1961年から2023年にかけて世界の農業総生産量は1242Mtに達し、特にアメリカ、中国、ブラジルが全体の65%を占めています。2023年は6.8%増と好調で、天候回復や生産技術の進展が寄与。一方でアルゼンチンのように天候不順で落ち込む国もあり、気候変動や地政学リスクが大きな課題です。今後は持続可能性と地域分散型生産がカギとなります。
生産量のデータとグラフ
合計生産量の最大と最新
世界 | アメリカ | 中国 | ブラジル | アルゼンチン | インド | ウクライナ | メキシコ | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2023年 | 2016年 | 2023年 | 2023年 | 2021年 | 2023年 | 2021年 | 2016年 |
最新値[Mt] | 1242 | 389.7 | 289.1 | 132 | 41.41 | 38.09 | 31.03 | 27.55 |
最大値[Mt] | 1242 | 412.3 | 289.1 | 132 | 60.53 | 38.09 | 42.11 | 28.25 |
前年比[%] | 6.836 | 12.39 | 4.201 | 20.24 | -29.86 | 12.91 | 18.5 | 3.754 |
全体比[%] | 100 | 31.39 | 23.28 | 10.63 | 3.335 | 3.068 | 2.499 | 2.219 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
合計生産量についての推移と展望
1961年から2023年にかけて、世界の農産物総生産量は大幅に拡大しました。最新の総合値である1242Mtは、1960年代と比較すると数倍に達する成長を示しています。これは、人口増加に伴う食料需要、機械化・灌漑技術の普及、品種改良による収量増などの要因によるものです。
最新の成長率と短期的変動
2023年の前年比では世界全体で+6.836%と、比較的高い成長率を記録しました。これは主に以下の主要生産国の増加に起因しています。
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アメリカ(+12.39%):天候の回復と高収量品種の普及が寄与。
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ブラジル(+20.24%):大豆・トウモロコシの生産拡大が牽引。
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インド(+12.91%):穀物と豆類の豊作が反映。
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ウクライナ(+18.5%):戦争の影響が続く中でも回復の兆し。
一方で、アルゼンチンは-29.86%と大幅減。干ばつやインフラの問題が要因と見られます。
国別シェアの特徴と勢力図
最新の全体比では以下のような構図です:
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アメリカ(31.39%):依然として最大の農業大国。広大な土地と生産効率の高さが特徴。
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中国(23.28%):自給体制を重視し、果菜類の生産も大規模。
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ブラジル(10.63%):輸出主導型。特に大豆・サトウキビが中心。
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アルゼンチン・ウクライナ:穀物輸出国だが、天候や地政学的リスクに弱い。
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インド(3.068%):自国内の消費向けが中心。作物多様性が高い。
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メキシコ(2.219%):トマト、トウモロコシなどの安定生産が強み。
課題とリスク要因
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気候変動:干ばつ・洪水の頻度増加が収量を不安定化。
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地政学リスク:ウクライナなど、戦争の影響で供給網が乱れる。
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労働力不足:先進国を中心に農業従事者の高齢化が深刻。
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持続可能性:土壌劣化・過剰施肥・水資源枯渇といった環境負荷の増大。
今後の展望と予測
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アメリカ・中国・ブラジルが引き続き世界の農業を牽引する構図は当面変わらないと見られます。
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インドや東南アジア諸国では、都市化とともに効率的な小規模農業への転換が進むと予測されます。
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アフリカ諸国の潜在力にも注目が集まっており、技術とインフラ次第で新たな生産拠点になる可能性があります。
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持続可能性と環境配慮型農業への移行が今後の主流になるでしょう。
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