勤労世帯の情報通信関係費は2005年以降増加傾向にあり、近年は特に相模原市や堺市などで顕著な伸びを見せている。一方、神戸市や横浜市では減少が続いており、都市間で大きな差が生まれている。この背景には、通信サービスの契約傾向、家族構成、在宅勤務の普及、世代別のデジタル依存度の違いがある。今後も地域や世代ごとの通信費の二極化が進むと見られる。
情報通信関係費の家計調査結果
情報通信関係費の多い都市
情報通信関係費の少ない都市
これまでの情報通信関係費の推移


詳細なデータとグラフ
情報通信関係費の現状と今後
情報通信関係費は、インターネット接続料、スマートフォン・携帯電話の通信料、固定電話やテレビ関連のサービス料などを含む家計支出の重要項目です。2000年代以降のインターネットの普及、スマートフォンの1般化により、生活インフラとしての比重が年々増しています。
長期的な推移と支出の構造変化
2005年からのデータを見ると、全国平均の情報通信関係費は着実に増加し、2025年には1.674万円に到達。スマートフォンの複数台契約、光回線契約、動画・音楽ストリーミング等の定額サービスの普及が主要因です。特に世帯人数が多く、複数回線を必要とする家族世帯で費用が膨らみやすい傾向があります。
都市間の支出差の背景分析
相模原市や堺市、富山市など支出が高い都市は、次のような要因が考えられます:
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若年・子育て世帯が多く、通信サービスの利用が活発
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郊外型都市で在宅ワークやオンライン教育が進んでいる
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複数契約の比率が高く、通信費が複雑化・高額化している
1方、神戸市、前橋市、横浜市など支出の低い都市では、次の傾向が見られます:
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高齢化の進行により、通信支出が抑制されがち
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世帯人数の少なさから、通信サービスの利用が限定的
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都市内に無料Wi-Fiや共有サービスの環境が整っている可能性
世代間の支出の違いと行動様式
通信支出は、20代〜40代の働く世代を中心に高くなる傾向があります。この層は在宅勤務や副業、SNS利用などで複数デバイスを常用し、クラウドサービスの有料利用にも積極的です。1方で、60代以上の高齢世代は固定電話を維持しつつも、スマートフォンは最低限のプランに抑える傾向があり、結果として通信費が低くなります。
都市別動向に見る拡大と収束の兆候
2025年3月時点で最も支出が高い相模原市(2.25万円)は、前年同期比で+46.81%と著しい伸びを示しており、川崎市や金沢市、高松市なども同様に大幅な増加傾向にあります。この背景には、通信サービスの高度化や生活様式のデジタル化が進展していることが挙げられます。1方、神戸市(1.116万円、-16.94%)など支出の落ち込みが目立つ地域は、高齢化や低所得層の通信支出圧縮が影響していると考えられます。
今後の予測と政策的課題
今後の通信費は以下の要因により地域間で2極化が進む可能性があります:
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インフラ格差:5Gや光回線の普及状況により通信利用の広がりが異なる
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教育・労働環境:オンライン学習や在宅勤務の定着度合いに左右される
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高齢化とデジタル格差:高齢者の通信機器へのアクセスやリテラシーの問題
政策的には、地方部へのインフラ支援、高齢者向けの通信教育支援、料金プランの透明化などが必要になります。
まとめ
情報通信関係費は今や生活インフラの1環であり、都市や世代によって支出額に大きな違いがあることが明らかです。今後も生活のデジタル依存度は高まり続けると予想され、地域間格差や世代間の支出バランスに注目し、柔軟な制度対応が求められる時代が到来しています。
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