2025年中国・四国の家賃相場と都市別動向:広島・徳島が上昇傾向

家賃

2025年5月の中国・四国の家賃平均は1坪あたり3,867円で微増傾向。広島や高松、岡山など中枢都市では上昇基調が続き、徳島も上昇率が高い。一方で松山は下落し、都市ごとの需要と供給バランスによる格差が明確に現れている。

1カ月1坪当り都市別の家賃相場

2025年5月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均3867+0.457
1広島4540+0.688
2高松4373+0.137
3岡山4204+0.262
4高知4139+0.0725
5松江3878+0.207
6鳥取3819+0.845
7宇部3743+0.322
8徳島3693+0.984
9松山3643-1.327
10山口3604+0.53
11福山3506-0.988
12今治3264+4.381
1カ月1坪当りの家賃

詳細なデータとグラフ

中国・四国の家賃現状と今後

中国・4国地方は、政令指定都市を擁する広島を筆頭に、中規模都市が点在する構造です。地価や家賃は全国平均よりも低めで、2025年5月時点の家賃平均は1坪あたり3,867円。この地域では人口減少が共通課題となっており、都市ごとの差が家賃相場に明確に現れています。


広島市 ― 中4国の中心都市としての安定感

広島市(4,540円)は中国・4国で最も高い家賃水準を示し、前年比+0.688%と安定した上昇が続いています。政令指定都市である広島は、行政機能、商業集積、大学や企業本社の集中によって、他の都市よりも住宅需要が強く、家賃の下支え要因になっています。2000年代から現在にかけて家賃は緩やかに上昇しており、都市再開発の進行も相場を押し上げる1因となっています。


高松市 ― 4国最大の都市としての堅実な需要

高松市(4,373円)は4国の経済・行政の中心として1定の住宅需要が維持されており、前年比+0.137%と微増ではあるものの安定的な家賃水準を保っています。コンパクトな都市構造と、4国の他都市からの転入者が集まりやすいという特徴もあり、家賃相場は比較的高位で推移してきました。


岡山市 ― 中核都市としての安定と今後の課題

岡山市(4,204円)は、前年比+0.262%と緩やかに上昇しています。中4国の交通結節点でもあり、学生や単身者向けの住宅需要が高い地域です。近年は再開発の動きも見られ、家賃水準は上昇基調にありますが、周辺郊外との価格競争や築年数の古い物件の多さが家賃の抑制要因にもなっています。


高知市 ― 地域特性を反映した落ち着いた相場

高知市(4,139円)前年比+0.0725%とほぼ横ばい。人口規模が小さく、都市への転入者も限定的であることから、賃貸需要の増減は緩やかです。生活コストが比較的低く、地域住民中心の住宅市場となっているため、急激な変動は見られません。地元定着型の住宅事情が安定的な相場を支えています。


松江市・鳥取市 ― 小規模都市での微増傾向

松江市(3,878円)+0.207%、鳥取市(3,819円)+0.845%と、いずれも上昇傾向にあります。どちらも県庁所在地として1定の行政需要がありますが、住宅供給に対して需要が安定していることで、家賃も極端な上下を見せません。特に鳥取は地方創生政策などの影響でわずかな上昇が見られます。


宇部市・山口市 ― 地域経済に支えられた安定的推移

宇部市(3,743円)前年比+0.322%、山口市(3,604円)+0.53%と、それぞれ緩やかな上昇。山口県内の拠点都市としての役割を果たす1方で、住宅需要はあくまで県内住民主体であり、家賃水準は低めで安定しています。企業の工場や研究所が所在する地域では1部で賃貸需要も見られます。


徳島市・松山市 ― 対照的な動きに注目

徳島市(3,693円)+0.984%と、今回の地域内で最も高い上昇率を記録。1方で松山市(3,643円)-1.327%と下落幅が最も大きい都市です。徳島では近年、IT系企業誘致や移住施策の影響があり、中心部での住宅需要が高まっています。松山は1部の再開発を除けば供給過多の傾向が強く、家賃の調整局面に入っている可能性があります。


総括 ― 緩やかな上昇基調のなかで都市別の格差も顕在化

全体的に見ると、中国・4国地方の家賃は+0.457%と微増傾向にあります。広島、高松、岡山など都市機能が集中している地域では安定もしくは上昇傾向が見られ、1方で人口減や供給過多に悩む都市では家賃の停滞または下落が続いています。今後は各都市の再開発政策や移住促進策が、家賃相場に直接影響を及ぼす構図がより明確になると見られます。

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