IMFの2025年予測では、アメリカが最大の就業者数を維持し、欧州や日本は減少傾向。南欧や英連邦諸国では観光や移民効果で回復傾向も見られる。高齢化・少子化・AIの影響で、今後の就業構造は大きく変化すると予想される。
世界経済のデータとグラフ
就業者数、国別今年の予想
2025年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
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名称 | アメリカ | 日本 | ドイツ | イギリス | フランス | 韓国 | イタリア | スペイン | カナダ | オーストラリア |
最新値[億人] | 1.638 | 0.673 | 0.429 | 0.339 | 0.29 | 0.287 | 0.242 | 0.22 | 0.209 | 0.146 |
前年比[%] | +0.833 | -0.327 | -0.462 | +0.86 | -0.34 | +0.339 | +0.932 | +1.478 | +0.941 | +1.76 |
就業者数の推移


詳細なデータとグラフ
就業者数の現状と今後
「就業者数」とは、ある国において実際に雇用されて働いている人々の数を示す経済指標であり、労働市場の規模や経済の活力を測る重要な要素です。GDPや失業率と密接に関連し、政府の政策運営や企業の戦略立案にも影響を与えます。
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就業者数が増える=労働市場が拡大・経済活動が活発
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就業者数が減る=人口減・景気停滞・構造的失業の兆候
最新のIMF予測(2025年)に見る就業者数の国際比較
IMFの2025年予測データにおける主な先進国の就業者数(億人)と前年比増減率:
国名 | 就業者数 | 前年比増減率 |
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アメリカ | 1.638 | +0.833% |
日本 | 0.673 | -0.327% |
ドイツ | 0.429 | -0.462% |
イギリス | 0.339 | +0.86% |
フランス | 0.290 | -0.34% |
韓国 | 0.287 | +0.339% |
イタリア | 0.242 | +0.932% |
スペイン | 0.220 | +1.478% |
カナダ | 0.209 | +0.941% |
オーストラリア | 0.146 | +1.76% |
この1覧からは、北米・オセアニア諸国が雇用を増やす1方で、日独仏の就業者数が減少傾向にあることが分かります。
アメリカの安定成長とその背景
アメリカは圧倒的に多い就業者数(1.6億人以上)を維持し、2025年も+0.833%の増加を見込んでいます。
要因:
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人口増加(特に移民)と柔軟な労働市場
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テクノロジー分野の雇用創出
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労働力3加率の持続的改善
特に遠隔労働の定着やフリーランス拡大が新たな雇用機会を生み出しています。
減少が始まる日本とドイツの共通課題
日本
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2025年予測:0.673億人、前年比-0.327%
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高齢化・出生率低下により労働力人口が絶対的に減少
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働き方改革や定年延長などの対策を講じても、若年層の減少は深刻
ドイツ
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同じく-0.462%とマイナス成長
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製造業主体の経済構造がAI・自動化に置き換わりつつあり、1部職種では人員減少が進行
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労働移民の受け入れが増えているが、政治的な制約もあり対応が難航
雇用増を見せる南欧・英連邦諸国
スペイン・イタリアの意外な増加
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スペイン:+1.478%、イタリア:+0.932%
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コロナ禍からの回復や観光業の復調が1因
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しかし依然として若年失業率は高く、「量の回復」には成功しても「質の雇用」には課題
オーストラリア・カナダ
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ともに+1%以上の増加
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高い移民受け入れと資源・観光・教育産業の成長が雇用を牽引
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労働市場への柔軟な制度が新興産業の台頭を支援
労働市場の構造変化 ― 少子高齢化とAIの影響
少子化
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日本、韓国、ドイツなどでは、若年労働力の減少が深刻。
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今後の就業者数は「高齢者の就労促進」と「女性の就業率向上」が鍵。
自動化・AIの影響
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中間層のホワイトカラー職が減少し、専門職とサービス職に偏在。
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就業者数は維持されても、職種構成が大きく変容する。
将来予測と各国の対応戦略
国・地域 | 主な戦略と課題 |
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アメリカ | 移民政策の安定化、教育再訓練強化 |
日本 | 高齢者雇用拡大、外国人労働者受け入れ |
欧州(独仏) | 労働市場の柔軟化と移民社会の統合 |
南欧 | 若年失業の解消とインフォーマル雇用の正規化 |
英連邦諸国 | 新興産業への投資、持続可能な移民政策 |
まとめ:就業者数は経済の「エンジン」そのもの
2025年時点での就業者数の推移は、各国が抱える構造的な課題とその対策の成果を如実に反映しています。今後の就業者数は単なる労働力の問題にとどまらず、「経済モデルの転換」「社会保障制度の再設計」という広範な変化に直結しています。
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