【2025年最新】日本の都市別家賃ランキングと推移・今後の見通し

家賃

2025年5月の家賃相場では、東京都区部が1坪9,743円と最高水準を維持。一方、横浜や川崎、府中など首都圏周辺都市の家賃が堅調に上昇し、都心依存からの脱却が進行。大阪も安定成長する中、西宮や京都では家賃の停滞が見られ、都市ごとの動きに差が出ている。

1カ月1坪当り都市別の家賃相場

2025年5月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均4513+0.573
1東京都区部9743-0.0718
2浦安7340-0.19
3川崎7324+1.469
4横浜6831+3.265
5府中6700+1.484
6西宮6518-1.272
7立川6345+0.11
8大阪6231+1.021
9京都5953-0.0504
10さいたま5855+0.55
11八王子5834+1.232
12相模原5697+1.768
13川口5564+0.288
14神戸5544-0.0541
15藤沢5425
16仙台5290+0.858
17所沢5260+0.21
18奈良5218+1.597
195202+0.463
20名古屋5197-0.764
21長崎5010+2.141
225005
23千葉4955+0.304
24福岡4812+1.476
25静岡4615-0.0433
26熊谷4571+1.804
27広島4540+0.688
28那覇4533-1.713
29鹿児島4526-0.876
30東大阪4469-0.112
31高松4373+0.137
324289-0.809
33大津4269+0.803
34札幌4243-1.44
35宇都宮4229-2.647
36岡山4204+0.262
37松本4186+0.0717
38伊丹4178+0.457
39長岡4172-1.231
40甲府4172+0.579
41枚方4155+1.095
42高知4139+0.0725
43盛岡4099+1.16
44佐世保4085+0.69
45秋田4055-2.898
46福島4017-0.248
47新潟3979+0.227
48水戸3957+0.101
49福井3902-0.964
50前橋3893+1.222
51長野3889+0.413
52富山3880+1.305
53松江3878+0.207
54山形3860-0.258
55岐阜3850+0.812
56日立3823-1.494
57熊本3822-0.365
58鳥取3819+0.845
59北九州3794-0.0527
60金沢3784+4.502
61大分3780+5.882
62小山3777+0.0795
63姫路3769+0.266
64宇部3743+0.322
65徳島3693+0.984
66浜松3680-0.298
67宮崎3673-0.997
68青森3670+0.164
69富士3669-0.299
70松山3643-1.327
71山口3604+0.53
72郡山3555-0.0843
73福山3506-0.988
74和歌山3502+1.097
75旭川3454+3.259
76松阪3432+0.586
77豊橋3426
78佐賀3418-0.755
79函館3274+1.237
80今治3264+4.381
81八戸2923-2.955
1カ月1坪当りの家賃

詳細なデータとグラフ

ランキングの家賃現状と今後

家賃水準は地域ごとの住宅需給、経済活動、交通利便性、行政施策など多様な要素に左右されます。2025年5月時点のデータでは、全国平均は1坪あたり4,513円。これを基準に、都市別の家賃相場やその推移、各地域の特徴を把握することで、日本の都市構造の変化や地域間の格差の現実を読み解くことができます。


東京都区部 ― 圧倒的な家賃水準と踊り場

東京都区部は1坪あたり9,743円と全国平均の2倍以上で、依然として突出した水準です。しかし前年比では-0.0718%と微減。この停滞傾向は、リモートワークの普及による郊外志向や、高額物件の空室率上昇、物価高による生活コスト圧迫が影響していると考えられます。2000年代以降、右肩上がりだった家賃も1部地域では踊り場を迎えています。


浦安市 ― 東京ベイエリアの人気と落ち着き

浦安市(7,340円)は、東京ディズニーリゾートのある市として知られ、湾岸エリア再開発によって高水準の家賃を維持しています。ただし前年比-0.19%とやや減少傾向。子育て世代やファミリー層に根強い人気を持ちながらも、湾岸エリアの供給過多や築年数の経過による資産価値の見直しも影響している可能性があります。


川崎市・横浜市 ― 首都圏南部の躍進

川崎市(7,324円)は+1.469%、横浜市(6,831円)は+3.265%と、いずれも首都圏の中で顕著な伸びを示しています。横浜は今回の調査対象中、最も高い伸び率を記録。これは、都心よりも家賃が抑えられることと、横浜駅周辺やみなとみらい地区の再開発による都市魅力の向上が影響しています。川崎も武蔵小杉や川崎駅前再開発による居住需要増加が大きな要因です。


府中市・立川市 ― 多摩地域の堅調な成長

多摩地域からは府中市(6,700円)立川市(6,345円)がランクイン。府中は前年比+1.484%、立川は+0.11%と安定成長を見せています。府中は京王線・南武線などの交通アクセスに優れ、立川は駅前の大規模商業施設やオフィスビルの整備による都市機能の高度化が進みつつあります。いずれも都心に比べ割安感があり、生活の質とコストのバランスが取れていると評価されています。


西宮市 ― 関西随1の住宅地の足踏み

西宮市(6,518円)は関西の高級住宅街として知られる地域で、家賃水準は大阪市を上回っています。しかし前年比-1.272%と唯11%以上の減少。阪神間の住宅市場は成熟しつつあり、若年層の人口流出や供給過多により、やや調整局面に入ったと見られます。住宅の築年数や駅からの距離といった条件が賃料に与える影響が大きいといえるでしょう。


大阪市・京都市 ― 西日本のツートップの対照

大阪市(6,231円)は+1.021%、京都市(5,953円)は-0.0504%と、同じ関西圏でも明暗が分かれました。大阪は梅田・難波などの再開発が進み、特に単身者・DINKs層の需要を背景に堅調な家賃上昇を続けています。対して京都は観光業の再活性化にもかかわらず、定住目的の賃貸需要が鈍く、家賃はやや足踏み状態にあります。


さいたま市 ― 首都圏北側の安定成長

さいたま市(5,855円)は、東京都心への通勤圏として利便性と生活コストのバランスの良さから着実な成長を維持。前年比+0.55%と堅実な伸びであり、特に大宮周辺では再開発による人気が高まっています。今後もインフラ整備や商業集積によって、中長期的な賃料上昇が見込まれます。


総括 ― 家賃は「脱東京集中」へ

2025年の家賃データを見ると、東京都区部の高止まりに対して、川崎・横浜・府中などの首都圏周縁部が台頭しており、従来の「都心集中」から「広域都市圏」への再配置が進んでいることが分かります。また、西日本では大阪が堅調に成長する1方、西宮や京都など歴史ある住宅地ではやや停滞感が見られ、再開発や住宅政策の再構築が求められる局面にあります。

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