2025年3月時点での布団支出は、住宅別に見ると給与住宅が最も高く572円、公営住宅は198円、都市再生機構等では141円と差が大きい。支出額の差には住居の安定性、所得水準、居住スペースの違いが関係している。近年は公営・公社系で支出が急増しており、これは布団の買い替えや支援制度の影響が考えられる。今後は高齢化や住環境の変化とともに、住宅ごとの布団支出の格差はさらに拡大する可能性がある。
住宅別の布団
1世帯当りの月間使用料
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
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名称 | 平均 | 給与住宅 | その他 | 持ち家のうち住宅ローン有り | 持ち家 | 民営 | 公営 | 都市再生機構・公社等 |
最新値[円] | 318.4 | 572 | 503 | 326 | 270 | 265 | 198 | 141 |
前年月同比[%] | -5.246 | -11.73 | -19.26 | -5.507 | -6.574 | -24.72 | +321.3 | +63.95 |
これまでの住宅別の推移


詳細なデータとグラフ
住宅別の現状と今後
布団という生活必需品の支出には、居住する住宅の種類が大きく関係します。特に2025年3月時点でのデータでは、住宅別の布団支出に以下のような特徴が見られます。
住宅の種類 | 平均月間支出(円) | 前年同期比増減率 |
---|---|---|
給与住宅(社宅等) | 572 | -11.73% |
その他 | 503 | -19.26% |
持ち家(住宅ローンあり) | 326 | -5.507% |
持ち家(全体平均) | 270 | -6.574% |
民営賃貸住宅 | 265 | -24.72% |
公営住宅 | 198 | +321.3% |
都市再生機構・公社等 | 141 | +63.95% |
平均は318.4円であり、住宅の形態により約4倍近い支出差が生じています。
住宅別支出の特徴と背景要因
給与住宅(社宅等):支出最大の背景とは
給与住宅では月間572円と最も支出が多くなっています。これは一般的に所得が安定しており、企業の福利厚生によって生活に余裕がある世帯が多いためと考えられます。また、定期的な引越しや転勤に伴う寝具の新調・買い替えも要因の一つです。
その他:高支出の一方で不安定な要素
「その他」には下宿や寮など多様な形態が含まれており、転居・仮住まいといった状況が多いため、買い替えの頻度が上がりやすいことが支出増につながっていると見られます。
持ち家(ローン有無):支出は中間層
住宅ローンを抱える世帯では、家計に対するコスト意識が強く、過剰な出費を避ける傾向にあります。それでも一定の品質を求める層が多く、布団への支出は平均より高めです。一方、ローンが完済されている持ち家層は、出費が抑制されがちで支出も低下傾向です。
民営住宅:支出減と家賃負担の関係
民間の賃貸住宅では家賃負担が大きく、可処分所得が限られることから布団などの家具・寝具支出が抑えられがちです。さらに、コストを抑えた引越し時の買い物が多く、布団の購入も最低限にとどまる傾向があります。
公営・都市再生機構:支出増の背景とは
2024年度は特に公営住宅(+321.3%)や都市再生機構(+63.95%)で大幅な支出増加が見られました。これは、寝具支援制度や助成金、もしくは耐用年数を超えた布団の一斉買い替えが影響している可能性があります。
変動の背後にある生活スタイルと政策
住宅形態は生活スタイルに直結しています。持ち家ではスペースや収納に余裕があるため、季節ごとの寝具をそろえる傾向があります。一方、公営住宅ではスペースも限られ、買い替えの頻度も抑えられるため、支出は長年低迷していました。
しかし最近では、生活保護世帯や高齢者世帯向けの支援が活発化し、寝具更新が一気に進んだ結果、急激な支出増につながったと考えられます。
今後の支出推移の予測とポイント
今後の布団支出について、住宅形態別に以下のような傾向が予測されます。
公営・都市再生機構:支出の一巡後に安定化へ
急激な支出増が見られたこれらの層は、今後は買い替え需要が落ち着き、支出もやや安定する可能性があります。
持ち家・住宅ローン層:経済情勢の影響を強く受ける
住宅ローンの金利動向や物価の上昇により、可処分所得が圧迫され、布団への支出も慎重になる可能性があります。
給与住宅:引越し・転勤による変動が続く
企業の人事方針次第で支出は変動しやすく、コロナ後の在宅勤務縮小や再転勤の動きが影響を与えると見られます。
企業と自治体が注目すべき課題
企業は給与住宅における社員の快適な住環境維持に、より質の高い寝具支援を提供することで人材定着に繋げられます。一方、自治体は、低所得層や高齢者世帯の布団購入を後押しする制度設計が求められるでしょう。
特に、季節に応じた寝具の支援や、災害備蓄用布団の配布を兼ねた施策も、社会福祉と防災の両面で有効と考えられます。
まとめ:住宅形態が布団支出を左右する時代
日本では、住宅の種類によって生活の余裕や支出傾向が大きく異なります。布団という身近なアイテムにも、その影響は顕著であり、今後の住宅政策や生活支援のあり方によって、消費動向はさらに変化していくと予想されます。今後も住宅形態に合わせたニーズ対応が、企業・行政ともに重要となるでしょう。
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