2023年の世界のライ麦生産量は12.68Mtで前年比約-5.9%減少。ロシアやカナダで大幅減産があった一方、ポーランドやトルコは増産を維持。ヨーロッパが生産の中心で、気候や政治の影響を受けやすい。今後は技術革新や健康志向の高まりにより中長期的に安定成長が期待される。
ライ麦の生産量ランキング
各国 | 最新値[Mt] | 全体比[%] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|---|
世界 | 12.68 | 100 | -5.906 | |
1 | ドイツ | 3.124 | 24.64 | -0.259 |
2 | ポーランド | 2.533 | 19.98 | +8.39 |
3 | ロシア | 1.7 | 13.41 | -21.98 |
4 | ベラルーシ | 0.78 | 6.151 | +4 |
5 | デンマーク | 0.601 | 4.741 | -13.06 |
6 | 中国 | 0.519 | 4.09 | -0.339 |
7 | カナダ | 0.358 | 2.822 | -31.21 |
8 | イラク | 0.315 | 2.485 | +4.159 |
9 | トルコ | 0.305 | 2.405 | +11.72 |
10 | アメリカ | 0.264 | 2.078 | -16.69 |
11 | ウクライナ | 0.221 | 1.744 | -29.57 |
12 | イギリス | 0.184 | 1.447 | -24.22 |
13 | アルゼンチン | 0.179 | 1.415 | -20.43 |
14 | オーストリア | 0.177 | 1.394 | +4.204 |
15 | フランス | 0.168 | 1.327 | +6.769 |
16 | スウェーデン | 0.139 | 1.099 | +7.895 |
17 | チェコ | 0.125 | 0.985 | -2.497 |
18 | スペイン | 0.122 | 0.962 | -35.42 |
19 | ラトビア | 0.104 | 0.823 | -19.07 |
20 | ハンガリー | 0.0941 | 0.742 | +59.13 |
21 | フィンランド | 0.092 | 0.725 | +41.34 |
22 | エジプト | 0.091 | 0.718 | -1.094 |
23 | リトアニア | 0.0663 | 0.523 | -6.766 |
24 | 北朝鮮 | 0.0649 | 0.512 | +0.245 |
25 | エストニア | 0.0618 | 0.487 | +20.58 |
26 | スロバキア | 0.0352 | 0.278 | +10.68 |
27 | ルーマニア | 0.0296 | 0.233 | -15.09 |
28 | ノルウェー | 0.029 | 0.229 | -50.85 |
29 | オーストラリア | 0.0286 | 0.226 | -0.414 |
30 | セルビア | 0.0181 | 0.143 | +1.532 |
31 | カザフスタン | 0.0178 | 0.141 | -70.16 |
32 | ギリシャ | 0.0156 | 0.123 | -4.756 |
33 | ブルガリア | 0.0147 | 0.116 | -15.26 |
34 | ポルトガル | 0.0117 | 0.0924 | -13.44 |
35 | イタリア | 0.011 | 0.0864 | +2.144 |
36 | スイス | 0.0103 | 0.0816 | -1.354 |
37 | ルクセンブルク | 0.00882 | 0.0696 | +43.41 |
38 | オランダ | 0.00734 | 0.0579 | -18.63 |
39 | ブラジル | 0.00708 | 0.0559 | -36.77 |
40 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 0.00654 | 0.0516 | +31.25 |
41 | 北マケドニア | 0.00528 | 0.0416 | -38.41 |
42 | クロアチア | 0.00514 | 0.0405 | +77.24 |
43 | ウズベキスタン | 0.00506 | 0.0399 | +262.9 |
44 | チリ | 0.00448 | 0.0353 | -0.0727 |
45 | ベルギー | 0.00403 | 0.0318 | +31.7 |
46 | スロベニア | 0.00367 | 0.0289 | +14.33 |
47 | アルバニア | 0.00301 | 0.0238 | -3.291 |
48 | モロッコ | 0.00235 | 0.0186 | -0.00297 |
49 | 南アフリカ | 0.00195 | 0.0154 | -0.314 |
50 | モルドバ | 0.00182 | 0.0144 | +113.5 |
51 | キルギスタン | 0.000935 | 0.00738 | +2.498 |
52 | アルメニア | 0.000504 | 0.00397 | +83850 |
53 | イラン | 0.000446 | 0.00352 | -0.0582 |
54 | モンテネグロ | 0.000384 | 0.00303 | +17.24 |
55 | タジキスタン | 0.000353 | 0.00279 | |
56 | アゼルバイジャン | 0.000303 | 0.00239 | -3.968 |
57 | ボリビア | 0.000285 | 0.00225 | +2.057 |
58 | ジョージア | 0.000196 | 0.00155 | -0.0407 |
59 | エクアドル | 8.11E-5 | 0.00064 | -0.148 |
60 | ペルー | 4.74E-5 | 0.000374 | +21.77 |
61 | メキシコ | 8.95E-6 | 7.06E-5 | -4.787 |
62 | 韓国 | 2.77E-6 | 2.18E-5 | |
63 | マルタ | 0 | 0 | |
64 | アイルランド | 0 | 0 |


詳細なデータとグラフ
ライ麦の現状と今後
ライ麦は主に寒冷地や乾燥地帯で栽培される穀物で、パンや飼料、アルコール製造に使われます。特に東欧や北欧で伝統的に栽培されてきました。2023年の世界生産量は12.68Mtで、前年に比べて約-5.906%減少しました。生産量は他の主要穀物に比べれば少ないものの、特定地域において食文化や農業経済に重要な位置を占めています。
主要生産国の状況と特徴
ドイツ(3.124Mt、前年比-0.259%)
ドイツは世界最大のライ麦生産国であり、安定した生産を維持しています。パン食文化とライ麦の需要が根強く、農業技術の発展により生産効率は比較的高いのが特徴です。前年比はほぼ横ばいで、生産減少はほとんど見られません。
ポーランド(2.533Mt、前年比+8.39%)
ポーランドは近年生産量を増加させており、2023年は+8.39%の伸びを示しました。気候や土壌がライ麦栽培に適しており、欧州内外への輸出も活発化していることが背景にあります。
ロシア(1.7Mt、前年比-21.98%)
ロシアはかつて主要生産国でしたが、2023年は大幅な減少(-21.98%)を記録しました。これは気候要因や地政学的なリスク、インフラ問題が影響している可能性があります。今後の回復が期待される1方で、短期的には不安定な状況が続くでしょう。
ベラルーシ(0.78Mt、前年比+4%)
ベラルーシは東欧のライ麦生産国として安定的な生産を維持しています。小規模ながら品質の良いライ麦を供給し、地域内の需要を支えています。
デンマーク(0.601Mt、前年比-13.06%)
デンマークは農業の高度化が進む中で、2023年は減少傾向。気象条件の変動や作付け面積の縮小が影響していると推察されます。
中国(0.519Mt、前年比-0.339%)
中国ではライ麦はマイナーな作物ですが、寒冷地の1部地域で栽培されており、生産量はほぼ横ばいです。国内消費の限られた範囲での利用にとどまっています。
カナダ(0.358Mt、前年比-31.21%)
カナダは過去に1定量のライ麦を生産していましたが、2023年には大幅な減少が見られます。穀物栽培の多様化や市場ニーズの変化が影響していると考えられます。
イラク(0.315Mt、前年比+4.159%)
中東のライ麦生産国としてイラクは小規模ながら生産量を徐々に増やしています。気候適応型農業の発展が背景にあり、食料自給の強化が目的です。
トルコ(0.305Mt、前年比+11.72%)
トルコはライ麦生産を拡大中で、前年比で11.72%の増加。寒冷地を中心に作付けが広がっており、輸出拡大も視野に入っています。
アメリカ(0.264Mt、前年比-16.69%)
アメリカのライ麦生産は比較的小規模で、特に北部の冷涼地域に限られています。2023年は減少しましたが、ニッチ市場での需要は維持されています。
ライ麦生産の地域別傾向と課題
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ヨーロッパ(ドイツ、ポーランド、ベラルーシ、デンマーク)ライ麦の主戦場であり、食文化の重要作物。多くの国で技術革新と生産安定化が進むが、気象リスクは残る。
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ユーラシア・中東(ロシア、イラク、トルコ)生産が波乱含みで、政治・気候の両面で変動が激しい。将来的に安定化への努力が必要。
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北米(カナダ、アメリカ)生産規模は小さいものの、高品質品の生産に注力。市場ニーズの変化に敏感。
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アジア(中国)ライ麦は限定的に栽培。今後の拡大は限定的とみられる。
将来予測と展望
生産量の短期的減少と中長期の安定化
2023年の世界全体での生産減少は主にロシアやカナダの大幅減少が影響していますが、ポーランドやトルコなど増産国の動きもあり、中長期的には安定または微増傾向が予想されます。
技術と市場の影響
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耐寒性・耐病性品種の開発が、安定生産を支える重要な要素です。
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健康志向の高まりから、ライ麦を使った食品の需要拡大も期待されます。
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生産国は品質向上と輸出市場の開拓を進めることで、成長の機会を得られます。
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