近畿の米価格動向:兵庫・三重の上昇と滋賀・奈良の課題

穀物統計



2025年4月時点で近畿の米価格は平均2.688万円/60kg。滋賀のキヌヒカリが3.287万円と最高値を記録し、価格上昇を牽引。一方、三重など業務用銘柄は下落傾向。今後はブランド強化と農業技術の導入による安定が期待されます。

米価格のデータとグラフ

近畿の高い順

2025年4月 1 2 3 4 5 6
名称 平均 滋賀 (キヌヒカリ) 滋賀 (みずかがみ) 兵庫 兵庫 (キヌヒカリ) 滋賀 三重
最新値[万円/60kg] 2.688 3.287 2.815 2.631 2.527 2.449 2.418
前月比[%] +11.11 +32.09 +17.31 +2.657 +6.944 +3.185 -5.336
前年同月比[%] +84 +136.6 +87.53 +71.01 +60.26

近畿の安い順

2025年4月 1 2 3 4 5 6
名称 平均 三重 滋賀 兵庫 兵庫 みずかがみ 滋賀(キヌヒカリ)
最新値[万円/60kg] 2.688 2.418 2.449 2.527 2.631 2.815 3.287
前月比[%] +11.11 -5.336 +3.185 +6.944 +2.657 +17.31 +32.09
前年同月比[%] +84 +60.26 +71.01 +87.53 +136.6

 

近畿の米価格の推移

これまでの価格
最近の価格

最新の価格データ

価格の高い順
価格の低い順

 

詳細なデータとグラフ

 

米価格についての推移と展望

近畿地方は水田面積は限られるものの、古くからの稲作文化とブランド米育成に力を入れてきました。滋賀・兵庫・3重といった府県で特色ある銘柄が生まれ、地域内でも価格に大きな差が見られます。


2025年4月時点の米価格の全体像

近畿地方の平均価格は2.688万円/60kgで、全国平均(2.672万円)をやや上回っています。ただし、地域・銘柄によって価格帯の差が非常に大きいのが特徴です。


地域・銘柄別の価格帯と動向

高価格帯(プレミアム米:3万円超)

地域・銘柄 価格 前月比 前年比
滋賀(キヌヒカリ) 3.287万円 +32.09% +136.6%

「近江米」としてブランド評価の高い滋賀県産キヌヒカリは、近年の食味評価と販売力の向上により、1気に価格が上昇しています。


中価格帯(2.6〜2.8万円)

地域・銘柄 価格 前月比 前年比
滋賀(みずかがみ) 2.815万円 +17.31% +87.53%
兵庫 2.631万円 +2.657% (不明)
兵庫(キヌヒカリ) 2.527万円 +6.944% +71.01%

「みずかがみ」は滋賀県が近年力を入れている新品種で、品質と価格が共に上昇中。兵庫県産も安定した価格を維持しています。


低価格帯(業務用・標準品)

地域 価格 前月比 年間比
3重 2.418万円 -5.336% (不明)
滋賀(全体平均) 2.449万円 +3.185% +60.26%

3重県産米は前月比で下落が顕著。業務用需要が多いため、価格競争にさらされやすい状況です。


価格動向の背景と地域の課題

背景要因:

  • ブランド化戦略の成果:滋賀県は銘柄別マーケティングに成功し、価格上昇。

  • コスト増加の価格転嫁:資材・燃料高により農家が価格調整を実施。

  • 品種改良と販路開拓:食味重視の傾向が強まり、良質米が選ばれる時代へ。

課題:

  • 3重県などの低価格品種の市場縮小

  • 同じ銘柄でも府県間で価格格差が広がる

  • 消費者価格との乖離:生産者価格上昇が販売価格に十分反映されていない可能性


今後の推移と期待

短期的見通し(2025年内):

  • 滋賀県の銘柄(特にキヌヒカリ)は高値を維持すると予想。

  • 3重県など業務用中心の地域は価格調整局面が継続する可能性。

中長期的な見通し(2026年以降):

  • 「地元ブランド米」の再評価が進み、近畿全体で価格の底上げが期待。

  • スマート農業・省力栽培の導入により、価格と収益の両立が鍵に。

  • ブランドの統1戦略と輸出への展開により、さらなる価値向上も視野に。


まとめ

近畿地方では、滋賀県産の銘柄米が価格上昇をリードしており、特にキヌヒカリは全国屈指の高値を記録。1方で、3重など業務用米の価格が下落するなど、地域間での格差が目立ちます。今後は、生産と販売戦略の見直しを通じて、価格と品質の両立が求められます。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました