2023年の世界カリフラワー生産量は26.47Mtで、最大生産国は中国とインド。両国で生産量は総生産量の約7割を占める。アメリカやメキシコは安定的な生産を維持しており、特にメキシコは生産量が増加。一方、スペインやインドでは減少傾向が見られる。今後、気候変動への対応や技術革新が鍵となる。
生産量のデータとグラフ
カリフラワー生産量の最大と最新
世界 | 中国 | インド | アメリカ | メキシコ | スペイン | トルコ | イタリア | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2023年 | 2019年 | 2022年 | 2016年 | 2023年 | 2020年 | 2023年 | 1969年 |
最新値[Mt] | 26.47 | 9.78 | 9.548 | 1.057 | 0.7684 | 0.6371 | 0.3676 | 0.3552 |
最大値[Mt] | 26.47 | 9.86 | 9.566 | 1.357 | 0.7684 | 0.7465 | 0.3676 | 0.7556 |
前年比[%] | 0.0404 | -0.1722 | -0.1882 | -12.64 | 4.109 | -5.937 | 6.034 | 0.889 |
全体比[%] | 100 | 36.95 | 36.07 | 3.992 | 2.903 | 2.407 | 1.389 | 1.342 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
カリフラワー生産量についての推移と展望
カリフラワー(Brassica oleracea)は、アブラナ科に属する野菜で、栄養価が高く、ビタミンC、カリウム、食物繊維を豊富に含んでいます。低カロリーでダイエットにも適しており、近年の健康志向の高まりとともに人気が増しています。特に、「カリフラワーライス」などの代替食品としても注目されており、世界中で需要が増加しています。
世界のカリフラワー生産の現状(1961~2023年)
2023年の世界全体のカリフラワー生産量は26.47Mtで、前年に比べてわずかに+0.0404%の増加にとどまりました。過去数十年にわたり、生産量は着実に増加し、特にアジアと北アメリカが主要な生産地となっています。中国とインドが生産の大部分を占め、両国での生産量は総生産量の約7割を占めています。
中国とインド ― 世界のカリフラワー市場を支える二大生産国
中国:生産量のトップランナー
2023年のカリフラワー生産量は9.78Mtで、世界シェアの36.95%を占める中国は、カリフラワー生産量のトップランナーです。中国では、カリフラワーは広範な地域で栽培されており、国内需要のほか、輸出向けにも生産されています。しかし、前年比で-0.1722%の減少が見られ、生産量はやや停滞気味です。この減少は、農業政策の変動や気候変動の影響、または他の作物への転換が影響している可能性があります。
インド:急成長と課題
インドは中国に次ぐ第2位の生産国で、2023年の生産量は9.548Mtで、世界シェアの36.07%を占めています。インドでは、カリフラワーは国内市場で非常に需要が高く、特に南インドや北インドで広く栽培されています。しかし、前年比で-0.1882%の減少があり、気候条件や灌漑の問題、農業労働力の不足などが影響を及ぼしていると考えられます。
アメリカとメキシコ ― 北アメリカにおける生産と輸出
アメリカ(1.057Mt)は世界のカリフラワー生産量の約3.992%を占め、特にカリフォルニア州やアリゾナ州が主要な生産地域です。アメリカは生産したカリフラワーの多くを国内消費に充てると同時に、輸出も行っています。しかし、2023年には前年比で-12.64%の減少が見られ、農業労働力の不足や気候変動が影響しているとされています。
メキシコ(0.7684Mt)は、生産量の2.903%を占め、主にアメリカ向けの輸出が盛んです。特に冬季における需要に対応するため、カリフラワーの栽培は重要な役割を果たしています。前年比で+4.109%の増加が見られ、メキシコのカリフラワー生産は順調に拡大しています。
ヨーロッパの生産 ― スペイン、イタリア、トルコ
ヨーロッパでもカリフラワーの栽培が盛んで、スペイン(0.6371Mt)、イタリア(0.3552Mt)、トルコ(0.3676Mt)が主要な生産国です。
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スペインは、冬季のカリフラワーの供給国として重要であり、全体の生産量は比較的小さいですが、品質の高いカリフラワーを栽培しています。前年比で-5.937%の減少があり、これは国内消費と輸出の両方で需要が若干落ち込んだことを示唆しています。
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イタリアは、カリフラワーの栽培が盛んな地域で、特に南部での生産が中心です。前年比で+0.889%の増加が見られますが、全体のシェアは比較的小さく、国際的な競争が激化しています。
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トルコは生産量が増加傾向にあり、前年比で+6.034%の増加がありました。気候や土地の特性がカリフラワー栽培に適しており、今後の成長が期待されます。
課題と未来の展望
今後のカリフラワー生産における主要な課題は以下の通りです:
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気候変動:特に高温や干ばつが作物に与える影響が大きく、生産量の安定性が損なわれる可能性があります。
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需給のバランス:一部の生産国では需要が安定している一方で、他の地域では過剰生産や需要の減少が見られます。
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技術革新:品種改良や新しい栽培技術の導入が、生産性向上に寄与するでしょう。
今後のカリフラワー生産は、気候適応型農業技術の導入や新興国市場の需要に支えられながら、世界的な成長を続けると予測されます。
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