世界のネギ生産動向2023：国別シェア・成長率・将来予測

2023年の世界のネギ生産量は約2.145Mtで前年比1.83%増。最大産地のインドネシアは緩やかに増加し、フランスやオランダが顕著な伸びを示す。トルコやスペインは減少傾向。労働力不足や気候変動が課題だが、技術革新と施設栽培の普及で今後も緩やかな成長が見込まれる。

2023年の世界全体のネギ生産量は約2.145百万トン（Mt）で、前年に比べて約1.83%の増加となりました。全体としては緩やかな成長が見られますが、生産地域や国によって増減の差が大きく、気候条件や市場需要、栽培技術の普及度合いが影響しています。

主要生産国の特徴と生産動向

インドネシア（0.64Mt / 世界比約29.8% / +0.15%）

最大の生産国として安定した生産量を誇ります。熱帯気候を活かした周年栽培が可能であり、国内需要の高まりに伴い生産は緩やかに増加しています。

フランス（0.176Mt / 8.2% / +11.66%）

欧州の中でも特に生産が伸びており、技術革新や効率的な農業経営が増産の背景にあります。輸出向けの高品質品種栽培も進んでいます。

トルコ（0.161Mt / 7.5% / -4.66%）

気候変動や市場の不確実性からやや減産傾向。特に乾燥地域の水不足や労働力不足が課題です。

ベルギー（0.152Mt / 7.1% / +8.8%）

生産効率の高い集約農業が進み、生産量が増加。輸出指向の農業が特徴で、品質管理も徹底しています。

韓国（0.149Mt / 6.9% / -0.26%）

国内消費中心の生産で大きな変動はなし。高齢化に伴う労働力不足が将来の課題です。

中国（0.142Mt / 6.6% / -0.36%）

広大な農地を持ちますが、ネギ生産は他の主要作物に比べて分散的。減少傾向は微小であり、地域差が大きい状況です。

その他主要国（オランダ0.126Mt +32.77%、カザフスタン0.094Mt +0.43%、ドイツ0.089Mt +2.23%、スペイン0.063Mt -10.26%）

オランダは温室栽培技術の普及により大幅増加。スペインは気象条件の変化で減少傾向が目立ちます。

ネギ生産における課題

• 気候変動の影響：旱魃や豪雨などが生産に不安定要因をもたらす。

• 労働力不足：特に欧州やアジアの先進国で顕著。

• 市場価格の変動：国際市場や国内市場の価格変動が生産計画に影響。

• 病害虫対策：特有の病害虫被害への対応が必要。

将来展望と予測

世界のネギ生産は、技術革新や温室栽培の拡大により緩やかな増加が期待されます。インドネシアやフランス、オランダの成長が引き続き注目される1方で、労働力不足や気候変動リスクへの対応が生産安定の鍵となるでしょう。特に温室・施設栽培や機械化、省力化技術の普及が今後の成長を支えます。