株主優待のメリットと配当金の仕組み、おすすめの株

株取引



  • 株主優待を実施すると、株主数が増えやすくなり、上場企業にとっては「一定の株主数」を確保するために有利です。株主が増えることで、敵対的買収(TOB)されにくくなり、株価も安定しやすくなります。株主優待を目的とする個人投資家は、株を簡単に売却しないため、機関投資家による大量売却も避けられ、株価が安定する傾向にあります。
  • 配当金の支払い回数は企業によって異なり、一般的には年1回または年2回の配当が多いです。年2回の場合、「中間配当」と「期末配当」に分かれ、それぞれに権利確定日があります。配当金は権利確定後、支払いまでに2〜3ヶ月かかることが多く、例えば3月末決算の企業では、6月下旬から7月上旬に支払われることが一般的です。

    株主優待のメリットと配当金の仕組み

    株式投資には、株主優待と配当金という2つの魅力的な利益の受け取り方があります。

    どちらも株を保有していることで得られる特典ですが、それぞれの仕組みやメリットが異なります。

    ここでは、株主優待のメリット、配当金の仕組み、そして株主優待で得するためのポイントを解説します。


    株主優待のメリット

    株主優待とは、企業が自社の株を一定数以上保有している株主に対して提供する特典のことです。

    多くの企業が食品、商品券、サービス割引、ギフト券など株主優待として提供しています。

    1. 実質的な利回りが向上する

    • 株主優待の価値を考慮すると、配当金だけでは得られないリターンを享受できる
    • 例えば、1株1,000円の株を100株(10万円分)購入し、年間5,000円の株主優待を受け取れる場合、実質利回りは5%(税引き前)

    2. 企業の商品・サービスをお得に利用できる

    • 飲食チェーンなら食事券、スーパーなら買い物割引、旅行会社なら宿泊割引など、自分が利用する企業の株を持つとさらにお得
    • 例えば、「すかいらーくHD」の株主優待飲食券がもらえ、実際の食事で使える

    3. 長期保有のインセンティブがある

    • 「長期保有特典」を設定している企業も多いため、短期売買ではなく、じっくり投資することで優遇される
    • 例えば、「オリックス」では3年以上保有すると特典がアップグレードされる

    4. 価格変動リスクの軽減

    • 株価が多少下がっても、株主優待が継続している限りメリットを受けられる
    • 例えば、年間5,000円の優待がもらえる株が10%値下がりしても、優待を考慮すればトータルの損失を抑えられる

    配当金の仕組み

    配当金とは、企業が得た利益の一部を株主に還元する仕組みです。

    企業は事業で得た利益を、再投資(成長資金)に回すか、株主に配当として支払うかを決定します。

    1. 配当の支払いタイミング

    • 年1回または2回(中間配当期末配当)が一般的
    • 企業ごとに配当金が確定する「権利確定日」があり、その日に株を保有していれば配当を受け取れる

    2. 配当利回りの計算方法

    • 配当利回り(%) = 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
    • 例えば、1株100円の配当が出る企業の株価が2,000円なら、配当利回りは5%

    3. 安定配当の企業 vs. 高配当銘柄

    • 「安定配当企業」は業績に関係なく配当を維持(例:花王、日本たばこ産業)
    • 「高配当銘柄」は利回りが高いが、業績次第で減配のリスクがある(例:商社・銀行株など)

    4. 配当の税金

    • 国内株の配当には約20.315%の税金がかかる(所得税・住民税)
    • NISA口座を活用すると、配当金にかかる税金が非課税になるため、効率よく利益を受け取れる

    株主優待で得するためのポイント

    株主優待を最大限に活用するためには、優待内容・利回り・保有期間・リスクをしっかりと考慮することが重要です。

    1. 優待利回りと配当利回りを組み合わせて考える

    • 株主優待の価値を加味すると、実質的な利回りが大幅に上がることがある
    • 例えば、「優待利回り 3% + 配当利回り 2% = 実質利回り 5%」の銘柄は魅力的

    2. 自分がよく使う優待を選ぶ

    • 外食、スーパー、コンビニ、旅行、映画チケットなど、自分のライフスタイルに合った優待を選ぶと無駄がない
    • 例えば、よく外食する人なら「すかいらーくHD」、スーパーを利用するなら「イオン」

    3. 長期保有特典がある企業を狙う

    • 企業によっては、「1年以上保有」「3年以上保有」で特典がアップすることがある
    • 例:「オリックス」は3年以上保有するとカタログギフトの内容がランクアップ

    4. 株価の値動きにも注意する

    • 優待銘柄は人気があり、権利確定日に向けて株価が上がり、確定後に下がる傾向がある
    • 「権利落ち後の下落リスク」を考えて購入タイミングを見極める

    5. 使い勝手の良い優待を選ぶ

    • 企業独自の商品券よりも、「QUOカード」や「JCBギフトカード」など汎用性の高い優待の方が使いやすい
    • 例えば、「KDDI」はカタログギフトを提供し、多くの選択肢がある

    まとめ

    株主優待と配当金は、株式投資の魅力を高める大きなメリットです。

    • 株主優待は「実質利回り向上」「お得なサービス利用」「長期保有のインセンティブ」などのメリットがある
    • 配当金は「安定収益の確保」「配当利回りの計算」「NISA活用で税制メリット」などが重要
    • 株主優待を活用するには、「優待+配当の組み合わせ」「使いやすさ」「長期保有のメリット」を考慮することが重要

    このように、株主優待と配当金を上手に活用することで、より効率的な資産運用が可能になります。

    配当利回りで選ぶ株式会社

    配当金で選ぶ株式会社

    株主優待がもらえる理由

    株主優待を実施すると、株主が増えやすくなり、上場維持のための「一定の株主数」を確保するのに役立ちます。株主数が増えると、敵対的買収(TOB)されにくくなるなど、上場企業にとって有利です。また、株主優待を目的とした個人投資家は、株を簡単には売却しないため、株価が安定しやすくなります。さらに、機関投資家による大量売却も避けられ、株価の安定が期待できます。加えて、株主優待を通じて自社製品やサービスを実際に使ってもらい、その良さをアピールできる点も大きなメリットです。株主優待をきっかけに企業のファンになる人も多く、自社製品を原価で提供することで、配当金より低コストで効果的な宣伝が可能となります。
    \(配当利回り=(1株あたり配当金\div 株価)\times100\)

    配当利回り

    配当利回りは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標で、一株当たりの年間配当金を現在の株価で割ることで求められます。例えば、株価が1,000円で年間配当金が10円の場合、配当利回りは1%(10円 ÷ 1,000円)となります。投資を行う際には、年間配当金の予想値を基にこの指標を計算し、投資判断の材料とします。

    株価が下落すると、配当利回りは自然に上昇します。配当金は株価上昇の値上がり益に比べて確実性が高いため、株価の上昇を狙う投資家よりも、安定した収入を求める投資家にとっては重要な指標となります。ただし、企業は配当金の額を減少させるリスクがあるため、配当利回りに過度に依存するのは注意が必要です。

    市場全体の配当利回りを算出する場合、単純平均ではなく、上場株式数に基づいた加重平均利回りが一般的に使用されます。この方法では、株式数が多い企業の配当利回りがより大きな影響を持ちます。以前は「自社株を含めた発行済株式数」で計算していたものの、最近では「自社株を除く発行済株式数」を使用する方法が主流となっています。この変更は、企業が自社株を買い戻して消却する動きが増えているため、より実態に即した指標にするための措置です。

    企業の株主還元策として自社株買いが拡大しており、その影響を反映させた指標を使用することで、投資家はより正確な投資判断を行うことができます。

    配当がもらえる条件

    株主の権利(配当、株主優待、株式分割、株式無償交付など)を取得するために必要な「権利確定日」に関連する重要な日がいくつかあります。まず、「権利付最終日」は、権利確定日の2営業日前を指し、この日に該当銘柄を保有していれば、株主の権利を取得できます。たとえば、権利確定日が30日で、その前に29日と28日が非営業日であった場合、権利付最終日は26日(木)となります。この日に銘柄を保有していることで、配当や株主優待などの権利を得ることができます。

    一方、「権利落ち日」は、権利付最終日の翌営業日を指し、この日に株式を購入しても株主の権利は取得できません。ただし、権利付最終日の大引け時点で株式を保有していれば、権利落ち日以降にその株式を売却しても、株主の権利は保持されます。

    株式分割などの場合、「権利割当日」または「基準日」とも呼ばれ、この日を基に株主名簿が確定します。株主の権利を確実に取得したい場合は、権利付最終日に株式を保有することが重要です。また、権利付最終日を過ぎると、株主の権利は得られないため、購入のタイミングに注意が必要です。

    おすすめの会社

    配当金の支払い回数は企業によって異なり、一般的には年1回または年2回の配当が多いです。年2回の場合、通常は「中間配当」と「期末配当」と呼ばれ、それぞれに権利確定日があります。特別配当や無配の場合もあるため、詳細は各企業の決算短信やウェブサイトの「投資家情報」や「IR情報」などで確認できます。

    配当金は権利が確定した後すぐに支払われるわけではなく、たとえば3月末決算の企業では、6月下旬に株主総会が開かれ、その後の決議を経て6月下旬から7月上旬に支払われることが多いです。また、年2回の配当では、銘柄紹介に記載された金額が1年分であることが多いため、支払われる際には分割されることがあります。権利確定日から支払いまでに2~3ヶ月かかることを考慮し、受け取るまで気長に待つ必要があります。

    以下に配当金ランキングの一部を紹介します。(参考:みんかぶ株式ランキング)

    証券コード 銘柄名 配当利回り 株価 売買単位 時価総額
    4310 ドリームインキュベータ 12.57% 3,365.0 100株単位 235億円
    3205 ダイドーリミテッド 10.75% 930.0 100株単位 285億円
    4293 セプテーニ・ホールディングス 7.91% 396.0 100株単位 837億円
    3775 ガイアックス 6.74% 815.0 100株単位 43.5億円
    9308 乾汽船 6.60% 1,695.0 100株単位 442億円

     

    株式会社の仕組み

    株式会社は、株式を発行して資金を集め、その資金を元に事業活動を行う会社です。上場企業は特に多くの資金を調達でき、集めた資金で商品やサービスを提供します。株式は、資金を提供した人に対して発行される証券で、その所有者を株主と呼びます。株主は、会社が利益を上げた際に配当を受け取る権利や、株主総会を通じて経営に参加する権利を持っています。したがって、株式会社は株主に権利を付与することで資金を調達し、事業を運営する仕組みとなっています。

    株式会社を設立するメリット

    株式会社を設立することには、いくつかの重要なメリットがあります。そのひとつが、社会的信用の獲得です。株式会社は合同会社と比較して認知度が高く、法律を遵守する必要があるため、信頼性が高いと見なされやすいです。このため、株式会社はネガティブなイメージを持たれにくく、金融機関からの融資が得やすかったり、優秀な人材を確保しやすかったりするなど、さまざまな場面で有利に働きます。

    さらに、株式会社の大きな利点は、株式を発行して資金を調達できることです。株式会社は株式を発行することで投資家から資金を集め、その見返りとして配当金や経営への参加権を提供します。出資者は「間接有限責任」の原則に基づき、出資金以上の責任を負わないため、リスクを最小限に抑えつつ投資できる点も魅力的です。

    また、株式会社設立には節税効果も期待できます。法人は個人事業主よりも広い範囲で経費を認められるため、税務面での優遇があります。例えば、自宅を社宅として申請すれば、家賃を経費として計上できるほか、欠損金を最大10年間繰り越すことが可能です。このような税制上の優遇措置は、法人化することで大きなメリットとなり、事業を運営する上で経済的な負担を軽減できます。

    総じて、株式会社は社会的信用の向上、資金調達のしやすさ、投資家にとってのリスク軽減、そして税制面での優遇といった多くのメリットを提供するため、事業の成長や安定性を確保するための強力な選択肢となります。

    株式会社を設立するデメリット

    株式会社の役員には複数の種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。まず、取締役は会社の経営を担当し、事業の進行方法や意思決定を行う役職です。取締役は経営に携わり、会社の運営に重要な役割を果たします。一方で、株主は会社の所有者であり、経営には直接関与しません。株式会社では、最低1名以上の取締役が必要で、複数の取締役がいる場合は、その中から代表取締役を選任します。

    会計参与は、会計面で会社を支える役職で、会計の専門知識を有する人が任命されます。公認会計士や税理士などがこの職に就くことが多く、会計書類の作成や保管、開示の業務を担当します。また、取締役会や株主総会に出席し、経営に対して会計面からアドバイスを行います。会計参与は、会社の財務状況の適切な管理をサポートする重要な役職です。

    監査役は、取締役や会計参与の業務を監査する役職で、会社の経営において不正や法令違反がないかをチェックします。監査役を設置することで、経営の透明性や健全性を高めることができ、企業の信頼性を向上させる役割を果たします。

    また、役員を選任する場合、登記手続きを行う必要があり、再度登記することで登録免許税が発生します。このため、役員の選任には手間と費用がかかり、定期的に役員を選出する場合はその都度登記が必要となる点に注意が必要です。

     

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