世界のデーツ生産動向:中東・北アフリカ主導の供給と成長戦略

果物(南国)

2023年の世界のデーツ生産量は9.66Mtで前年より約3.8%増加。エジプト、サウジアラビア、アルジェリアが主導し、パキスタンの急増も目立つ。乾燥地域での適応性が高く、灌漑技術や品種改良が進む一方、水資源管理や政治情勢が課題。今後も安定的な生産と輸出拡大が期待される。

デーツの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界9.661100+3.837
1エジプト1.86719.33+1.052
2サウジアラビア1.64317.01+2.003
3アルジェリア1.32513.71+6.453
4イラン1.02410.6-0.616
5イラク0.6366.583-10.55
6パキスタン0.5045.215+120.4
7スーダン0.4434.582-0.0109
8オマーン0.3954.088+4.766
9チュニジア0.3863.999+4.714
10アラブ首長国連邦0.3293.41-6.254
11リビア0.1881.949+3.269
12中国0.1611.671+0.205
13トルコ0.1271.318+30.5
14クウェート0.1231.273+18.84
15モロッコ0.1071.111-21.85
16イスラエル0.07550.781+12.69
17イエメン0.06680.691-0.399
18アメリカ0.04450.461-23.94
19カタール0.03550.368+4.902
20ヨルダン0.03170.328+7.214
21モーリタニア0.02220.23+0.322
22チャド0.02180.226+0.481
23ニジェール0.01720.178+0.0915
24メキシコ0.0170.176-12.86
25パレスチナ0.01660.172-20.21
26アルバニア0.01490.154+0.323
27ソマリア0.01420.147-0.347
28バーレーン0.0140.145
29シリア0.003370.0349+41.39
30ベナン0.001440.0149-0.315
31ナミビア0.001430.0148-15.23
32ケニア0.001090.0113+0.142
33マリ0.0007510.00778+5.094
34カメルーン0.0005880.00608+0.1
35ペルー0.0005260.00545+9.418
36エスワティニ0.000310.0032-0.0452
37ジブチ0.0001360.00141+4.378
38コロンビア4.23E-50.000437-24.55
デーツの生産量
デーツの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

デーツの現状と今後

2023年の世界全体のデーツ生産量は9.661百万トン(Mt)に達し、前年から約3.8%の増加を記録しました。デーツは主に乾燥地域に適応した作物であり、中東・北アフリカ(MENA)地域の多くの国で重要な農産物となっています。


主要生産国の特徴と動向

エジプト(1.867Mt、前年+1.05%)

世界最大のデーツ生産国であり、主にナイル川流域の灌漑農業が支えています。安定した生産基盤を持ち、品種改良や農業技術の向上によって生産量は着実に増加傾向です。

サウジアラビア(1.643Mt、前年+2.00%)

乾燥した砂漠環境に適応した大規模なデーツ農園が存在。政府の農業支援や水資源管理により増産が続き、輸出も活発化しています。

アルジェリア(1.325Mt、前年+6.45%)

サハラ砂漠のオアシス農業が主軸。生産の伸び率が高く、気候適応型の栽培技術導入と農地拡大が奏功しています。

イラン(1.024Mt、前年-0.62%)

伝統的な生産国ですが、水不足や気象変動の影響で微減傾向。持続可能な灌漑技術の導入が課題です。

イラク(0.636Mt、前年-10.55%)

政治的・社会的な不安定さにより大幅減少。復興と技術支援が進まなければ回復は困難な状況です。


その他の注目生産国の動向

パキスタン(0.504Mt、前年+120.4%)

大幅増加が特徴的。新規農地開発や品種改良、輸出拡大のための政府支援が要因と推定されます。今後も成長が期待される重要な新興生産国です。

スーダン(0.443Mt、前年ほぼ横ばい)

乾燥地帯の伝統的農業。安定生産を維持しつつ、気象変動への対応が求められます。

オマーン(0.395Mt、前年+4.77%)

乾燥環境に強い作物として政府が重点支援。持続可能な水管理と技術導入で増産傾向。

チュニジア(0.386Mt、前年+4.71%)

オアシス農業が中心。品質向上とブランド化で市場競争力を強化。

アラブ首長国連邦(0.329Mt、前年-6.25%)

近年の減少は都市化や土地利用の変化による影響。農業の効率化と新技術導入で巻き返しを図っています。


世界的な傾向と将来予測

  1. 乾燥・半乾燥地域における重要性の増大デーツは水資源が限られた地域で栽培可能な貴重な果実。気候変動の影響下でも栽培が比較的安定しているため、これら地域の食糧安全保障に寄与します。

  2. 技術革新と品種改良の進展水効率の高い灌漑技術、耐塩性・耐乾燥性の品種開発が進み、生産性向上が期待されます。

  3. 輸出市場の拡大中東産デーツの高品質化と国際市場での需要増加が見込まれ、特にアジア・欧州への輸出拡大が今後の成長要因です。

  4. 課題としての水資源管理と政治的不安定性生産地の多くは水資源が限られ、適切な管理が必要。加えて、1部生産国では社会・政治情勢が農業に悪影響を及ぼすリスクもあります。

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