給制限による価格高騰を引き起こしました。

  4. 需要の構造変化 量より質を求める消費者の傾向が強まり、家庭や飲食店では高品質米へのシフトが進んでいます。


今後の展望と課題

北海道・東北は日本有数の米生産地として、市場における主導的役割を担っています。今後は以下のような展望が考えられます。

  • プレミアム米市場の拡大 「ゆめぴりか」や「つや姫」のような高価格品種が、都市部や海外市場での需要をけん引。

  • 気候変動対策と収量安定化 安定供給を実現するため、スマート農業や水管理の高度化が求められます。

  • 価格高騰への対応 高価格が続くと、外食産業や給食などの需要が減退する可能性があり、価格の安定と供給の多様化が課題です。

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