ユーロドルのチャート、特性と動向、FX初心者にも最適

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解説チャート


ユーロドル(EUR/USD)は、外国為替市場で世界最大の取引量を持つ通貨ペアで、国際決済銀行の統計でも取引シェア1位を占めています。その値動きは比較的安定しており、ボラティリティが低いため、大きな損失を回避しやすく、FX初心者に適しています。一方で、短期的な収益には不向きですが、長期的なトレンドが発生すると大幅な値動きによる利益を得られる可能性があります。2022年にはユーロドルの為替レートが大きく変動し、一時2008年以来の最低値を記録しましたが、最近では1.03ドルというレートが観測されています。この指標は対象期間全体のデータに基づいており、年間の特定時点の値とは異なる特性を持ちます。

チャート

EURUSD (1時間足)

最新:2025/1/1 10:00

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移動平均線 短期:長期:

トップ5(1時間足)

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EURUSD (1月足)

最新:2025/1/1 10:00

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通貨の特徴

ユーロドル(EUR/USD)は、外国為替市場において世界で最も取引量の多い通貨ペアであり、ドル(アメリカの通貨)とユーロ(欧州連合加盟19か国の共通通貨)から構成されています。国際決済銀行の統計では、ユーロドルは取引シェアで1位を占め、2位のドル円、3位のポンドドルに続いています。

2008年のリーマンショック以降、ユーロは回復基調にありましたが、2014年から2015年のギリシャ危機をきっかけにその信頼は失墜しました。この危機では、ギリシャが会計操作によって負債を隠していたことが発覚し、EU全体の信用が揺らぎ、ユーロは大幅に下落しました。

ユーロドルの値動きは比較的安定しており、ボラティリティ(価格変動幅)が限定的なため、為替相場の変動により大きな損失を回避しやすい特性を持っています。このため、FX初心者に向いている通貨ペアとされています。一方で、大きな値動きを利用した短期的な収益を得るには不向きですが、長期的なトレンドが形成されると、一定方向への大幅な値動きが起こる可能性があるため、大きな利益を得るチャンスもあります。

このように、ユーロドルは初心者にも扱いやすい安定性を持ちながら、長期投資家にとっても収益を見込める可能性がある通貨ペアと言えます。

ユーロドルのこれまで

ユーロ/ドル(EUR/USD)は、国際的な経済・政治の動向に大きく影響を受けながら変動してきました。1999年にユーロが導入された当初、1.18ドルでスタートしましたが、市場の信頼を得られず、2000年10月には0.82ドルまで下落しました。その後、2002年のユーロ紙幣・硬貨流通やアメリカのイラク戦争による財政赤字拡大を背景にドル安が進行し、2008年7月には1.60ドルの過去最高値を記録しました。

しかし、2008年のリーマン・ショックや2010年の欧州債務危機でユーロは急落し、2015年にはECBの量的緩和政策により1.05ドルまで下落。2016年のトランプ大統領誕生や米中貿易戦争、新型コロナウイルスの影響を受け、2020年には1.06ドルを記録しました。さらに、2022年のロシア・ウクライナ戦争やFRBの利上げによってユーロは0.95ドルまで下落。その後、ECBの利上げで1.12ドルまで回復しました。今後も金融政策や地政学リスクがユーロ/ドルの動向を左右すると考えられます。


ユーロ誕生と初期の下落(1999~2002年)

主なイベント:

  • 1999年1月1日:ユーロが会計通貨として導入(実際の紙幣・硬貨の流通は2002年から)
  • 2000年~2001年:アメリカのITバブルがピークを迎える
  • 2001年9月:アメリカ同時多発テロ(9.11事件)が発生

価格の変動:

  • 1999年1月:1.18ドル(導入時)
  • 2000年10月:0.82ドル(過去最安値)

ユーロは導入当初、市場からの信頼を十分に得られず、ドルに対して下落傾向が続きました。当時、アメリカはITバブルによる経済成長の恩恵を受けており、FRB(米連邦準備制度理事会)は積極的な利上げを実施。その結果、金利差が拡大し、ドルが強くなりました。

さらに、2001年の9.11同時多発テロ後、アメリカ経済は一時的に混乱しましたが、FRBは大規模な金融緩和を行い、比較的早い回復を見せました。一方、ユーロ圏では統一通貨としての信頼を確立するのに時間がかかり、ユーロは2000年10月に0.82ドルという史上最安値を記録しました。


ドル安とユーロ高の時代(2002~2008年)

主なイベント:

  • 2002年1月:ユーロ紙幣・硬貨が正式に流通開始
  • 2003年3月:アメリカがイラク戦争を開始
  • 2007年~2008年:アメリカのサブプライムローン問題が深刻化

価格の変動:

  • 2002年7月:1.00ドル(対等の水準へ回復)
  • 2008年7月:1.60ドル(過去最高値)

2002年にユーロの紙幣・硬貨が正式に流通すると、統一通貨としての信頼が向上し、ユーロは次第に上昇を始めました。同時に、アメリカではイラク戦争の長期化や財政赤字の拡大が進み、ドルの価値が下落しました。

2007年以降、アメリカの住宅バブルが崩壊し、サブプライムローン危機が発生。これを受けてFRBは大規模な金融緩和を実施し、ドル安が進みました。2008年7月にはユーロが1.60ドルの史上最高値を記録し、ユーロ高がピークに達しました。


世界金融危機とユーロ危機(2008~2015年)

主なイベント:

  • 2008年9月:リーマン・ショック発生。
  • 2010年~2012年:ギリシャを中心に欧州債務危機(ユーロ危機)。
  • 2015年1月:スイス国立銀行がユーロとのペッグ制を撤廃し市場が混乱。

価格の変動:

  • 2008年10月:1.25ドル(リーマン・ショック後の急落)
  • 2010年6月:1.19ドル(ユーロ危機で下落)
  • 2015年3月:1.05ドル(ECBの量的緩和開始)

2008年のリーマン・ショックで世界的な金融危機が発生すると、安全資産としてのドルが買われ、ユーロは急落しました。その後、2010年から欧州債務危機が発生し、特にギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアなどの国々で財政不安が広がりました。

2015年にはECB(欧州中央銀行)が量的緩和(QE)を導入し、さらにスイス国立銀行がユーロとのペッグ制を撤廃したことでユーロが急落し、1.05ドルまで下落しました。


米国金融政策の影響とユーロの低迷(2015~2022年)

主なイベント:

  • 2016年11月:ドナルド・トランプが米大統領選で勝利
  • 2018年~2019年:米中貿易戦争が激化
  • 2020年3月:新型コロナウイルスの世界的流行

価格の変動:

  • 2017年2月:1.03ドル(ドル高の影響)
  • 2018年2月:1.25ドル(米中貿易戦争によるユーロ買い)
  • 2020年3月:1.06ドル(コロナショックで急落)

2016年の米大統領選でトランプ氏が勝利すると、減税政策やインフラ投資拡大への期待からドルが買われ、ユーロは2017年初頭に1.03ドルまで下落しました。

しかし、2018年に米中貿易戦争が激化すると、世界経済の不透明感が高まり、相対的に安定したユーロが買われる展開となり、1.25ドルまで上昇しました。

2020年には新型コロナウイルスの影響で金融市場が混乱し、リスク回避の動きからドルが買われ、一時1.06ドルまで下落しました。その後、FRBが大規模な金融緩和を実施したことで、ドル安が進みユーロは回復しました。


インフレと金融政策による変動(2022年~現在)

主なイベント:

  • 2022年2月:ロシアのウクライナ侵攻。
  • 2022年~2023年:米FRBとECBが大幅な利上げを実施。

価格の変動:

  • 2022年9月:0.95ドル(20年ぶりのパリティ割れ)
  • 2023年7月:1.12ドル(利上げの影響で回復)

ロシアのウクライナ侵攻やエネルギー価格の急騰により、ユーロ圏ではインフレが深刻化しました。これによりECBは利上げを開始しましたが、同時にFRBも急速に利上げを実施したため、金利差の影響で2022年9月に0.95ドルまで下落しました。その後、2023年には利上げの影響でユーロが持ち直し、1.12ドルまで回復しました。


ユーロ/ドルの相場は、常にアメリカとヨーロッパの経済・政治情勢によって大きく変動してきました。今後も各国の金融政策や地政学リスクにより、さらなる動きが予想されます。

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