北海道・東北の米価格は全国平均を上回る2.639万円/60kg。宮城「つや姫」や北海道「ゆめぴりか」など高価格帯が好調で、前年比+100%超の地域も。一方、青森や岩手の一部銘柄は価格が下落。銘柄のブランド力と販路の差が価格格差の背景。今後も高級志向は続くが、従来銘柄の立て直しが課題。
米価格のデータとグラフ
北海道・東北の高い順
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
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名称 | 平均 | 宮城 (つや姫) | 北海道 (ゆめぴりか) | 山形 (つや姫) | 福島 (コシヒカリ会津) | 岩手 (あきたこまち) | 北海道 (ななつぼし) | 山形 (雪若丸) |
最新値[万円/60kg] | 2.639 | 3.546 | 2.954 | 2.894 | 2.803 | 2.795 | 2.768 | 2.703 |
前月比[%] | -1.778 | +24.66 | -2.253 | +2.323 | +3.329 | +9.191 | -1.199 | +0.629 |
前年同月比[%] | +71.43 | +123.7 | +81.13 | +54.31 | +78.05 | +84.73 | +76.28 | +74.28 |
北海道・東北の安い順
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
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名称 | 平均 | 岩手 (銀河のしずく) | 秋田 (ひとめぼれ) | 岩手 (ひとめぼれ) | 宮城 (ササニシキ) | 福島 (天のつぶ) | 福島 (ひとめぼれ) | 青森 (まっしぐら) |
最新値[万円/60kg] | 2.639 | 2.258 | 2.31 | 2.365 | 2.39 | 2.47 | 2.487 | 2.497 |
前月比[%] | -1.778 | -13.5 | +1.974 | -5.415 | -1.182 | -3.767 | -11.51 | -20.37 |
前年同月比[%] | +71.43 | +44.98 | +62.05 | +54.05 | +69 | +69.89 | +62.42 |
北海道・東北の米価格の推移


最新の価格データ


詳細なデータとグラフ
北海道・東北の米価格についての特徴
2025年3月時点における北海道・東北地方の平均米価格は2.639万円/60kgで、全国平均(2.478万円)よりやや高めに位置しています。これは、品質重視の高付加価値銘柄が存在する一方で、従来からの汎用銘柄も多く、価格差が大きいという地域特性を反映しています。
過去からの価格推移と特徴(2008年〜2025年)
北海道・東北地方では2008年以降、冷害リスクなどを背景に価格が安定しにくい傾向にありましたが、ブランド米の開発と技術革新によって価格帯が上昇してきました。特に2010年代後半から「つや姫」「ゆめぴりか」「銀河のしずく」など、銘柄による差別化が進み、価格の二極化が進行しています。
高価格帯のブランド米の台頭
宮城(つや姫):3.546万円(+123.7%)
大幅な価格上昇は需給のひっ迫と高級ブランドとしての定着が要因。前月比+24.66%という急騰は異例で、限定流通や輸出需要が価格を押し上げた可能性も。
北海道(ゆめぴりか):2.954万円(+81.13%)
味の良さと安定供給が評価され、年々着実にブランド価値が上昇。道内でもトップクラスの価格。
山形(つや姫)・福島(コシヒカリ会津)・岩手(あきたこまち)も2.7~2.9万円で推移し、品質重視層に支持されている。
価格が低迷する銘柄とその背景
岩手(銀河のしずく):2.258万円(-13.5%)
登場時は話題性があったものの、現在は供給過多や認知度の低下で価格が下落。
青森(まっしぐら):2.497万円(-20.37%)
安定した収量を持つが、ブランド力が弱く価格は上がりにくい。「日常食」用途としての需要に依存している。
福島(ひとめぼれ):2.487万円(-11.51%)
コストパフォーマンス型だが、輸送費や燃料費高騰の影響で利益確保が困難に。
地域間の価格格差と影響要因
北海道・東北では、同じ県内でも銘柄によって1万円以上の価格差が存在します。この要因には以下の点が挙げられます:
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ブランド認知度の差(「つや姫」vs「ひとめぼれ」など)
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販路の広さ(直販・高級スーパーへの供給が強い地域は有利)
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農協や自治体のプロモーション戦略
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品質のばらつきと気候の影響
今後の見通しと課題
【期待される展開】
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ブランド米の需要は今後も安定し、高価格帯での維持が可能と見られる。
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外食業界や輸出向けに、差別化された米のニーズが増える可能性。
【課題】
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通常銘柄は価格競争力の低下が懸念され、産地間競争が激化。
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若手農家の減少により生産体制が不安定化する可能性あり。
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価格高騰による消費者の「敬遠」も懸念材料。
おわりに:米の価値向上に向けて
北海道・東北の米は品質面で高く評価されており、地域ブランドの育成と販路戦略の見直しが鍵となります。価格差を「価値の差」として受け入れられるかが、今後の持続可能な発展の分かれ道となるでしょう。
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