レタスの世界生産動向:国別の特徴と今後の見通し【2023年版】

生産量
生産量



世界のレタス生産量は2023年時点で約28.08Mtとなり、中国が全体の53%を占める最大生産国です。アメリカも16.78%を担う重要な生産国で、最近は生産回復傾向にあります。スペインは減産傾向が顕著で、気候や水不足が背景にあります。全体としては緩やかな横ばい傾向で、今後は気候変動への適応や水資源の効率利用が鍵となります。アジアや新興国の需要増により、生産地の多様化も進むと見られます。

生産量のデータとグラフ

レタス生産量の最大と最新

世界 中国 アメリカ インド スペイン イタリア トルコ 日本
最新 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年
最大期 2021年 2021年 2004年 2020年 2021年 2005年 2023年 2016年
最新値[Mt] 28.08 14.91 4.712 1.171 0.8646 0.6603 0.5778 0.5678
最大値[Mt] 28.44 15.01 4.805 1.185 1.066 1.01 0.5778 0.5857
前年比[%] -0.1565 0.4178 5.88 0.3853 -10.79 3.461 2.808 2.716
全体比[%] 100 53.09 16.78 4.169 3.078 2.351 2.057 2.022

 

これまでの推移

レタスの生産量
最新の割合

 

詳細なデータとグラフ

 

レタス生産量についての推移と展望

レタスはサラダやサンドイッチなどに欠かせない葉茎野菜の代表であり、世界中で生産・消費されています。特に冷涼な気候を好むため、生産地は地域的に限られますが、近年では温室や水耕栽培などの技術導入により、さまざまな地域での生産が拡大しています。

世界全体の生産動向(1961年〜2023年)

FAOなどの統計によると、1961年には世界のレタス生産量は1,000万トン台でしたが、2023年には28.08Mtに達し、60年以上で約3倍に増加しました。これは主に中国やアメリカなどの大規模農業国の貢献によるものです。しかし、近年は増加傾向が鈍化し、2023年は前年比-0.1565%と微減となっています。これは気候変動や需要の飽和などが影響していると考えられます。

中国:圧倒的なシェアと安定生産

中国は14.91Mtを生産し、世界の53.09%を占めています。多様な地域での生産が可能で、国内消費向けのほか、輸出にも力を入れています。前年比では0.4178%の微増にとどまるものの、長期的には安定した成長を維持しています。都市周辺での効率的な栽培や、収穫サイクルの最適化が進んでいる点も特徴です。

アメリカ:高収量の精密農業と回復傾向

アメリカは4.712Mtを生産し、世界シェアは16.78%。カリフォルニア州やアリゾナ州での大規模集約農業が中心であり、品種改良や省水技術の導入が進んでいます。2023年は前年比5.88%の増加と回復基調にあり、気候要因による過去数年の不振から脱却しつつあります。

インド:成長中の新興勢力

インドは1.171Mtで4.169%のシェアを持ち、前年比でも0.3853%とわずかに増加しています。都市部での消費需要が高まり、ハウス栽培や有機農業による品質向上も進行中です。今後は人口増に伴い、さらなる生産拡大が期待されます。

スペイン・イタリアなど欧州諸国の現状と課題

スペイン(0.8646Mt)は前年比-10.79%と大幅な減少を記録し、水資源不足や熱波の影響が深刻です。イタリア(0.6603Mt)は3.461%の増加となりましたが、依然として不安定要素が多く、EU全体の気候変動への対策が重要課題です。

日本の状況と今後の展望

日本は0.5678Mtを生産し、シェアは2.022%。気候の多様性と栽培技術の蓄積により、比較的安定した供給が可能ですが、前年比では2.716%増加とやや回復基調です。高齢化や耕作放棄地の増加が課題であり、スマート農業や省人化の取り組みが求められます。

今後の予測と課題

世界のレタス生産は今後も比較的安定した成長を見込める一方、気候変動、水不足、輸送コストの高騰などがリスク要因となります。また、健康志向や植物性食品の需要増加による消費の拡大も見込まれます。サステナブルな生産体系の構築が求められ、施設園芸や垂直農法、水耕栽培などの技術革新が鍵となるでしょう。

 

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