世界のミルク生産の動向と国別特徴|米中ブラジルの成長と課題

生産量

2023年の世界のミルク生産量は76.56Mtで前年比1.51%増。ブラジルやオーストラリア、中国など新興国・新市場で生産が拡大する一方、アメリカは減少傾向。技術革新や効率化が進む中、環境負荷低減や消費者ニーズの多様化対応が課題。持続可能な生産体制の構築が求められる。

ミルクの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界76.56100+1.508
1アメリカ12.2916.05-4.688
2ブラジル11.1614.58+7.826
3中国7.5429.851+4.774
4インド4.475.838+2.759
5アルゼンチン3.2874.293+4.322
6パキスタン2.3793.107+3.39
7オーストラリア2.2362.921+19.07
8メキシコ2.2152.893+1.809
9トルコ1.6862.202+6.282
10ロシア1.662.168+2.398
11カナダ1.3481.76-4.559
12フランス1.3011.7-4.399
13ウズベキスタン1.0851.417+3.885
14南アフリカ1.0321.348+2.389
15ドイツ1.0051.312+0.974
16イギリス0.9011.176-2.469
17ニュージーランド0.7480.978+2.778
18ジンバブエ0.7430.971+3.398
19コロンビア0.7190.939+0.0909
20スペイン0.6980.911-4.607
21エジプト0.6630.867-4.193
22アイルランド0.60.783-3.524
23ウルグアイ0.5990.782-2.836
24チャド0.5540.724+5.09
25タンザニア0.5450.712+3.54
26インドネシア0.5260.687+1.072
27ポーランド0.5150.672-4.792
28日本0.5020.655+2.101
29パラグアイ0.4620.604-10.19
30オランダ0.4370.571+3.767
31エチオピア0.4320.564+3.53
32カザフスタン0.3990.522+4.039
33ベラルーシ0.3750.49+8.917
34スーダン0.3710.485+1.659
35ベネズエラ0.3710.484-8.534
36韓国0.3450.451+4.545
37ベトナム0.3370.44+1.691
38ボリビア0.3270.427+9.388
39ナイジェリア0.3180.415-1.14
40ウクライナ0.2570.336-4.356
41モロッコ0.2570.335+1.884
42イラン0.2550.333-15.11
43タジキスタン0.2480.324-8.072
44ベルギー0.240.314+0.857
45ケニア0.2380.311+6.742
46ウガンダ0.2330.304+0.896
47グアテマラ0.2120.277-4.375
48バングラデシュ0.210.274+0.714
49エクアドル0.2090.273-2.57
50ザンビア0.2090.273+15.75
51オーストリア0.2050.267-2.637
52ペルー0.1990.26+3.116
53チリ0.1880.245-1.668
54トルクメニスタン0.1870.245+8.136
55フィリピン0.1790.233-2.653
56イスラエル0.1620.212+0.0327
57タイ0.1560.203-0.475
58アゼルバイジャン0.1530.2+2.84
59ニカラグア0.1520.199
60モンゴル0.1510.197+6.828
61スイス0.1440.188+1.091
62南スーダン0.1430.186+5.431
63スウェーデン0.140.182+2.113
64ミャンマー0.1390.181+0.25
65アルジェリア0.1380.18-1.429
66ブルキナファソ0.1320.173+2.315
67キルギスタン0.1270.165+5.728
68カメルーン0.1210.158+1.145
69デンマーク0.1190.155-1.059
70ネパール0.1170.152-39.97
71アンゴラ0.1060.138+5.439
72中央アフリカ共和国0.1050.137+1.588
73ポルトガル0.09840.129-5.146
74ノルウェー0.09060.118-1.898
75ギニア0.0890.116+25.17
76コスタリカ0.08650.113-3.223
77フィンランド0.08540.112+0.958
78セネガル0.08530.111-5.226
79ルーマニア0.07810.102-5.542
80キューバ0.0780.102-9.493
81イエメン0.07760.101+0.65
82セルビア0.0750.0979+1.274
83パナマ0.07270.0949-6.156
84チェコ0.07240.0946+2.433
85アフガニスタン0.07130.0932-6.858
86ニジェール0.06940.0906+5.244
87ボツワナ0.06880.0898-10.54
88マラウイ0.06820.0891+3.013
89ラオス0.06630.0866+3.725
90ホンジュラス0.0660.0862
91ドミニカ共和国0.06320.0825+3.116
92アルメニア0.06050.079-5.321
93マリ0.05950.0777+0.285
94カンボジア0.0590.077-1.77
95ソマリア0.05290.0691-2.165
96ハイチ0.05110.0667+1.112
97チュニジア0.04980.0651-1.281
98リトアニア0.0460.0601+3.163
99レバノン0.04550.0595-3.86
100ベナン0.0430.0561+12.79
101シリア0.04240.0554-15.98
102イラク0.04220.0552+2.292
103サウジアラビア0.0420.0549
104ナミビア0.04140.0541+48.29
105クロアチア0.04120.0538-0.121
106マレーシア0.03870.0505+7.606
107ルワンダ0.03790.0495+1.597
108ヨルダン0.03330.0435-33.59
109スロベニア0.03330.0435-7.788
110モーリタニア0.03160.0412+1.176
111ガーナ0.03040.0397+1.356
112マダガスカル0.030.0392+24.54
113アルバニア0.02840.0371-4.453
114スリランカ0.02730.0357-1.159
115コンゴ民主共和国0.02560.0335+9.585
116エリトリア0.02460.0321+1.041
117コートジボワール0.02440.0319+4.403
118ハンガリー0.02420.0316-10.11
119ジョージア0.02270.0296-4.622
120モザンビーク0.02110.0276+5.411
121北朝鮮0.02060.027+0.295
122アラブ首長国連邦0.02020.0263-0.894
123エルサルバドル0.0180.0235-4.417
124ラトビア0.0180.0235+12.67
125ブルンジ0.01620.0211-1.923
126オマーン0.01520.0199-0.57
127パレスチナ0.01440.0188-3.268
128エスワティニ0.01420.0185-0.857
129メラネシア0.01320.0172+7.704
130シエラレオネ0.01110.0144-11.69
131スロバキア0.01030.0135-4.885
132ボスニア・ヘルツェゴビナ0.01010.0132-5.542
133ルクセンブルク0.009580.0125-2.345
134エストニア0.007950.0104-9.35
135ジャマイカ0.007810.0102+21.69
136ギニアビサウ0.007760.0101+1.562
137ジブチ0.006530.00853+1.247
138リビア0.006480.00847+1.306
139コンゴ0.00540.00706-1.051
140プエルトリコ0.005320.00694+20.61
141トーゴ0.00520.0068-33.89
142キプロス0.005060.00661-7.832
143アイスランド0.004890.00638-1.273
144フィジー0.004580.00598+23.45
145北マケドニア0.004020.00526-8.856
146モンテネグロ0.003310.00432-2.861
147ニューカレドニア0.003070.00401-1.278
148パプアニューギニア0.002740.00358-0.476
149ガンビア0.002380.0031-0.747
150クウェート0.002290.00299+0.174
151モルドバ0.002190.00286+9.415
152ガイアナ0.002090.00272-2.823
153モーリシャス0.002050.00268-1.062
154東ティモール0.002020.00264+3.522
155バヌアツ0.002010.00262+6.476
156ポリネシア0.00190.00248-2.066
157ベリーズ0.001890.00247+1.177
158スリナム0.001650.00216-5.51
159ブータン0.001610.0021-17.63
160ブルネイ0.001520.00198-35.64
161サモア0.001370.00179-0.51
162レソト0.001270.00165+32.56
163コモロ0.001230.00161+0.162
164リベリア0.001190.00156+0.83
165マルタ0.00110.00144+5.769
166トリニダード・トバゴ0.001040.00136+0.931
167ガボン0.0008750.00114-0.879
168バーレーン0.0007820.00102-2.816
169ソロモン諸島0.0007770.00101+0.488
170マカオ0.0007310.000955-1.58
171カーボベルデ0.0007060.000922-0.0241
172ドミニカ0.0005530.000722+0.107
173セントルシア0.0004080.000533-0.463
174カタール0.0003770.000492-59.27
175サントメ・プリンシペ0.0003740.000489+6.56
176トンガ0.000350.000457-0.231
177ミクロネシア0.000250.000327-0.0799
178セントビンセント・グレナディーン0.0002090.000273-11.44
179フランス領ポリネシア0.0001720.000225-15.81
180バルバドス0.0001660.000217-17.38
181グレナダ0.0001320.000173-20.93
182フェロー諸島7.57E-59.88E-5-26.54
183赤道ギニア4.88E-56.37E-5+0.309
184セントクリストファーネイビス4.8E-56.27E-5+9.364
185アンティグアバーブーダ3.96E-55.17E-5-36.81
186シンガポール3.65E-54.77E-5+0.0274
187バハマ1.87E-52.44E-5-0.533
188セイシェル1.12E-51.46E-5-37.16
189クック諸島7.13E-69.31E-6+2.296
190ニウエ島1.85E-62.42E-6-2.116
ミルクの生産量
ミルクの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

ミルクの現状と今後

2023年の世界のミルク生産量は76.56Mtで、前年から+1.508%の増加となりました。世界的にミルクは栄養価の高い基本的な食品として消費が拡大しており、とくに新興国での需要増が顕著です。人口増加や生活水準の向上が生産拡大の背景にありますが、先進国では市場の成熟と消費者の健康志向の変化が生産動向に影響を及ぼしています。


主要国の生産動向と特徴

アメリカ(12.29Mt|前年比 -4.688%)

世界最大のミルク生産国ですが、前年に比べて減少傾向。高コスト構造や飼料価格の上昇、労働力不足が生産に影響を与えています。1方で技術革新による効率化や品質管理の向上が進んでいます。

ブラジル(11.16Mt|+7.826%)

南米最大の生産国で、国内消費の増加と輸出拡大に伴い大幅な生産増加を実現。広大な農地と気候条件の優位性を活かし、牧草飼育の効率化が進んでいます。

中国(7.542Mt|+4.774%)

急速な都市化と所得増に伴い需要が伸びています。国内生産体制の強化とともに、輸入も増加。品質と安全性向上が課題です。

インド(4.47Mt|+2.759%)

世界的に見ても重要なミルク生産国。小規模農家主体で、伝統的な牛・水牛の飼育が中心。市場の成長に伴い生産性向上への取り組みが加速しています。

アルゼンチン(3.287Mt|+4.322%)

牧畜業が盛んな国で、輸出向け生産も活発。気候条件が良く、品質の高い乳製品を生産。

パキスタン(2.379Mt|+3.39%)

人口増加と所得増により需要増。伝統的な家畜飼育が多く、近代化が課題。

オーストラリア(2.236Mt|+19.07%)

前年からの大幅増加が目立つ。輸出産業としての役割が大きく、牧草地の管理や技術導入が進んでいます。

メキシコ(2.215Mt|+1.809%)

国内市場の安定した需要に支えられた生産増加。中小規模農家の近代化が進む。

トルコ(1.686Mt|+6.282%)

家畜飼育の伝統が強く、国内消費の増加に伴い生産拡大。技術普及と衛生管理の改善が進行中。

ロシア(1.66Mt|+2.398%)

政策支援を背景に生産性向上を目指す動き。気候や資源の制約がある中での効率的生産が課題。


世界的な傾向と将来展望

緩やかな生産増加の継続

世界全体では、人口増と所得向上によりミルクの需要が増加し、年率1~3%程度の生産増加が予想されます。新興国の市場拡大が主な牽引力となります。

技術革新と生産効率化

乳牛の品種改良や飼育管理、搾乳技術の高度化が進み、単位面積あたりの生産性が向上。持続可能な飼育と環境負荷低減の両立が求められます。

環境課題と持続可能性

温室効果ガス排出、土地利用、水資源管理の課題に対応しつつ、生産の効率化とエコフレンドリーな技術が普及していきます。

消費者ニーズの多様化

健康志向や植物性代替ミルクの普及により、乳製品業界は新たな対応を迫られています。高品質・安全性・トレーサビリティの強化が競争力の鍵となります。


課題と展望

  • 飼料価格の変動リスクとコスト管理

  • 労働力不足への対策と自動化の推進

  • 動物福祉と環境規制の強化への対応

  • グローバル市場における競争激化と輸出戦略

これらを克服しながら、持続可能で効率的な生産体系の確立が今後の焦点となります。

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