ながいもは日本において重要な根菜のひとつで、北海道・青森を中心に高い生産量を誇りますが、2022年は全国的に10%超の生産減少が見られました。気候変動や病害の影響、労働力不足が課題となっており、新興地域での拡大やスマート農業の導入、加工・輸出対応の強化が今後の鍵となります。
野菜栽培のデータとグラフ
ながいも栽培の最大と最新
全国 | 北海道 | 青森 | 長野 | 岩手 | 茨城 | 鳥取 | 新潟 | |
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最新 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 | 2022年 |
最大期 | 2007年 | 2021年 | 2006年 | 2008年 | 2015年 | 2016年 | 2006年 | 2007年 |
最新値[kt] | 139.4 | 77.2 | 45.3 | 6.44 | 2.77 | 2.31 | 1.28 | 0.949 |
最大値[kt] | 158.7 | 81.4 | 72.6 | 9.58 | 3.61 | 3.13 | 2.15 | 1.48 |
前年比[%] | -10.76 | -5.16 | -19.68 | -0.6173 | -17.31 | 6.452 | -5.882 | 1316 |
全体比[%] | 100 | 55.38 | 32.5 | 4.62 | 1.987 | 1.657 | 0.9182 | 0.6808 |

これまでの推移


詳細なデータとグラフ
ながいも栽培についての推移と展望
ながいも(長芋)は、日本で古くから親しまれてきた滋養強壮野菜であり、すりおろして食べる「とろろ」や炒め物、漬物など幅広い用途を持つ根菜です。栄養価が高く消化吸収にも優れ、健康志向の高まりの中で再注目されています。全国的に見てもながいもは栽培量が多く、日本の根菜類の中でも重要なポジションを占めています。
全国的な生産推移と最新の動向(2006〜2022年)
2006年以降、日本のながいも生産量は全体として高水準を維持してきましたが、2022年の最新データでは全国生産量139.4ktであり、前月比で-10.76%と大幅な減少が見られます。天候不順や病害の影響、または人手不足による収穫遅延などが背景と考えられます。
都市別の生産特徴と現況分析
北海道(77.2kt / 前月比 -5.16% / 平均比 +55.38%)
日本最大のながいも生産地で、寒冷で排水性の高い土壌が生育に適しています。全国シェアの半分以上を占める一大産地。輸送・保存技術が整っており、安定供給が可能です。
青森県(45.3kt / 前月比 -19.68% / 平均比 +32.5%)
品質が高く、粘りのある「ねばりながいも」が有名。大幅な前月比減少は天候や病害による影響の可能性があり、安定性の課題も見られます。
長野県(6.44kt / 前月比 -0.6173% / 平均比 +4.62%)
標高が高く気温差のある環境で栽培され、風味豊かで独特の粘りが評価されています。安定した生産量を維持しており、堅実な産地です。
岩手県(2.77kt / 前月比 -17.31% / 平均比 +1.987%)
近年、徐々に生産を拡大していますが、前月比の減少が示すように天候への影響が大きく、生産基盤の脆弱さが課題です。
茨城県(2.31kt / 前月比 +6.452% / 平均比 +1.657%)
唯一、前月比で増加を見せた県であり、新たな栽培支援施策や設備導入の効果が出始めていると考えられます。関東近郊という立地も有利です。
鳥取県(1.28kt / 前月比 -5.882% / 平均比 +0.9182%)
全国的には小規模ながらも独自品種の研究やブランド化への取り組みが進んでいます。砂地の特徴を活かした軽量な土壌も有利点。
新潟県(0.949kt / 前月比 +1316% / 平均比 +0.6808%)
大幅な増加は記録的な出荷・回復による特殊要因と考えられます。本格的な産地形成には今後の継続性が鍵となります。
栽培における課題
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気候変動による生育リスク 高温障害や長雨による根腐れ被害が頻発しており、適地適作の再検討が必要。
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労働力不足と高齢化 収穫に手間がかかり、若年就農者の不足が持続可能性の障害となっています。
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病害対策の困難さ 特に根腐病や線虫被害などへの対応が課題であり、予防的管理技術の普及が求められます。
今後の推移と展望
地域分散とリスク分散
主要産地での集中によるリスクを回避するため、茨城や新潟のような新興地域での拡大が重要です。
スマート農業・ICT活用
センサーによる土壌管理やドローンによる生育モニタリングにより、省力化と品質安定化を図ります。
加工・業務用需要への対応
とろろや冷凍カットなど、簡便調理品のニーズに対応することで、家庭・業務両市場を強化。
輸出市場の拡大
アジア諸国でのヘルシー志向の高まりに伴い、日本産の品質の高いながいもの輸出にも可能性が広がっています。
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