家計調査によると、二人以上世帯で家賃・地代を支払う割合は全国平均で12%に留まる一方、那覇市や札幌市など一部都市では30〜40%台と非常に高い傾向にあります。地方では持ち家比率が高く、賃貸依存度が低いため、地域差が顕著です。都市部では若年層や転入者が多く、賃貸需要が集中しています。今後は高齢化と単身・共働き世帯の増加により、地方都市でも賃貸需要の構造が変わる可能性があります。
家賃・地代を支払う世帯の家計調査結果
家賃・地代を支払う世帯の多い都市
家賃・地代を支払う世帯の少ない都市
これまでの家賃・地代を支払う世帯の推移


詳細なデータとグラフ
家賃・地代を支払う世帯の現状と今後
2025年3月時点で、全国の2人以上世帯のうち、家賃・地代を支払う割合は12%と低めです。これは、長年にわたり持ち家政策が推進されてきたことに加え、地方を中心に持ち家志向が強いためと考えられます。
1方、那覇市(48.7%)や札幌市(31.6%)、盛岡市(25.9%)などでは高い割合を示し、都市間で極めて大きな差が見られます。これらの都市では、賃貸住宅に住む世帯が多く、特に転勤族や若年層の流入が影響しています。
家賃依存度が高い都市の背景
那覇市(48.7%)
最も高い水準を示す那覇市は、地価が上昇しつつある1方で持ち家取得のハードルが高く、県外からの移住者も多いため、賃貸依存度が非常に高い地域です。前年同期比+27.49%と急増しているのも特徴で、これはリゾート開発や転入人口の増加に起因します。
盛岡市・宮崎市・宇都宮市
これらの地方中核都市でも、急激な増加傾向が見られます(盛岡市+34.9%、宮崎市+86.72%、宇都宮市+61.07%)。これは、若年層の持ち家離れや、地元企業への就職を機に市街地に転入した世帯の増加が背景にあります。共働き世帯の増加も賃貸志向に影響を与えていると考えられます。
家賃依存度が低い都市の特徴
1方で、横浜市(3.6%)や津市(3.7%)、松山市(3.8%)などでは非常に低い水準です。都市の規模にかかわらず、持ち家率の高さと地価の安定、また地元定住志向の強さが要因です。横浜市の-57.14%や相模原市の-64.08%といった大幅な減少は、持ち家比率の上昇や世帯構成の変化(高齢夫婦世帯の増加など)も関係しているとみられます。
世代間・ライフステージによる違い
若年層(20〜30代)は初期費用やローン審査の壁から賃貸を選択する傾向が強い1方で、中高年層は退職後を見据えて持ち家を選ぶケースが多いです。また、子育て世帯では学区などの条件から持ち家購入を選ぶことも多く、家族構成に応じて住宅選択が変わります。
今後の見通しと課題
今後、日本全体で少子高齢化・人口減少が進む中、住宅の需要も変質していくと考えられます。とくに以下の変化が予測されます。
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賃貸住宅への再注目:核家族化や高齢者の単身世帯の増加で、持ち家よりも利便性や管理の容易さを優先する傾向が強まる。
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地方都市の変動:大学誘致や企業進出などにより地方都市でも賃貸需要が1時的に高まることも。
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空き家とのバランス:空き家問題の解消策として、古い住宅の賃貸転用が進む可能性もあるが、安全性や設備面での課題が残る。
まとめ
2人以上世帯における家賃・地代支払い率は、地域性や世帯構成、世代別の住宅観によって大きく左右されています。都市部や1部地方都市で賃貸需要が高まる1方、依然として全国的には持ち家志向が根強い現状です。今後は社会構造の変化に伴い、賃貸住宅の役割や需要も再定義される時代が訪れるでしょう。住宅政策も、こうした多様化に応じた柔軟な対応が求められます。
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