世界のミート生産の動向と国別特徴|課題と今後の展望を詳しく解説

生産量

2023年の世界のミート生産量は76.56Mtで前年から1.5%増加。ブラジルや中国、オーストラリアが増産を牽引し、アメリカは減少した。人口増加と所得向上で肉需要は増加傾向にある一方、環境規制や健康志向の高まりが生産・消費に影響。今後は持続可能な生産技術と消費多様化への対応が重要となる。

ミートの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界76.56100+1.508
1アメリカ12.2916.05-4.688
2ブラジル11.1614.58+7.826
3中国7.5429.851+4.774
4インド4.475.838+2.759
5アルゼンチン3.2874.293+4.322
6パキスタン2.3793.107+3.39
7オーストラリア2.2362.921+19.07
8メキシコ2.2152.893+1.809
9トルコ1.6862.202+6.282
10ロシア1.662.168+2.398
11カナダ1.3481.76-4.559
12フランス1.3011.7-4.399
13ウズベキスタン1.0851.417+3.885
14南アフリカ1.0321.348+2.389
15ドイツ1.0051.312+0.974
16イギリス0.9011.176-2.469
17ニュージーランド0.7480.978+2.778
18ジンバブエ0.7430.971+3.398
19コロンビア0.7190.939+0.0909
20スペイン0.6980.911-4.607
21エジプト0.6630.867-4.193
22アイルランド0.60.783-3.524
23ウルグアイ0.5990.782-2.836
24チャド0.5540.724+5.09
25タンザニア0.5450.712+3.54
26インドネシア0.5260.687+1.072
27ポーランド0.5150.672-4.792
28日本0.5020.655+2.101
29パラグアイ0.4620.604-10.19
30オランダ0.4370.571+3.767
31エチオピア0.4320.564+3.53
32カザフスタン0.3990.522+4.039
33ベラルーシ0.3750.49+8.917
34スーダン0.3710.485+1.659
35ベネズエラ0.3710.484-8.534
36韓国0.3450.451+4.545
37ベトナム0.3370.44+1.691
38ボリビア0.3270.427+9.388
39ナイジェリア0.3180.415-1.14
40ウクライナ0.2570.336-4.356
41モロッコ0.2570.335+1.884
42イラン0.2550.333-15.11
43タジキスタン0.2480.324-8.072
44ベルギー0.240.314+0.857
45ケニア0.2380.311+6.742
46ウガンダ0.2330.304+0.896
47グアテマラ0.2120.277-4.375
48バングラデシュ0.210.274+0.714
49エクアドル0.2090.273-2.57
50ザンビア0.2090.273+15.75
51オーストリア0.2050.267-2.637
52ペルー0.1990.26+3.116
53チリ0.1880.245-1.668
54トルクメニスタン0.1870.245+8.136
55フィリピン0.1790.233-2.653
56イスラエル0.1620.212+0.0327
57タイ0.1560.203-0.475
58アゼルバイジャン0.1530.2+2.84
59ニカラグア0.1520.199
60モンゴル0.1510.197+6.828
61スイス0.1440.188+1.091
62南スーダン0.1430.186+5.431
63スウェーデン0.140.182+2.113
64ミャンマー0.1390.181+0.25
65アルジェリア0.1380.18-1.429
66ブルキナファソ0.1320.173+2.315
67キルギスタン0.1270.165+5.728
68カメルーン0.1210.158+1.145
69デンマーク0.1190.155-1.059
70ネパール0.1170.152-39.97
71アンゴラ0.1060.138+5.439
72中央アフリカ共和国0.1050.137+1.588
73ポルトガル0.09840.129-5.146
74ノルウェー0.09060.118-1.898
75ギニア0.0890.116+25.17
76コスタリカ0.08650.113-3.223
77フィンランド0.08540.112+0.958
78セネガル0.08530.111-5.226
79ルーマニア0.07810.102-5.542
80キューバ0.0780.102-9.493
81イエメン0.07760.101+0.65
82セルビア0.0750.0979+1.274
83パナマ0.07270.0949-6.156
84チェコ0.07240.0946+2.433
85アフガニスタン0.07130.0932-6.858
86ニジェール0.06940.0906+5.244
87ボツワナ0.06880.0898-10.54
88マラウイ0.06820.0891+3.013
89ラオス0.06630.0866+3.725
90ホンジュラス0.0660.0862
91ドミニカ共和国0.06320.0825+3.116
92アルメニア0.06050.079-5.321
93マリ0.05950.0777+0.285
94カンボジア0.0590.077-1.77
95ソマリア0.05290.0691-2.165
96ハイチ0.05110.0667+1.112
97チュニジア0.04980.0651-1.281
98リトアニア0.0460.0601+3.163
99レバノン0.04550.0595-3.86
100ベナン0.0430.0561+12.79
101シリア0.04240.0554-15.98
102イラク0.04220.0552+2.292
103サウジアラビア0.0420.0549
104ナミビア0.04140.0541+48.29
105クロアチア0.04120.0538-0.121
106マレーシア0.03870.0505+7.606
107ルワンダ0.03790.0495+1.597
108ヨルダン0.03330.0435-33.59
109スロベニア0.03330.0435-7.788
110モーリタニア0.03160.0412+1.176
111ガーナ0.03040.0397+1.356
112マダガスカル0.030.0392+24.54
113アルバニア0.02840.0371-4.453
114スリランカ0.02730.0357-1.159
115コンゴ民主共和国0.02560.0335+9.585
116エリトリア0.02460.0321+1.041
117コートジボワール0.02440.0319+4.403
118ハンガリー0.02420.0316-10.11
119ジョージア0.02270.0296-4.622
120モザンビーク0.02110.0276+5.411
121北朝鮮0.02060.027+0.295
122アラブ首長国連邦0.02020.0263-0.894
123エルサルバドル0.0180.0235-4.417
124ラトビア0.0180.0235+12.67
125ブルンジ0.01620.0211-1.923
126オマーン0.01520.0199-0.57
127パレスチナ0.01440.0188-3.268
128エスワティニ0.01420.0185-0.857
129メラネシア0.01320.0172+7.704
130シエラレオネ0.01110.0144-11.69
131スロバキア0.01030.0135-4.885
132ボスニア・ヘルツェゴビナ0.01010.0132-5.542
133ルクセンブルク0.009580.0125-2.345
134エストニア0.007950.0104-9.35
135ジャマイカ0.007810.0102+21.69
136ギニアビサウ0.007760.0101+1.562
137ジブチ0.006530.00853+1.247
138リビア0.006480.00847+1.306
139コンゴ0.00540.00706-1.051
140プエルトリコ0.005320.00694+20.61
141トーゴ0.00520.0068-33.89
142キプロス0.005060.00661-7.832
143アイスランド0.004890.00638-1.273
144フィジー0.004580.00598+23.45
145北マケドニア0.004020.00526-8.856
146モンテネグロ0.003310.00432-2.861
147ニューカレドニア0.003070.00401-1.278
148パプアニューギニア0.002740.00358-0.476
149ガンビア0.002380.0031-0.747
150クウェート0.002290.00299+0.174
151モルドバ0.002190.00286+9.415
152ガイアナ0.002090.00272-2.823
153モーリシャス0.002050.00268-1.062
154東ティモール0.002020.00264+3.522
155バヌアツ0.002010.00262+6.476
156ポリネシア0.00190.00248-2.066
157ベリーズ0.001890.00247+1.177
158スリナム0.001650.00216-5.51
159ブータン0.001610.0021-17.63
160ブルネイ0.001520.00198-35.64
161サモア0.001370.00179-0.51
162レソト0.001270.00165+32.56
163コモロ0.001230.00161+0.162
164リベリア0.001190.00156+0.83
165マルタ0.00110.00144+5.769
166トリニダード・トバゴ0.001040.00136+0.931
167ガボン0.0008750.00114-0.879
168バーレーン0.0007820.00102-2.816
169ソロモン諸島0.0007770.00101+0.488
170マカオ0.0007310.000955-1.58
171カーボベルデ0.0007060.000922-0.0241
172ドミニカ0.0005530.000722+0.107
173セントルシア0.0004080.000533-0.463
174カタール0.0003770.000492-59.27
175サントメ・プリンシペ0.0003740.000489+6.56
176トンガ0.000350.000457-0.231
177ミクロネシア0.000250.000327-0.0799
178セントビンセント・グレナディーン0.0002090.000273-11.44
179フランス領ポリネシア0.0001720.000225-15.81
180バルバドス0.0001660.000217-17.38
181グレナダ0.0001320.000173-20.93
182フェロー諸島7.57E-59.88E-5-26.54
183赤道ギニア4.88E-56.37E-5+0.309
184セントクリストファーネイビス4.8E-56.27E-5+9.364
185アンティグアバーブーダ3.96E-55.17E-5-36.81
186シンガポール3.65E-54.77E-5+0.0274
187バハマ1.87E-52.44E-5-0.533
188セイシェル1.12E-51.46E-5-37.16
189クック諸島7.13E-69.31E-6+2.296
190ニウエ島1.85E-62.42E-6-2.116
ミートの生産量
ミートの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

ミートの現状と今後

2023年の世界のミート総生産量は76.56Mtで、前年から+1.508%の増加となりました。世界的に肉需要は依然として増加傾向にあり、特に人口増加や生活水準の向上が消費の伸びを支えています。1方で、地域ごとに生産の増減幅に差があり、各国の経済状況や環境政策が生産に影響を与えています。


主要国の生産動向と特徴

アメリカ(12.29Mt|前年比 -4.688%)

世界最大のミート生産国ですが、2023年は前年から減少。背景には飼料価格の高騰環境規制強化、動物福祉への配慮、そして健康志向の高まりによる消費パターンの変化が考えられます。加えて、畜産業における病気リスク管理や労働力不足も生産の足かせとなっています。

ブラジル(11.16Mt|+7.826%)

世界第2位の生産国であり、牛肉生産の世界的なリーダー。広大な牧草地を背景に生産量を増加させており、特にアジア市場への輸出増加が大きな原動力となっています。環境問題(森林破壊等)への国際的な批判もありますが、持続可能な生産体制構築が進みつつあります。

中国(7.542Mt|+4.774%)

中国のミート生産は豚肉が中心ですが、近年は鶏肉や牛肉も増加傾向。国内消費の多様化と所得向上が生産増を促進しており、政府の畜産支援政策も寄与しています。豚熱などの疾病管理の改善も生産安定化に寄与しています。

インド(4.47Mt|+2.759%)

牛肉の生産は限られる1方、バッファロー肉や鶏肉の生産が増加。宗教的な食習慣やベジタリアン比率の高さが特色で、鶏肉生産の伸びが顕著です。人口増加と都市化に伴い、肉類需要は今後も着実に増えると予想されます。

アルゼンチン(3.287Mt|+4.322%)

伝統的に牛肉生産が強く、国内外で高品質のブランド肉として評価。牧草地の利用効率化と輸出拡大戦略が進んでいます。近年は環境配慮と生産性向上の両立が課題です。

パキスタン(2.379Mt|+3.39%)

主に牛・水牛の肉生産が中心。人口増加に伴う需要増が生産拡大の背景。小規模農家主体の畜産であり、生産技術の向上が今後の課題です。

オーストラリア(2.236Mt|+19.07%)

牛肉と羊肉の大手輸出国。2023年は干ばつからの回復と輸出需要の増加で生産が大幅に伸びました。品質重視のブランド戦略が市場で支持されています。

メキシコ(2.215Mt|+1.809%)

多様な肉類生産が特徴で、特に豚肉と鶏肉が中心。国内消費の安定と米国向け輸出の増加が生産拡大を後押ししています。

トルコ(1.686Mt|+6.282%)

羊肉・牛肉の生産が増加傾向。伝統食文化に支えられ、増産と品質向上が進んでいます。国内市場の成長も大きな要因です。

ロシア(1.66Mt|+2.398%)

豚肉と鶏肉の生産が中心。近年は輸入代替政策により国内生産拡大が進展していますが、気候や物流課題が依然存在します。


世界全体の傾向と将来予測

緩やかな生産増加傾向

全世界で見れば、生産量は毎年数%の緩やかな増加が続く見込みです。人口増加、都市化、中所得層の拡大が肉需要の大きな後押し要因です。

環境・持続可能性の影響

畜産は温室効果ガス排出や水資源消費の面で環境負荷が大きく、各国で環境規制が強化されています。これに伴い、生産技術の革新(メタン削減、効率的飼育)や植物由来代替肉、培養肉の台頭が今後の市場に影響を与える可能性があります。

地域差と多様化

  • 北米・欧州は健康志向や環境意識の高まりで、肉消費は緩やかな減少または横ばい傾向も見られます。

  • アジア・南米・アフリカでは人口増と経済成長により需要増加が続き、これら地域の生産拡大が期待されます。


課題と展望

持続可能な生産への転換

環境負荷軽減のため、循環型農業・飼料効率化・抗生物質使用の適正化が必須です。

新技術の導入

デジタル技術や遺伝子編集技術などによる生産性向上と品質管理が今後のカギとなります。

消費者動向の変化

動物福祉や健康志向、代替タンパク質の普及により、肉消費パターンは多様化し、生産者は柔軟な対応が求められます

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