2023年の世界プランテン生産量は44.4Mtで微減。最大の生産国はウガンダで、アフリカ諸国が中心的役割を果たす。中南米やアジアでは増加傾向が見られ、収益作物としての地位も向上。今後は気候変動対応、インフラ整備、付加価値向上がカギとなり、年平均1〜2%の成長が期待される。
プランテンの生産量ランキング
各国 | 最新値[Mt] | 全体比[%] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|---|
世界 | 44.4 | 100 | -0.738 | |
1 | ウガンダ | 11.09 | 24.98 | -1.244 |
2 | コンゴ民主共和国 | 4.898 | 11.03 | +0.213 |
3 | カメルーン | 4.608 | 10.38 | -0.353 |
4 | ガーナ | 4.44 | 10 | +0.668 |
5 | フィリピン | 3.148 | 7.09 | +1.106 |
6 | コロンビア | 2.589 | 5.832 | +4.464 |
7 | コートジボワール | 2.15 | 4.843 | +1.929 |
8 | ミャンマー | 1.44 | 3.244 | +2.892 |
9 | ドミニカ共和国 | 1.335 | 3.007 | +15.95 |
10 | ルワンダ | 1.05 | 2.365 | +5.404 |
11 | エクアドル | 0.841 | 1.893 | -1.978 |
12 | スリランカ | 0.783 | 1.763 | -48.83 |
13 | ギニア | 0.707 | 1.592 | +6.558 |
14 | キューバ | 0.699 | 1.574 | +3.908 |
15 | ベネズエラ | 0.666 | 1.499 | +0.0281 |
16 | タンザニア | 0.581 | 1.308 | -0.0153 |
17 | ボリビア | 0.493 | 1.11 | +1.669 |
18 | マラウイ | 0.405 | 0.913 | +0.554 |
19 | ガボン | 0.354 | 0.796 | +0.706 |
20 | ニカラグア | 0.334 | 0.752 | +0.422 |
21 | ハイチ | 0.248 | 0.558 | +0.228 |
22 | パナマ | 0.219 | 0.494 | -5.268 |
23 | バングラデシュ | 0.186 | 0.418 | +1.208 |
24 | グアテマラ | 0.184 | 0.415 | +22.6 |
25 | ガイアナ | 0.126 | 0.283 | +1.724 |
26 | プエルトリコ | 0.124 | 0.279 | -17.83 |
27 | ホンジュラス | 0.0939 | 0.211 | +0.0466 |
28 | コンゴ | 0.0848 | 0.191 | +0.0743 |
29 | コスタリカ | 0.0788 | 0.177 | +9.267 |
30 | ジャマイカ | 0.0611 | 0.138 | +0.819 |
31 | ギニアビサウ | 0.0571 | 0.129 | -0.326 |
32 | リベリア | 0.0511 | 0.115 | +0.327 |
33 | シエラレオネ | 0.0473 | 0.106 | +0.0924 |
34 | 赤道ギニア | 0.0415 | 0.0936 | +0.206 |
35 | サントメ・プリンシペ | 0.0411 | 0.0926 | +0.52 |
36 | 中央アフリカ共和国 | 0.0409 | 0.0921 | +3.001 |
37 | ケニア | 0.0345 | 0.0777 | +0.636 |
38 | エルサルバドル | 0.022 | 0.0496 | -23.97 |
39 | メラネシア | 0.0128 | 0.0287 | +22.5 |
40 | フィジー | 0.0125 | 0.0281 | +23.25 |
41 | ドミニカ | 0.0087 | 0.0196 | +0.243 |
42 | トリニダード・トバゴ | 0.0054 | 0.0122 | -0.729 |
43 | スリナム | 0.00528 | 0.0119 | -10.65 |
44 | ベリーズ | 0.00526 | 0.0118 | +12.72 |
45 | セントビンセント・グレナディーン | 0.00306 | 0.00688 | -1.673 |
46 | ポリネシア | 0.00243 | 0.00546 | -1.15 |
47 | トンガ | 0.00236 | 0.00532 | -1.221 |
48 | セントルシア | 0.0016 | 0.00361 | -46.73 |
49 | グレナダ | 0.00157 | 0.00354 | -30.96 |
50 | バルバドス | 0.000386 | 0.00087 | +45.8 |
51 | ミクロネシア | 0.000309 | 0.000696 | |
52 | ニューカレドニア | 0.000265 | 0.000597 | -4.783 |
53 | バハマ | 0.000195 | 0.00044 | +0.149 |
54 | フランス領ポリネシア | 6.5E-5 | 0.000146 | +1.5 |
55 | ブルネイ | 2.2E-5 | 4.96E-5 | +144.4 |
56 | バーレーン | 0 | 0 | |
57 | トルコ | 0 | 0 |


詳細なデータとグラフ
プランテンの現状と今後
プランテン(料理用バナナ)は、主に熱帯地域で栽培される重要な主食作物であり、バナナの1種ですが、熟しても甘くならず、焼いたり茹でたりすることで食用にされます。アフリカ、中南米、アジアの1部で主に消費されており、栄養価の高い炭水化物源として地域経済と食糧安全保障の両面で重要な作物です。
2023年の世界生産量と全体的傾向
2023年の世界全体のプランテン生産量は44.4百万トン(Mt)で、前年比で約0.738%の微減となりました。気象条件、病害虫、政治・経済の安定性などが影響要因となっており、地域によって増減の差が見られます。
主要生産国の動向と特徴
ウガンダ(11.09Mt、前年比-1.24%)
ウガンダは長年にわたり世界最大のプランテン生産国であり、農業人口の多くが自家消費と国内供給のために生産を行っています。生産は広く分散しており、地方経済に深く根ざしていますが、2023年は若干の減少。これは気候変動や栽培面積の調整による影響と考えられます。
コンゴ民主共和国(4.898Mt、+0.21%)
安定的な微増傾向。森林地帯を活かした伝統農法が主流で、大規模な工業的農業ではないものの、食料安全保障に直結する作物として持続的に栽培されています。
カメルーン(4.608Mt、-0.35%)
やや減少傾向にありますが、依然として生産規模は大きく、国内消費を主とした農業形態が根付いています。農業インフラや物流の発展が今後のカギとなるでしょう。
ガーナ(4.44Mt、+0.67%)
緩やかな増加傾向。プランテンはガーナの主要な炭水化物源の1つであり、市場向け生産と自家用栽培の両面で成長が期待されています。
フィリピン(3.148Mt、+1.11%)
アジアでの代表的な生産国。フィリピンでは加工向けや輸出も1部行われており、生産の効率化や気候への適応が進んでいます。今後の成長余地も大きい国の1つです。
コロンビア(2.589Mt、+4.46%)
中南米での主要国。比較的大幅な増加を見せており、輸出志向型の生産体制が整ってきていることが背景にあります。収益作物としての地位が強化されているといえるでしょう。
コートジボワール(2.15Mt、+1.93%)
着実な増加。アフリカ西部における重要作物として位置づけられており、地域内の食料自給や流通網の整備とともに成長が進んでいます。
ミャンマー(1.44Mt、+2.89%)
東南アジアにおける注目株。近年、生産量が着実に増えており、内需とともに将来的には地域輸出も見込まれるポテンシャルを秘めています。
ドミニカ共和国(1.335Mt、+15.95%)
顕著な増加。観光業や外食産業への供給源として需要が伸びている可能性が高く、生産拡大のトレンドが見られます。
ルワンダ(1.05Mt、+5.40%)
小規模農家を中心に生産が行われており、国内の食糧安定に寄与。近年は気候適応型農業への移行が進んでおり、今後の安定成長が見込まれます。
地域別の課題と可能性
アフリカ地域の課題と展望
アフリカはプランテンの最大の供給地であり、多くの国が自家消費主体の農業に依存しています。今後の課題は、収穫後ロスの削減、病害虫管理、品種改良、流通インフラ整備などです。これらが改善されれば、内需だけでなく地域間貿易の活性化も見込まれます。
中南米の拡大余地
コロンビアやドミニカ共和国などでは、すでに市場志向型の生産が進んでおり、今後は輸出向けの収益作物としてのポジション強化がカギになります。高付加価値商品の開発も視野に入るでしょう。
アジアの台頭と気候影響への対応
フィリピンやミャンマーのように、アジア地域でもプランテン生産が拡大中。モンスーンや台風など気象リスクへの対応と技術導入が成功すれば、さらなる成長が見込まれます。
将来予測と持続可能な発展
世界のプランテン生産は今後も年平均1~2%程度の成長率で推移すると予想されます。特に、食料安全保障の観点からの評価が高まっており、地域特有の需要を支える安定作物としての価値が強化されていくでしょう。
今後の焦点は、
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気候変動へのレジリエンス構築
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輸送・保存技術の向上
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加工品開発による付加価値向上
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小規模農家の支援強化
といった政策と技術の融合による持続可能な発展にあります。
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