世界の肉類生産量と国別推移【最新データと将来予測】

生産量

2023年の世界肉類生産は1242Mtで前年比+6.836%の増加。アメリカ、中国、ブラジルが上位を占め、特にブラジルの伸びが顕著。一方、アルゼンチンやインドネシアでは減少も見られます。今後は、持続可能性、環境負荷削減、代替肉との競合が課題となり、生産性と倫理性を両立する農業が求められます。

肉類の生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界1242100+6.836
1アメリカ389.731.39+12.39
2中国289.123.28+4.201
3ブラジル13210.63+20.24
4アルゼンチン41.413.335-29.86
5インド38.093.068+12.91
6ウクライナ31.032.499+18.5
7メキシコ27.552.219+3.754
8インドネシア19.991.61-10.61
9ロシア16.61.337+4.65
10南アフリカ16.431.323+6.206
11カナダ15.081.214+3.694
12フランス12.831.034+18
13ナイジェリア11.050.89-14.64
14エチオピア100.805-1.961
15パキスタン9.8470.793-10.35
16トルコ90.725+5.882
17ポーランド8.9820.723+7.633
18ルーマニア8.7440.704+8.795
19フィリピン8.4050.677+1.81
20タンザニア8.0110.645+22.55
21エジプト7.130.574+3.974
22セルビア6.6310.534+54.81
23ハンガリー6.2420.503+125.7
24イタリア5.3490.431+13.87
25タイ4.9540.399+5.4
26バングラデシュ4.5930.37+7.759
27ドイツ4.4990.362+17.24
28パラグアイ4.4920.362-2.879
29ベトナム4.4370.357+0.313
30ケニア4.2850.345+39.03
31ガーナ3.6190.291+11.16
32マラウイ3.510.283-5.556
33マリ3.3870.273-13.26
34ザンビア3.2620.263+20.52
35アンゴラ3.2150.259+4.039
36ネパール2.9760.24-4.182
37スペイン2.8350.228-21.03
38ウガンダ2.80.226-40.9
39ブルガリア2.4490.197-4.134
40コンゴ民主共和国2.3360.188+2.274
41北朝鮮2.30.185
42ミャンマー2.20.177-4.493
43カメルーン2.20.177
44モザンビーク2.1250.171-10.82
45オーストリア2.1050.17-0.421
46グアテマラ2.0760.167+0.17
47ベナン2.0590.166+27.15
48ブルキナファソ1.9950.161+10.22
49クロアチア1.9910.16+21.28
50コロンビア1.950.157+1.476
51ペルー1.640.132+1.96
52カンボジア1.480.119+27.26
53ギリシャ1.4170.114+5.648
54エクアドル1.4130.114-13.88
55モルドバ1.3510.109+79.65
56ベネズエラ1.350.109+35
57ボリビア1.2570.101+27.58
58コートジボワール1.2230.0985+1.973
59カザフスタン1.1890.0958+8.291
60スロバキア1.1060.0891+61.72
61トーゴ1.0130.0816+5.846
62ベラルーシ10.0805+2.564
63ギニア0.9820.0791+20.53
64セネガル0.9290.0748+17.93
65キルギスタン0.80.0644+9.186
66ウズベキスタン0.7810.0629+19.04
67エルサルバドル0.770.062-1.161
68ポルトガル0.7670.0618+6.855
69ホンジュラス0.7230.0582+5.718
70ボスニア・ヘルツェゴビナ0.6980.0562-29.27
71ジンバブエ0.6350.0511-37.75
72ブルンジ0.5860.0472-44.52
73シリア0.5630.0453+5.012
74チリ0.5430.0437-10.67
75イラク0.5380.0434+8.518
76ベルギー0.5170.0417+3.417
77ルワンダ0.5080.041+10.9
78チェコ0.5080.0409-20.63
79ラオス0.450.0362-2.768
80アルバニア0.4090.033+1.917
81スロベニア0.3890.0313+40.03
82オーストラリア0.3870.0311-10.12
83アフガニスタン0.3630.0292+16.72
84ニカラグア0.3560.0287-6.598
85チャド0.3540.0285-2.677
86イラン0.3530.0284+10.2
87アゼルバイジャン0.2870.0231+6.454
88マダガスカル0.2680.0216+0.43
89ウルグアイ0.2660.0214-69.72
90スリランカ0.2210.0178-14.59
91中央アフリカ共和国0.2210.0178+3
92タジキスタン0.20.0161-9.091
93ジョージア0.1910.0154+24.85
94ハイチ0.180.0145-2.703
95ニュージーランド0.1640.0132-12.69
96パナマ0.160.0129+15.02
97キューバ0.160.0129-4.223
98オランダ0.1520.0122-14.12
99南スーダン0.1410.0114-35.7
100スイス0.1350.0109+7.977
101北マケドニア0.1330.0107-9.392
102レソト0.1270.0102+76.15
103ベリーズ0.1120.00905+1.59
104ナミビア0.1060.00851+6.831
105リトアニア0.09130.00736-8.478
106韓国0.0910.00733-0.231
107エスワティニ0.08520.00686-33.08
108東ティモール0.0850.00685-2.299
109ドミニカ共和国0.08160.00658+29.94
110ソマリア0.0750.00604+15.38
111サウジアラビア0.06020.00485+2.983
112モロッコ0.06010.00484+67.94
113イエメン0.060.00483
114イスラエル0.05140.00414+2.783
115ガボン0.04640.00374+0.257
116デンマーク0.04080.00329-32.74
117ボツワナ0.03270.00264+9.932
118クウェート0.02620.00211+16.27
119ガンビア0.0260.00209+33.18
120ブータン0.02510.00202-3.321
121シエラレオネ0.0250.00201+4.167
122スーダン0.02330.00187-3.527
123アラブ首長国連邦0.0220.00177+2.728
124ギニアビサウ0.0210.00169+3.306
125エリトリア0.020.00161
126コモロ0.01970.00159+2.664
127メラネシア0.01880.00151-5.477
128スウェーデン0.01570.00126+28.69
129モーリタニア0.0150.00121-16.18
130ニジェール0.01440.00116+54.21
131コンゴ0.0130.00105
132パプアニューギニア0.01290.00104-0.519
133アルジェリア0.0120.000967+9.091
134コスタリカ0.007320.00059+9.171
135アルメニア0.006490.000522+25.84
136トリニダード・トバゴ0.0050.000403
137トルクメニスタン0.004390.000354-62.22
138ガイアナ0.0040.000322
139リビア0.003970.000319+3.537
140レバノン0.0030.000242
141ニューカレドニア0.00290.000234-31.58
142モンテネグロ0.002680.000216-4.656
143オマーン0.002440.000196-89
144ジャマイカ0.002290.000185-5.565
145カタール0.002010.000162+74.98
146フィジー0.002010.000162+19.01
147モーリシャス0.00150.000121+82.5
148バヌアツ0.0009837.92E-5-0.294
149ルクセンブルク0.000957.65E-5+4.396
150サントメ・プリンシペ0.0007876.34E-5+0.811
151セントビンセント・グレナディーン0.0006335.1E-5-1.094
152バハマ0.0006164.97E-5+0.146
153マレーシア0.0005684.58E-5-32.34
154カーボベルデ0.0004643.74E-5+109.4
155グレナダ0.000393.14E-5+0.407
156プエルトリコ0.0003242.61E-5-15.83
157ドミニカ0.0001931.56E-5+0.244
158日本0.0001671.35E-5-0.179
159モルディブ0.0001471.19E-5+0.102
160ミクロネシア9.05E-57.29E-6-0.353
161アンティグアバーブーダ4.63E-53.73E-6-2.529
162バルバドス4.17E-53.36E-6-18.31
163スリナム2.94E-52.37E-6+1.276
164ジブチ1.73E-51.4E-6+0.814
165ラトビア00
166ヨルダン00
167マルタ00
168フィンランド00
169エストニア00
170アイルランド00
肉類の生産量
肉類の生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

肉類の現状と今後

2023年の世界全体の肉類生産量は1242Mt(メガトン)となり、前年比で+6.836%の増加を記録しました。1961年以降の長期的な視点で見ると、人口増加、経済成長、都市化、食生活の変化(動物性たんぱく質の需要増)などに伴って肉類生産は大幅に増加してきました。

しかしこの成長には地域差があり、先進国では頭打ち傾向、新興国では需要の急増が見られます。また、気候変動や環境負荷への懸念が強まる中で、今後の生産拡大には新たな課題も存在しています。


主要生産国別の動向と特徴

アメリカ(389.7Mt、+12.39%)

世界最大の肉類生産国。牛肉、豚肉、鶏肉すべてにおいて規模が大きく、特に鶏肉産業の成長率が高い。2023年の+12.39%という増加は、飼料価格の安定や国内外の需要増が影響しています。生産効率の高さ、輸出市場の強さ、遺伝子改良やIT農業の活用が特徴です。

中国(289.1Mt、+4.201%)

過去にアフリカ豚熱(ASF)の流行で豚肉生産が急減したものの、近年は回復傾向。豚肉が最も主要な肉類であり、政府による供給安定策や養豚場の大型化が進んでいます。鶏肉や牛肉の消費も都市部を中心に拡大中。

ブラジル(132Mt、+20.24%)

牛肉・鶏肉・豚肉のすべてで輸出が非常に強く、世界最大の牛肉輸出国です。農地の拡大、低コスト飼料、温暖な気候が強みで、2023年には大幅な+20%超の増加を記録。南米市場だけでなく中東・アジアへの輸出も成長中。

アルゼンチン(41.41Mt、-29.86%)

2023年は大幅な減少。干ばつや飼料コストの高騰、インフレによる国内需要低迷が背景にあります。主に牛肉が中心で、ヨーロッパや中国向けの輸出も多いですが、生産の安定性に課題を抱えています。

インド(38.09Mt、+12.91%)

宗教的背景により牛肉の生産は限られ、水牛肉(バッファロー)と鶏肉が中心。輸出用の冷凍水牛肉は東南アジア・中東で人気があります。鶏肉産業は都市部を中心に拡大しており、今後の成長が期待されます。

ウクライナ(31.03Mt、+18.5%)

戦争の影響で1時的に減少していた肉類生産が徐々に回復。2023年は大きな増加を記録しました。主に豚肉と鶏肉の生産が中心で、安価な飼料を背景にした効率的な飼育が特徴です。

メキシコ(27.55Mt、+3.754%)

鶏肉と豚肉の生産が安定しており、アメリカ市場への輸出も行われています。農業政策の支援も強化されており、今後は内需と輸出の両面で堅調な伸びが見込まれます。

インドネシア(19.99Mt、-10.61%)

2023年は大幅減少。伝染病(例:口蹄疫)の流行、飼料価格の高騰、インフラ整備の遅れが影響しています。主に鶏肉が中心で、今後は民間投資と政府支援による回復が期待されます。

ロシア(16.6Mt、+4.65%)

経済制裁下でも国内生産を重視した政策が奏功し、増加傾向。自給率の向上を掲げており、特に鶏肉と豚肉の生産が強化されています。輸出先の多様化も進められています。

南アフリカ(16.43Mt、+6.206%)

アフリカ南部では最も肉類生産が多い国。鶏肉が圧倒的なシェアを占めており、アジアからの輸入飼料に依存しています。2023年は生産回復が進み、内需拡大も見られました。


肉類生産の課題と技術的転換点

環境負荷と温室効果ガスの問題

牛などの反芻動物はメタンガスを多く排出するため、肉類生産は気候変動の1因とされています。今後は、「持続可能な畜産」が世界的な課題になります。

飼料価格の変動

肉類生産は飼料の安定供給に大きく依存しており、トウモロコシ・大豆価格の変動が直接的なコスト増に繋がります。地域によってはこれが大きな制約になります。

代替肉・植物性たんぱくとの競合

特に先進国では、環境負荷や倫理的理由から代替肉市場が拡大中。今後、肉類生産の成長は穏やかになる可能性があり、業界全体の再構築が迫られます。


将来予測と地域ごとの展望(2030年頃まで)

成長が見込まれる地域

  • ブラジル・アメリカ:輸出強化と生産拡大の両立

  • インド・メキシコ・ウクライナ:鶏肉中心に国内外需要増

  • アフリカ諸国:人口増加による肉類需要の増大

成長が鈍化する可能性のある地域

  • ヨーロッパ諸国・先進国:代替たんぱく質の台頭、環境制約

  • アルゼンチン・インドネシア:経済不安や病害リスク

世界全体としては、肉類生産は今後も増加する傾向にあるものの、「質」や「効率」への転換が求められます。特に「低環境負荷」「高付加価値」「動物福祉」の観点が重要になります。

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