【2024年最新】日本の水稲作付け面積の現状と地域別動向

穀物等

全国

日本の水稲は長い歴史を持ち、国民の主食である米の生産を支えています。しかし、作付け面積は減少傾向にあり、2024年時点で135.9万haと過去のピーク時より大幅に縮小しました。主な要因は農業従事者の高齢化や後継者不足、都市化による農地減少、食生活の多様化による米消費量の減少です。収穫量も734.5万tと減少していますが、10a当たりの収量は540kgを維持しており、農業技術の進歩による生産の安定化が見られます。

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本調査は、毎年、耕地の状況、収穫量等を調査し、耕地面積、農作物の作付面積、収穫量、被害面積・被害量等を、全国、都道府県（主産県）別等に提供しています。

水稲の作付け面積の全国データ

	全国	東北	関東・東山	北陸	九州	北海道	近畿	中国	東海	四国
最新	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年
最大期	1969年	1969年	1969年	1963年	1961年	1969年	1959年	1959年	1959年	1960年
最新値[万ha]	135.9	35.84	24.8	19.7	14.37	9.5	9.4	9.31	8.66	4.27
最大値[万ha]	317.3	66.18	54.21	36.81	43.35	26.62	29.13	30.11	28.07	14.95
前年比[%]	1.116	2.664	3.549	-0.3541	-1.101	1.822	-0.7392	-0.9574	-0.2304	-0.9281
全体比[%]	100	26.37	18.25	14.5	10.57	6.99	6.917	6.851	6.372	3.142

水稲の収穫量の全国データ

	全国	東北	関東・東山	北陸	九州	北海道	近畿	中国	東海	四国
最新	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年
最大期	1967年	1975年	1968年	1968年	1967年	1968年	1959年	1969年	1967年	1967年
最新値[万t]	734.5	209.1	135.2	105.3	70.3	56.24	47.69	47.69	42.31	20.52
最大値[万t]	1426	346.6	230.2	184.6	188.1	122.7	111	126.5	102.9	58.07
前年比[%]	2.512	5.181	3.84	3.744	-2.632	4.11	0.168	-1.283	-1.306	-1.204
全体比[%]	100	28.47	18.41	14.34	9.571	7.657	6.493	6.493	5.76	2.794

水稲の10a当りの収穫量データ

	全国	北海道	東北	関東・東山	北陸	中国	近畿	東海	九州	四国
最新	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年	2024年
最大期	2016年	2021年	2020年	2004年	2016年	1994年	2008年	2016年	1994年	2008年
最新値[kg]	540	592	583	545	535	512	507	489	489	481
最大値[kg]	544	597	586	560	567	536	521	514	547	510
前年比[%]	1.313	2.245	2.46	0.1838	4.288	-0.3891	0.7952	-1.012	-1.61	-0.2075
全国比[%]	100	109.6	108	100.9	99.07	94.81	93.89	90.56	90.56	89.07

水稲の農業についての推移と展望

日本における水稲（稲作）は、長い歴史を持つ農業の中心的な作物であり、国民の主食である米の生産を支えています。本稿では、2024年時点の水稲の作付け面積と収穫量をもとに、これまでの特徴や最近の課題、地域ごとの特色、今後の推移の予測と必要な技術について解説します。

全国の水稲の作付け面積と収穫量の推移と特徴

作付け面積の推移

日本の水稲の作付け面積は長期的に減少傾向にあります。2024年時点では135.9万haとなっており、過去のピーク時と比較すると大幅に縮小しています。これは、

農業従事者の高齢化と後継者不足
都市化による農地の減少
食生活の多様化による米の消費量の減少

などが主な要因となっています。

収穫量の推移

全国の収穫量は734.5万tとなっており、こちらも作付け面積と同様に減少傾向にあります。ただし、10a当たりの収穫量は全国平均540kgと比較的高い値を維持しており、農業技術の進歩により収量の安定化が進んでいることが分かります。

地域別の水稲の特徴

東北地方

作付け面積: 35.84万ha（全国比 26.37%）
収穫量: 209.1万t（全国比 28.47%）
特徴: 東北地方は日本最大の稲作地域であり、「あきたこまち」や「ひとめぼれ」などのブランド米が有名です。冷涼な気候を活かした栽培が行われています。

関東・東山地方

作付け面積: 24.8万ha（全国比 18.25%）
収穫量: 135.2万t（全国比 18.41%）
特徴: 都市部に近い農地が多く、流通面で有利な立地にあります。埼玉県や栃木県などでは「コシヒカリ」も広く栽培されています。

北陸地方

作付け面積: 19.7万ha（全国比 14.5%）
収穫量: 105.3万t（全国比 14.34%）
特徴: 高品質な「コシヒカリ」の産地として知られています。降水量が多く、豊富な水資源を活かした稲作が行われています。

九州地方

作付け面積: 14.37万ha（全国比 10.57%）
収穫量: 70.3万t（全国比 9.571%）
特徴: 温暖な気候を活かし、二期作が行われることもあります。九州独自の品種も育成されており、地域特有の米作りが行われています。

北海道

作付け面積: 9.5万ha（全国比 6.99%）
収穫量: 56.24万t（全国比 7.657%）
特徴: 寒冷地向けの「ななつぼし」「ゆめぴりか」などの品種が栽培されています。大規模な機械化が進んでおり、高収益モデルの農業が実践されています。

最近の課題と今後の推移

気候変動の影響

近年、気候変動の影響により、

高温障害による品質低下
異常気象（豪雨・台風など）による収穫量の不安定化
水不足による生育への影響

が深刻な問題となっています。

農業従事者の減少と高齢化

農業従事者の減少と高齢化が進み、新規就農者の確保が急務となっています。特に中山間地域では後継者不足が顕著で、農地の放棄が進行しています。

今後の推移と展望

短期的には、作付け面積と収穫量のさらなる減少が懸念されますが、

ICTやAIを活用したスマート農業の導入
気候変動に強い新品種の開発
海外市場への輸出拡大

などの取り組みにより、安定した生産と持続可能な農業経営が期待されます。

必要な技術と対応策

スマート農業の導入

ドローンや自動運転トラクター、センサー技術を活用した精密農業により、省力化と収量の安定化が図られます。

気候変動対策

耐暑性・耐寒性に優れた新品種の開発や、水管理技術の高度化が求められます。

ブランド化と輸出促進

国内市場の縮小に対応するため、海外市場向けの高付加価値米の生産が重要です。品質の高さを活かした輸出戦略が必要になります。

まとめ

日本の水稲生産は、長い歴史の中で発展してきましたが、現在は作付け面積の減少や気候変動の影響、高齢化による人手不足などの課題に直面しています。しかし、スマート農業の導入や新品種の開発、海外市場の拡大などにより、持続可能な稲作の未来が期待されます。今後は、各地域の特性を活かした政策と技術革新を進めることで、日本の水稲生産を次世代につなげていくことが求められます。