日本の水菜栽培は、茨城県を中心に全国で行われ、安定した生産が続いています。しかし、気候変動や労働力不足などの課題に直面しており、省力化技術の導入や高付加価値商品の開発が進められています。今後は、安定供給体制の構築や輸出の拡大、地域活性化への貢献が期待されます。
野菜栽培のデータとグラフ
水菜収穫量の最大と最新
全国 | 茨城 | 福岡 | 京都 | 埼玉 | 滋賀 | 兵庫 | 群馬 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2015年 | 2020年 | 2014年 | 2010年 | 2010年 | 2015年 | 2017年 | 2012年 |
最新値[kha] | 2.22 | 0.928 | 0.221 | 0.135 | 0.11 | 0.103 | 0.1 | 0.054 |
最大値[kha] | 2.55 | 1.04 | 0.246 | 0.157 | 0.208 | 0.112 | 0.115 | 0.076 |
前年比[%] | -4.31 | -6.827 | 2.315 | -3.571 | 0 | 3 | -4.762 | -10 |
全体比[%] | 100 | 41.8 | 9.955 | 6.081 | 4.955 | 4.64 | 4.505 | 2.432 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
水菜についての推移と展望
水菜は、アブラナ科の葉茎菜類で、京都を発祥とする日本原産の野菜です。その名は、畝間に水を引いて栽培したことに由来するとされています。シャキシャキとした食感と淡白な味わいから、鍋物やサラダなど多様な料理に利用され、全国的に需要が高まっています。野菜データベース
2010年から2023年にかけて、全国の作付面積は約2.22千ヘクタールで推移し、収穫量は約36,100トンと安定しています。しかし、2023年には前年比で作付面積が4.31%減少し、収穫量も減少傾向にあります。ジャパンクロップス
主要産地の特徴と栽培状況
茨城県
茨城県は、水菜の最大の生産地であり、全国の作付面積の約41.8%(928ha)を占めています。収穫量は17,300トンで、全国の約47.9%を占めるなど、圧倒的なシェアを誇ります。しかし、前年比では作付面積が6.827%減少し、今後の動向が注目されます。
福岡県
福岡県は、作付面積が221haで全国の約10%を占め、収穫量は3,430トン(全国の9.5%)です。前年比では作付面積が2.315%増加し、安定した生産が続いています。
京都府
京都府は、水菜の発祥地として知られ、伝統的な栽培が行われています。作付面積は135ha(全国の6.1%)、収穫量は2,500トン(全国の6.9%)です。収量は10aあたり1.95トンと高く、品質の高さが特徴です。野菜データベース
その他の県
滋賀県、兵庫県、埼玉県、群馬県なども主要な生産地として挙げられます。特に滋賀県は、2013年から2022年の10年間で収穫量が18.5%増加し、作付面積も17.6%増加するなど、成長が見られます。
水菜栽培の課題と対応策
水菜栽培には、以下のような課題が存在します。
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気候変動の影響:異常気象や気温の変動により、収穫量や品質に影響が出る可能性があります。
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労働力不足:高齢化や若年層の農業離れにより、労働力の確保が難しくなっています。
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価格の変動:需要と供給のバランスにより、市場価格が変動し、農家の収益に影響を与えます。
これらの課題に対処するため、各地で以下のような取り組みが進められています。
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省力化技術の導入:機械化やICTの活用により、労働力の効率化を図っています。
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高付加価値商品の開発:赤軸水菜や有機栽培など、差別化された商品を開発し、ブランド力を高めています。
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地域ブランドの確立:京都の「壬生菜」や兵庫の「播州白水菜」など、地域特有の品種を活用し、地域ブランドの強化を図っています。農林水産省
今後の展望と予測
今後の水菜栽培は、以下のような展望が考えられます。
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安定供給体制の構築:気候変動に対応した栽培技術や品種の開発により、安定した供給体制の構築が求められます。
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輸出の拡大:日本産の高品質な水菜を海外市場に展開し、輸出の拡大を図る動きが期待されます。
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地域活性化への貢献:地域特有の品種や栽培方法を活用し、地域の活性化や観光資源としての活用が進む可能性があります。
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