世界の青刈りとうもろこし生産動向|主要国の比較と今後の展望

生産量

2023年の青刈りとうもろこしの世界生産量は9.736Mtで、前年より+1.387%増加。アメリカが最大生産国で、インドネシアやメキシコも増加。畜産需要の増加と乾燥地への適応性により今後も安定的な生産が見込まれるが、気候変動対策と技術革新が鍵となる。

青刈りとうもろこしの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界9.736100+1.387
1アメリカ2.82929.05+2.719
2メキシコ1.14811.79+2.576
3ナイジェリア0.7938.15+0.75
4インドネシア0.5585.731+12.05
5ペルー0.454.625-8.599
6南アフリカ0.4284.397+1.158
7タイ0.3533.626-0.256
8ギニア0.3013.09+0.165
9メラネシア0.2512.583+0.59
10パプアニューギニア0.2512.583+0.59
11中国0.2412.471+4.992
12日本0.2032.086-2.708
13カナダ0.1861.912-5.135
14コートジボワール0.1861.908-0.685
15チリ0.1411.444-5.456
16オーストラリア0.07630.784-21.58
17ウクライナ0.07470.767+53.61
18セルビア0.05770.592+3.928
19タンザニア0.05250.54-0.603
20イスラエル0.05140.528+2.783
21エルサルバドル0.04050.416+15.24
22ボリビア0.02640.271+0.838
23リベリア0.02480.255+0.411
24ヨルダン0.02290.235+0.223
25ニュージーランド0.0180.185-4.815
26パレスチナ0.01450.148-7.397
27パナマ0.01330.137+7.301
28ジンバブエ0.004320.0443+0.586
29モルドバ0.004260.0438+0.36
30モーリシャス0.00150.0154+82.5
31カタール0.001080.0111-0.435
32ウルグアイ0.001030.0106+3.382
33カザフスタン0.0008650.00888+0.687
34トリニダード・トバゴ0.0007970.00819-3.448
35ボスニア・ヘルツェゴビナ0.0007360.00756-0.0692
36スイス0.0006770.00695+25.6
37プエルトリコ0.0006140.00631+0.799
38バルバドス0.0006030.00619-0.462
39ノルウェー0.0001840.00189-13.21
40北マケドニア9.52E-50.000977-0.105
41グレナダ7.06E-50.000725-56.09
42ジャマイカ5.5E-50.000565+0.77
43ポリネシア4.55E-50.000467-4.293
44ブルネイ4.17E-50.000428-0.359
45サモア2.85E-50.000292-0.245
46アンティグアバーブーダ2.5E-50.000257+56.25
47フランス領ポリネシア1.7E-50.000175-10.37
48ミクロネシア4.7E-74.83E-6
49ナウル4.7E-74.83E-6
青刈りとうもろこしの生産量
青刈りとうもろこしの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

青刈りとうもろこしの現状と今後

青刈りとうもろこしは、成熟する前のとうもろこしを収穫し、主に家畜飼料(特に牛用サイレージ)として利用される作物です。食用のとうもろこしとは異なり、植物全体(茎葉+穂)を収穫する点が特徴で、牧畜業における重要な飼料資源です。


2023年の世界生産の概況

2023年の世界全体の青刈りとうもろこし生産量は9.736Mtで、前年に比べて+1.387%の増加となりました。これは、世界的に畜産業の安定的な需要と、乾燥や高温に比較的強いとうもろこしの性質が影響しています。


主要生産国の特徴と傾向

アメリカ(2.829Mt|前年比+2.719%)

世界最大の青刈りとうもろこし生産国。大規模な畜産業(特に乳牛)との結びつきが強く、収量も安定。技術革新や大型機械による効率化が進んでおり、今後も生産は安定すると予想されます。

メキシコ(1.148Mt|前年比+2.576%)

伝統的にとうもろこし栽培が盛んな国で、青刈り品種も多く栽培。近年は中規模牧畜業の拡大と共に需要が増加。気候変動の影響を受けやすい地域ではあるものの、灌漑の普及で収量は持ち直し傾向にあります。

ナイジェリア(0.793Mt|前年比+0.75%)

アフリカでは最も多く青刈りとうもろこしを生産しており、零細農家による畜産との複合経営が主流。都市部での乳製品需要の増加により、今後も飼料用途での需要は堅調と予想されます。

インドネシア(0.558Mt|前年比+12.05%)

生産量の伸び率が高い国。これは、畜産業の近代化地方農村部の収益多角化により、飼料作物としての青刈りとうもろこしの導入が進んだ結果です。気候的にも栽培に適しており、今後も増加が見込まれます。

ペルー(0.45Mt|前年比-8.599%)

中南米の重要生産国ながら、2023年は大幅な減産。これは干ばつなど気象変動の影響、あるいは農地の他用途への転換などが要因と考えられます。


その他の国の生産動向

  • 南アフリカ(0.428Mt|+1.158%):乾燥地でも栽培できる利点から畜産地域での需要が高く、安定した生産。

  • タイ(0.353Mt|-0.256%):ほぼ横ばい傾向で、畜産規模の変動に左右されやすい。

  • ギニア・パプアニューギニア・メラネシア:小規模ながらも着実に生産量を維持・成長。伝統農法と新技術の融合が鍵。


生産の地理的傾向と地域別課題

  • 北米・中南米では、大規模畜産との連携があり、高収量が可能。市場化や流通インフラが整っているため、今後も安定生産が予想されます。

  • アフリカでは、家畜飼料の需要は高い1方で、技術的・気候的課題が多く、生産の持続性には政策的支援が必要です。

  • アジアでは、インドネシアやタイのように農家の飼料作物需要が徐々に拡大中。気候適応作物として注目されつつあります。


将来予測と展望

安定成長の見込み

青刈りとうもろこしは、世界的な人口増加と畜産需要の増大によって、今後も安定した成長が見込まれます。特に都市部の乳製品・肉製品消費の増加は、生産拡大の背景となります。

気候変動と持続性への挑戦

乾燥に比較的強いとはいえ、極端気象や灌漑水源への依存度増加はリスク要因となるため、耐乾燥性品種の導入気候適応型農業の展開が必要です。

技術革新と収穫効率化

収穫機械やサイレージ加工技術の進展により、収量の向上と品質確保が期待されます。特に開発途上国では、技術普及と教育が鍵となります。

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