2025年3月時点の中古車支出(住宅別)は平均6748円。中でも「給与住宅」が突出して高く月額17280円、前年から+371%と急増。一方、「持ち家(ローン有)」や「民営住宅」では大幅な減少傾向が見られる。給与住宅の支出増は、企業の地方転勤や社宅利用に伴う車両需要の増大が背景にあり、持ち家世帯は住宅費の固定化による可処分所得制限が影響。今後は、居住形態によって車の必要性や保有形態がさらに分化し、中古車支出の格差が拡大する可能性がある。
住宅別の中古車
1世帯当りの月間支出
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
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名称 | 平均 | 給与住宅 | 持ち家のうち住宅ローン有り | 持ち家 | 民営 |
最新値[円] | 6748 | 17280 | 5577 | 4104 | 2829 |
前年月同比[%] | +17.73 | +371 | -7.343 | -17.97 | -39.92 |
これまでの住宅別の推移


詳細なデータとグラフ
住宅別の現状と今後
住宅の種類は、単なる居住スタイルにとどまらず、家計構造や移動手段の選択に大きな影響を与えます。特に中古車の支出は、住環境や地域性、企業との関係性によって大きく異なり、住宅別にその動向を読み解くことができます。
給与住宅:急増する中古車支出の背景
概要と特徴:
給与住宅とは、主に企業が従業員に提供する社宅や寮などの住宅形態を指します。ここでは2025年3月時点で中古車支出が月額17280円と、他の住宅形態と比較して際立って高く、前年比+371%という驚異的な伸びを記録しています。
背景分析:
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地方転勤・赴任の増加:地方では公共交通が不便なため、従業員用に車の必要性が高まる。
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企業補助の影響:住宅費が抑えられているため、その分を車両関連費に回す余力がある。
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家族帯同型の社宅利用:共働きや子育て世帯が社宅を利用し、複数台保有も珍しくない。
持ち家(住宅ローン有):支出減の要因と実情
データと傾向:
住宅ローン有の持ち家世帯では、月額中古車支出は5577円と比較的高水準にあるものの、前年からは-7.343%と減少しています。
分析:
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住宅ローン返済とのバランス:可処分所得の多くが住宅費に割かれ、自動車への支出を抑える傾向。
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資産保全志向:車の買い替えを遅らせたり、安価な中古車で済ませるケースが増加。
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地方・郊外立地の影響:車は必要だが、支出はできるだけ最小限に抑える。
持ち家(ローン無):支出減と高齢化の影響
ローンのない持ち家世帯は月額4104円、前年比-17.97%と大幅な減少傾向にあります。
原因:
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高齢世帯の増加:運転を控える、または車を手放すケースが増えている。
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車に対する価値観の変化:退職後は遠出も減り、車の使用頻度が低下。
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保有から脱却へ:維持費負担を避けるため、タクシーや公共交通へのシフトが進行中。
民営住宅:都市型居住者の選択と支出抑制
月額2829円と最も中古車支出が低いのが民営住宅の世帯。前年比-39.92%と急減しており、都市部中心の生活スタイルが色濃く反映されています。
特徴:
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交通網の発達:車を必要としない生活圏での居住が多い。
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若年層・単身者の多さ:そもそも車を持たないライフスタイルが主流。
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駐車場費用の問題:都市部では保有に高コストがかかるため中古車も敬遠される。
今後の予測:二極化する「車の必要性」
住宅別の中古車支出は、今後ますます居住環境によって分かれていくと予測されます。
予測される展開:
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給与住宅での需要維持・拡大:社宅制度が存続する限り、地方への車需要は高止まり。
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持ち家では保守的支出が定着:新たな出費を抑え、既存車両の長期使用へ。
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都市部では「車なし」社会が進行:環境意識やライドシェアの普及で中古車支出も縮小へ。
まとめ:住宅とクルマ、支出に映る暮らしの格差
住宅形態は、そのまま暮らしのあり方を反映し、特に移動手段における「車」の位置づけを大きく左右します。中古車は生活に密着した選択でありながら、世帯の経済状況、勤務形態、居住環境と密接に関係しています。今後は住宅と車の関係性がより精緻に分化され、「所有か、シェアか」という選択が、住まい方によって強く規定されていく時代になるでしょう。
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