世界のカリフラワー生産:中国とインドが圧倒、今後の展望は

生産量

2023年のカリフラワー世界生産量は26.47Mtで前年比+0.0404%と横ばい。中国(9.78Mt)とインド(9.548Mt)が圧倒的な生産量を誇る一方、両国とも微減傾向。アメリカは大幅減少(-12.64%)だが、メキシコやパキスタンなどで成長が見られる。今後は気候変動や市場需要に適応した多様な品種導入と輸出戦略が鍵となり、南アジアや中東での需要拡大が見込まれる。

カリフラワーの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界26.47100+0.0404
1中国9.7836.95-0.172
2インド9.54836.07-0.188
3アメリカ1.0573.992-12.64
4メキシコ0.7682.903+4.109
5スペイン0.6372.407-5.937
6トルコ0.3681.389+6.034
7イタリア0.3551.342+0.889
8パキスタン0.3471.311+24.24
9バングラデシュ0.3441.299+0.424
10アルジェリア0.2691.015+11.06
11フランス0.2090.788-1.291
12ポーランド0.2060.778-1.01
13エクアドル0.1970.745+46
14日本0.1960.739+0.297
15ベトナム0.1870.706+3.227
16インドネシア0.1750.661-8.874
17オーストラリア0.1610.609+13.31
18ベルギー0.1420.535+11.28
19イギリス0.1340.507-6.242
20ドイツ0.1260.476-4.051
21グアテマラ0.1190.449+0.123
22エジプト0.1170.441+4.169
23オランダ0.07590.287-3.706
24ヨルダン0.06660.252+22.85
25モロッコ0.06440.243-0.0295
26カナダ0.06260.236-4.263
27ペルー0.05990.226+5.568
28イラン0.05980.226+0.287
29ポルトガル0.05630.213+6.855
30シリア0.03880.147+37.32
31ギリシャ0.03830.145-19.81
32ニュージーランド0.03290.124-1.168
33ベネズエラ0.03170.12+2.836
34オマーン0.0310.117+37.25
35パレスチナ0.03050.115+14.27
36チリ0.02730.103+1.165
37イスラエル0.02710.102+3.258
38ロシア0.02280.0862+3.231
39サウジアラビア0.02210.0835+4.036
40コロンビア0.02180.0824-13.41
41ルーマニア0.02140.0808-10.88
42レバノン0.01620.0612-0.716
43タイ0.01520.0574-0.884
44フィリピン0.01380.0522-1.338
45スイス0.0120.0455-15.84
46アラブ首長国連邦0.01140.0431-18.18
47ノルウェー0.01060.0401-1.484
48ウクライナ0.01050.0396+15.02
49南アフリカ0.01050.0395-2.984
50チュニジア0.01040.0392-0.976
51アイルランド0.0090.034-4.153
52イラク0.008990.034-36.88
53スウェーデン0.008120.0307+9.287
54アルメニア0.007880.0298-23.65
55リビア0.007770.0293+1.304
56アルバニア0.007370.0279-3.941
57デンマーク0.007340.0277-3.421
58オーストリア0.007280.0275-3.191
59クウェート0.007060.0267+13.72
60ドミニカ共和国0.006690.0253+30.18
61ハンガリー0.006260.0236-17.74
62マルタ0.004670.0176+0.647
63チェコ0.004410.0167+2.083
64フィンランド0.003580.0135+26.95
65ジャマイカ0.0030.0113+0.638
66モーリシャス0.002330.00879+110.2
67カタール0.002150.00813+77.56
68ブルガリア0.002130.00805+20.34
69クロアチア0.002120.00801+68.25
70ネパール0.002090.00791-0.197
71スリランカ0.001890.00713+33.73
72ブータン0.001750.00659-17.41
73カザフスタン0.00160.00603+0.449
74キルギスタン0.001360.00513-1.467
75キプロス0.001210.00457-7.634
76リトアニア0.00120.00453+66.67
77スロベニア0.00110.00416-20.86
78ホンジュラス0.001050.00397-0.076
79ケニア0.001030.00387+51.51
80モルドバ0.0009830.00371-0.139
81パナマ0.0009730.00368+49.23
82バーレーン0.000950.00359+11.76
83ボリビア0.0008140.00308+0.355
84スーダン0.0007590.00287-0.455
85北マケドニア0.0005140.00194+0.107
86コスタリカ0.000370.0014-0.332
87スロバキア0.000350.00132-32.69
88ラトビア0.000340.00128+78.95
89ジンバブエ0.0002880.00109-0.0765
90マダガスカル0.0002730.00103-0.528
91グレナダ0.000130.000491-17.2
92アイスランド0.0001230.000465+38.2
93韓国8.74E-50.00033-0.75
94トリニダード・トバゴ7.8E-50.000295-22.33
95ルクセンブルク7.0E-50.000264+16.67
96ミクロネシア3.9E-71.47E-6+2.632
97ナウル3.9E-71.47E-6+2.632
98カーボベルデ00
カリフラワーの生産量
カリフラワーの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

カリフラワーの現状と今後

カリフラワーは冷涼な気候を好むアブラナ科の野菜で、ビタミンCや食物繊維に富み、健康志向の高まりと共に需要が増しています。年中栽培可能な地域も増えており、生鮮・冷凍加工いずれでも市場の安定性が高い野菜です。世界的には生食、炒め物、スープ、代替炭水化物食品(カリフラワーライス等)としての用途が広がっています。


世界全体の動向|横ばい成長と地域差

2023年の世界全体の生産量は26.47Mt(+0.0404%)と、ほぼ横ばいにとどまりました。主力生産国である中国・インドが微減する1方、その他の国では明暗が分かれる動きを見せています。これは気候変動や生産効率、市場需要の変化が影響していると推察されます。


中国とインド|世界の生産を牽引する2大国

  • 中国(9.78Mt, -0.172%) 世界最大の生産国ですが、増加が鈍化傾向にあります。農業人口の減少や都市化の進展が背景にある可能性が高く、集約的な大規模栽培への移行が進行中です。

  • インド(9.548Mt, -0.188%) 温暖な気候下でも品種改良により周年栽培が可能で、人口増に伴う内需の高さが支えとなっています。ただし、収益性や灌漑水源の問題から、地域ごとの生産波が見られる点が課題です。

両国で全体の72%を超えるシェアを持つため、この2国の動向が世界全体の数字を大きく左右します。


北米と欧州の縮小と停滞

  • アメリカ(1.057Mt, -12.64%) 深刻な減少で、気候変動による干ばつや人件費上昇、農地転換が要因と考えられます。以前は加工・冷凍需要に支えられていたものの、国内野菜市場全体での競争が激化しています。

  • スペイン(-5.937%)・イタリア(+0.889%)・トルコ(+6.034%) 地中海沿岸諸国では乾燥化が進行し、灌漑水確保が課題です。ただし、トルコのように内需に加え輸出向け生産の強化を行っている国もあり、欧州圏での動向は2極化しています。


ラテンアメリカと南アジアの台頭

  • メキシコ(+4.109%) アメリカ向けの輸出を中心に生産が拡大中。労働コストの低さと温暖な気候を活かし、収益性の高い作物としての地位を確保しています。

  • パキスタン(+24.24%)・バングラデシュ(+0.424%) パキスタンは大幅な生産拡大を記録しており、内需の増加と気温への適応品種導入が成果に結びついています。アジアの新興市場での需要拡大が生産意欲を押し上げています。


アフリカ諸国の潜在力

  • アルジェリア(+11.06%) 比較的冷涼な地中海性気候を活かして生産拡大。国産野菜としての需要に加え、地場市場への供給体制も安定しつつあります。

1方、アフリカ諸国では、カリフラワーの生産はまだ限られた地域にとどまっており、今後の技術導入や市場連携が生産増加の鍵となります。


将来予想と課題

今後のカリフラワーの生産動向は以下のように予想されます:

  • 気候適応型栽培の普及:高温耐性品種の育成が重要

  • 収益性の安定化:需要の安定した冷凍・加工食品への供給拡大

  • 小規模農家支援とインフラ整備:南アジア・アフリカを中心に投資の余地あり

  • 輸出戦略の再編成:特に中東・東欧市場へのアクセス拡大がカギ

特に中国とインドがどこまで持続可能な生産体制を維持できるかが、今後10年の世界動向を大きく左右するでしょう。


まとめ|多極化するカリフラワー市場の行方

カリフラワーは今やアジア中心の作物といえますが、ラテンアメリカ・アフリカ諸国の成長も目覚ましいものがあります。世界的には安定した需要があるため、生産の持続性や品質管理、輸出体制の強化によってさらなる成長が見込まれます。気候変動や水資源の制約といった課題への対応が、未来の生産力を左右する最大の鍵となるでしょう。

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