二人以上世帯の住居費の地域差と動向|都市別比較と今後の住宅費予測

世帯・住宅



二人以上世帯の住居費は全国平均1.653万円で、都市間で大きな差があります。富山市や熊本市、東京都区部は高額で特に富山市は前年比489.5%増と大幅増加。これに対し福井市や岐阜市、新潟市など地方都市は低水準かつ減少傾向が強いです。都市の経済状況や地価、世帯構成の違いが影響し、今後も都市部の住居費上昇と地方の抑制傾向が続くと予測されます。高齢化や共働きの増加も住居費の多様化に影響します。

住居費の家計調査結果

住居費の多い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 全国 富山市 熊本市 東京都区部 神戸市 川崎市 那覇市 さいたま市 甲府市 札幌市 盛岡市
最新値[万円] 1.653 4.543 3.477 3.037 2.78 2.626 2.594 2.493 2.387 2.384 2.297
前年月同比[%] -0.326 +489.5 -15.09 +3.776 +64.81 -15.19 +6.285 +143.7 +113.2 +18.55 +105.1

住居費の少ない都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 全国 福井市 岐阜市 新潟市 山口市 金沢市 秋田市 青森市 前橋市 福岡市 横浜市
最新値[万円] 1.653 0.421 0.448 0.541 0.696 0.752 0.773 0.785 0.806 0.824 0.833
前年月同比[%] -0.326 -50.96 -30.82 -74.45 -33.5 -60.25 -16.37 -18.98 -25.07 -48 -46.44

 

これまでの住居費の推移

住居費の推移
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

住居費の現状と今後

2025年3月時点の家計調査によれば、二人以上世帯の住居費の全国平均は1.653万円です。しかし、都市別に見ると富山市(4.543万円)、熊本市(3.477万円)、東京都区部(3.037万円)など高額な地域があり、福井市(0.421万円)や岐阜市(0.448万円)、新潟市(0.541万円)などの地方都市は非常に低い水準となっています。これらの格差は地価や住宅形態、世帯の収入構造の違いに起因しています。

住居費が高い都市の特徴と動向

富山市の大幅増加(+489.5%)

富山市の住居費の大幅増加は異例であり、調査対象の変化や大規模な住宅開発、あるいは高価格帯の住宅購入・賃貸の増加が背景と考えられます。地方都市でも特定の条件下で急激な住居費上昇が起こる可能性が示されています。

熊本市・東京都区部・神戸市

熊本市や東京都区部、神戸市では高めの住居費が安定的に見られます。特に東京都区部は住宅需要の高さから一定の上昇傾向(+3.776%)を維持し、神戸市も+64.81%と急増が見られています。これらは都市機能の集積と利便性の高さに支えられています。

住居費が低い都市の現状

福井市や岐阜市、新潟市などは住居費が低水準で、かつ前年同期から大幅に減少しています。人口減少や住宅供給過剰、持ち家率の高さなどが要因で、地方都市では住居費の負担が抑えられる傾向が続いています。

世代間および世帯構成による住居費の違い

若い世代は初期費用の抑制や賃貸住宅を選ぶ傾向が強く、住居費負担は比較的軽めです。一方、子育て世代や中高年層は、より広い住宅や持ち家購入を目指すことから住居費が上昇する傾向にあります。共働き世帯の増加により、都市部では利便性重視の住環境選択が住居費の多様化を促しています。

今後の推移と課題

都市部の住居費上昇傾向

今後も都心や都市圏では、土地の希少性や利便性の高さから住居費が上昇する可能性が高いです。特に首都圏周辺の川崎市やさいたま市などでも上昇率が高い点に注意が必要です。

地方都市の住居費抑制

一方で地方都市では人口減少や空き家問題の深刻化により、住居費の低迷または減少傾向が続くとみられます。このため、地方の住居環境改善や空き家活用政策が重要となるでしょう。

高齢化と単身世帯の増加

高齢者の単身世帯増加により、コンパクトで管理のしやすい住宅ニーズが高まり、住居費の分布にも影響を与えそうです。これに対応した賃貸住宅やサービス付き高齢者住宅の充実も求められます。

まとめ

二人以上世帯の住居費は地域間で大きな差があり、都市部では高騰傾向、地方では低水準かつ減少傾向が顕著です。今後は少子高齢化や人口流動の変化が住居費の構造を変え、多様なニーズに応える住宅政策の必要性が増すでしょう。住宅の質や価格のバランス、地域の実情に応じた支援策が課題となります。

 

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