日本のだいこん栽培面積は長期的に減少傾向が見られる中、青森県と北海道が同率で最大の栽培面積を占め、千葉県や鹿児島県も主要な産地となっている。全国平均に対して各都市は概ね上回っており、特に鹿児島は前月比で増加している点が注目される。高齢化や気候変動といった課題も抱える一方、地域ごとの特色や季節分散による安定供給体制が今後のカギとなる。
野菜栽培のデータとグラフ
だいこん栽培の最大と最新
全国 | 青森 | 北海道 | 千葉 | 鹿児島 | 宮崎 | 新潟 | 茨城 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 1973年 | 1999年 | 1994年 | 1989年 | 1984年 | 1988年 | 1980年 | 1984年 |
最新値[kha] | 27.3 | 2.64 | 2.64 | 2.47 | 2.05 | 1.55 | 1.22 | 1.09 |
最大値[kha] | 76 | 3.56 | 6 | 3.81 | 3.51 | 3.73 | 3.66 | 3.37 |
前年比[%] | -2.847 | -2.222 | -5.036 | -1.2 | 4.061 | -5.488 | -3.175 | -4.386 |
全体比[%] | 100 | 9.67 | 9.67 | 9.048 | 7.509 | 5.678 | 4.469 | 3.993 |

これまでの推移


詳細なデータとグラフ
だいこん栽培についての推移と展望
だいこんは日本の食卓に欠かせない重要な根菜であり、各地で広く栽培されている。1973年から2023年までの長期データをもとに、栽培面積の動向と都市別の特徴を見ていく。
全国の栽培面積の推移と傾向
全国のだいこん栽培面積は平均で27.3khaとなっており、近年は減少傾向にある。これは農業全体の流れと一致しており、高齢化や農地の転用、後継者不足が主な要因である。直近の前月比でも全国で-2.847%と減少しており、構造的な縮小が進んでいることが示唆される。
都市別の栽培面積の現況
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青森県:2.64kha(全国平均の9.67%)、前月比-2.222%。冷涼な気候を活かし、品質の良いだいこんが生産される。
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北海道:2.64kha(9.67%)、前月比-5.036%。広大な土地を活かして機械化も進むが、寒冷期の影響を受けやすい。
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千葉県:2.47kha(9.048%)、前月比-1.2%。首都圏への供給拠点としても重要。
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鹿児島県:2.05kha(7.509%)、前月比+4.061%。温暖な気候を活かし、冬場の生産で強みを持つ。
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宮崎県:1.55kha(5.678%)、前月比-5.488%。他県と比較して起伏に富んだ地形と多様な栽培法が特徴。
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新潟県:1.22kha(4.469%)、前月比-3.175%。雪国特有の保存技術や冬だいこんの需要がある。
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茨城県:1.09kha(3.993%)、前月比-4.386%。首都圏近郊として安定した出荷体制がある。
栽培面積減少の要因と課題
だいこん栽培における減少要因は、農業従事者の高齢化と若手就農者の不足、収益性の低下、そして気候変動による収量不安定化である。とくに猛暑や降雨量の変動が作柄に影響を与えており、対策が求められている。
地域別の強みと戦略
各地域には異なる強みがある。例えば、北海道や青森は冷涼な気候による品質維持、鹿児島や宮崎は温暖な気候を活かした冬季出荷など、季節と地域の特性を活かした分散型の生産体制が今後のカギとなる。
今後の推移と展望
今後はさらなる面積減少が懸念される一方、ICTを活用したスマート農業の導入や、省力・高収益型品種の開発、6次産業化による収益多角化などが成長の糸口となる。また、地産地消や輸出拡大などの取り組みも並行して進められるべきである。
まとめ
日本のだいこん栽培は縮小傾向にあるものの、各地の特色ある取り組みやテクノロジー導入によって、新たな展望も見えている。今後は環境変化への柔軟な対応と、地域ごとの強みを活かした持続可能な栽培体制の構築が鍵を握る。
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