ナイジェリアが牽引するヤムイモ世界生産の動向と将来展望

生産量

2023年の世界のヤムイモ生産量は約89.35Mtで微増。生産の約7割をナイジェリアが占め、西アフリカが中心地。ガーナは減少傾向もコートジボワールやベナンは増加。気候変動や農業技術普及の遅れ、インフラ不足が課題。将来は技術導入や灌漑整備により生産拡大が見込まれ、食糧安全保障への貢献が期待される。

ヤムイモの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界89.35100+0.718
1ナイジェリア61.9269.31+0.88
2ガーナ10.5111.76-1.84
3コートジボワール7.9678.917+2.325
4ベナン3.3213.717+3.303
5トーゴ0.9741.09-1.048
6カメルーン0.5420.607-0.49
7中央アフリカ共和国0.510.57+0.333
8メラネシア0.4790.536-0.056
9チャド0.4690.525-0.257
10コロンビア0.4130.462+2.6
11ギニア0.410.459+12.3
12パプアニューギニア0.3840.43-0.311
13ブラジル0.2540.284+0.188
14ガボン0.230.257-0.366
15ジャマイカ0.1950.218-6.036
16スーダン0.1720.192-0.187
17日本0.1610.181+2.712
18セネガル0.1260.141+15.75
19コンゴ民主共和国0.1250.139+2.65
20ブルキナファソ0.06360.0712+1.567
21マリ0.05670.0635-50.04
22ルワンダ0.05540.062-0.0205
23南スーダン0.05340.0598-0.304
24エチオピア0.04990.0559+38.76
25ドミニカ共和国0.04580.0513+23.54
26ソロモン諸島0.04480.0501+0.192
27バヌアツ0.04210.0471+0.00476
28ベネズエラ0.03740.0419-10.25
29コモロ0.03080.0345+0.373
30リベリア0.02050.0229-0.00317
31ハイチ0.02040.0229-13.09
32キューバ0.01820.0204+15.3
33コスタリカ0.0180.0201+19.11
34パナマ0.01670.0187-25.59
35コンゴ0.01610.018+0.287
36ドミニカ0.0140.0157-0.326
37フィリピン0.01290.0144-4.92
38タンザニア0.009330.0104-0.184
39フィジー0.00570.00639+18.06
40ケニア0.005540.00621-7.598
41ポリネシア0.005180.0058+1.908
42トンガ0.004720.00528-0.176
43モーリタニア0.0030.00336+0.347
44マレーシア0.002890.00324-57.51
45サントメ・プリンシペ0.002220.00249-0.439
46プエルトリコ0.001950.00218-11.09
47ニューカレドニア0.001950.00218-1.553
48ガイアナ0.001820.00204+2.492
49ニカラグア0.0010.00112
50セントビンセント・グレナディーン0.0007310.000818-9.418
51バルバドス0.0004690.000524-52.62
52ブルンジ0.0003670.000411+30.74
53セントルシア0.0003430.000384-17.55
54サモア0.0002590.00029+36.34
55ニウエ島0.0001630.000182-0.159
56アンティグアバーブーダ0.0001440.000161-0.346
57グレナダ0.0001160.00013+22.32
58ブータン5.64E-56.31E-5-0.774
59ベリーズ5.0E-55.6E-5+4.167
60フランス領ポリネシア4.26E-54.76E-5+609.3
61セントクリストファーネイビス3.7E-54.14E-5-28.85
62トリニダード・トバゴ1.3E-51.46E-5-13.33
ヤムイモの生産量
ヤムイモの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

ヤムイモの現状と今後

2023年の世界のヤムイモ生産量は約89.35百万トン(Mt)で、前年に比べて0.72%の緩やかな増加となっています。ヤムイモは主に熱帯・亜熱帯地域で生産される根菜類であり、食糧としての重要性が特にアフリカ西部で高いです。世界生産の大半はアフリカ諸国が占めており、特にナイジェリアが突出した生産量を誇っています。


主要生産国の生産動向と特徴

ナイジェリア(61.92Mt / 約69.3% / +0.88%)

圧倒的な生産量で世界シェアの約7割を占める最大の生産国です。農業の中心産品として重要視されており、栽培面積の広さと適した気候が生産の安定を支えています。小規模農家が多く、生産技術の近代化やインフラ整備が今後の課題です。


ガーナ(10.51Mt / 約11.76% / -1.84%)

ナイジェリアに次ぐ生産国で、安定した生産を続けていますが、2023年は前年よりやや減少。気候変動の影響や農地の制約が減産要因と考えられます。


コートジボワール(7.97Mt / 約8.9% / +2.33%)

生産量は増加傾向にあり、政府の農業支援政策や技術普及が生産拡大に貢献しています。輸出も増加傾向で、経済成長に寄与しています。


ベナン(3.32Mt / 約3.7% / +3.30%)

生産量が堅調に伸びており、農業の多様化とともにヤムイモの栽培面積が拡大。農業技術の導入が生産性向上の鍵となっています。


トーゴ(0.97Mt / 約1.09% / -1.05%)

若干の減少が見られ、気象不順や土地利用の変化が影響しています。


その他(カメルーン、中央アフリカ共和国、メラネシア、チャド、コロンビア)

これらの国々は生産量は小規模ながら地域で重要な食糧資源を担っています。カメルーンや中央アフリカ共和国は安定的な生産を維持し、コロンビアはわずかに増加傾向です。1方でメラネシア、チャドは微減傾向にあります。


ヤムイモ生産の課題と影響要因

  • 気候変動の影響:異常気象や乾燥化により生産量の地域差や変動が大きくなっています。特に西アフリカでの雨量不足は深刻な問題。

  • 農業技術の普及不足:小規模農家が多く、近代農法や高収量品種の導入が遅れている地域が多い。

  • インフラの未整備:収穫後の保存・輸送インフラの不足により、収穫物の損失や市場流通に制約がある。

  • 市場アクセスの課題:生産地と消費地、国内外市場の接続性が十分でなく、価格変動や販売機会の制限を受けている。


将来展望と予測

今後もナイジェリアを中心に西アフリカ諸国がヤムイモの生産増加を牽引すると予想されます。農業技術の導入、灌漑整備、品種改良が進めば生産性は向上し、食糧安全保障への寄与も期待されます。1方で気候変動への対応策の強化が不可欠です。メラネシアや中南米地域でも徐々に生産が広がる可能性があります。

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