世界のオクラ生産:インドが6割超、西アフリカも拡大中

生産量

2023年の世界のオクラ生産量は11.52Mtで、前年比+2.552%の増加。生産の中心はインド(62%以上)とナイジェリアで、アフリカ諸国の存在感も強まっています。気候条件に左右されやすい作物ながらも、栄養価の高さから需要は安定。特にコートジボワールやベナンでの生産急増が目立ちます。今後は持続可能な農法と輸出体制の整備が重要となり、アジア・アフリカを軸に緩やかな拡大が見込まれます。

オクラの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界11.52100+2.552
1インド7.15862.12+4.147
2ナイジェリア1.87516.27+1.653
3マリ0.766.591-0.599
4スーダン0.3032.631-0.449
5パキスタン0.3022.618-2.238
6エジプト0.1080.935-8.776
7コートジボワール0.1010.878+31.88
8ベナン0.1010.877+53.8
9バングラデシュ0.0960.833+12.65
10カメルーン0.07360.639-0.25
11スリランカ0.07030.61-4.274
12ガーナ0.06950.603+0.693
13マレーシア0.05710.496-9.452
14ニジェール0.0470.408+57.21
15タンザニア0.04390.381-0.227
16フィリピン0.03320.288+1.236
17イラク0.03210.278-63.91
18トルコ0.02910.253-4.474
19サウジアラビア0.02550.221-0.492
20セネガル0.02410.209+11.94
21ブルキナファソ0.02360.205-0.261
22イエメン0.02360.205-11.53
23メキシコ0.02060.179-45.82
24ガイアナ0.01760.153+6.158
25ジンバブエ0.01720.149-3.371
26ケニア0.01610.139-2.799
27シリア0.01490.13-24.5
28ドミニカ共和国0.01260.109+41.1
29アメリカ0.01050.0915+0.898
30アルバニア0.008120.0705+0.358
31オマーン0.007570.0657-53.41
32ジャマイカ0.006290.0546-10.18
33グアテマラ0.006120.0531-0.00996
34ヨルダン0.006050.0525+12.79
35メラネシア0.004720.041-7.477
36フィジー0.004720.041-7.477
37マラウイ0.003170.0275+2.394
38パレスチナ0.003140.0273-27.91
39カタール0.002230.0194+504.3
40クウェート0.001840.016+42.41
41モーリシャス0.001630.0141+22.87
42コンゴ0.001560.0136+0.00128
43アラブ首長国連邦0.001170.0102+40.93
44レバノン0.0009840.00854+20.73
45トリニダード・トバゴ0.0009340.00811-35.18
46バルバドス0.0007250.00629+7.509
47バーレーン0.0006950.00603+4.669
48バハマ0.0005070.0044+0.158
49ブルネイ0.0004450.00386-0.367
50プエルトリコ0.0001240.00108+0.0807
51ベリーズ4.9E-50.000425+96
52アンティグアバーブーダ4.51E-50.000391+324.6
53ブータン3.23E-50.00028+0.28
54ジブチ3.09E-50.000268+3.627
55ガボン2.04E-50.000177-0.147
56ミクロネシア3.0E-72.6E-6
57ナウル3.0E-72.6E-6
オクラの生産量
オクラの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

オクラの現状と今後

オクラ(Abelmoschus esculentus)は高温・湿潤な環境を好む野菜で、主に熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されています。栄養価が高く、ビタミンや食物繊維が豊富で、健康志向の消費者に人気があります。比較的短期間で収穫できるため、小規模農家にとっても重要な収入源となっています。


世界全体の動向と成長率

2023年の世界全体のオクラ生産量は11.52Mtで、前年比+2.552%。年ごとの増減はあるものの、全体としては着実に成長しています。高温な気候に依存する作物であるため、気候変動の影響を受けやすい1方、需要の安定性が生産維持を後押ししています。


インド|圧倒的首位と安定成長

インドは世界の約62%を占める最大の生産国で、2023年は7.158Mt(前年比+4.147%)と安定した増加傾向にあります。広範な国内消費に加え、輸出向けの加工食品(乾燥・冷凍)も存在し、インフラや技術の整備が進んでいることが高水準維持の背景にあります。地域によっては年間2回以上の収穫が可能です。


ナイジェリアと西アフリカ諸国の成長

ナイジェリアは1.875Mt(+1.653%)で、アフリカ随1の生産国です。市場での需要が高く、ローカルフードとの結びつきが強いのが特徴です。注目すべきは、コートジボワール(+31.88%)ベナン(+53.8%)で、急速な生産増加が見られます。これらの国々では輸出も視野に入れた栽培が拡大しています。


減少傾向の国々とその背景

  • マリ(-0.599%)スーダン(-0.449%)では、政治・治安の不安定さや灌漑の不備が生産減少の1因です。

  • パキスタン(-2.238%)では水資源不足や気温の変動が影響しており、気候変動対策が急務です。

  • エジプト(-8.776%)では、農業全体の用水制限や都市化の影響がみられます。


南アジアの潜在力と課題

バングラデシュ(+12.65%)では都市部での消費増が生産を後押ししていますが、インフラや貯蔵体制の脆弱さが課題です。インドに次ぐ生産地となるポテンシャルを秘めており、政府支援や流通改革が鍵となります。


将来予測と展望|持続可能性と市場拡大

オクラの将来的な展望は比較的明るいと考えられます:

  • 気候適応型品種の導入により、高温乾燥地でも栽培可能性が拡大

  • 輸出向け冷凍加工など付加価値品目の拡大

  • アフリカ諸国の農業投資の活性化

  • 都市農業や屋内栽培の研究進展

ただし、収穫後の鮮度保持が難しく、物流と保存技術の整備が生産拡大の鍵になります。消費面では、東南アジアや中東での需要増加が期待されます。


まとめ|アジア・アフリカを軸にした成長が継続へ

オクラは今後もアジアとアフリカを中心に、生産・消費の両面で成長が見込まれます。とりわけ、インドの安定成長とアフリカ西部諸国の台頭は、世界市場の構造を変えつつあります。気候リスクに対応した持続可能な生産体制と、付加価値化・輸出基盤の整備が、オクラ産業の次なる成長フェーズを切り開く鍵となるでしょう。

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