2025年1月時点のデータによると、日本の卸売・小売業における平均時給は2121円で、過去の最大時給4072円と比較して減少しています。男女間の給与格差も依然として大きく、男性の最大時給は5218円、女性は2765円で、女性は男性の約53%にとどまっています。また、正社員と非正規雇用者の時給差も顕著で、正社員の最大時給は5198円、非正規雇用者は1388円となり、待遇格差が問題視されています。
毎月勤労統計調査
毎月勤労統計調査全国調査は、日本標準産業分類に基づく16大産業の常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を毎月把握する調査です。約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象に、名目賃金や実質賃金、労働時間などのデータを収集します。2012年から最新のデータを含め労働者数や給料のデータをグラフ化しています。
卸売・小売業の時給の最新と最大データ
全体平均 | 男性計 | 一般労働者 | 女性計 | パートタイム労働者 | |
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最新 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最大期 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最新値[円/時間] | 2121 | 5218 | 5198 | 2765 | 1388 |
最大値[円/時間] | 4072 | 5218 | 5198 | 2765 | 1388 |
前月比[%] | -47.91 | 112.7 | 114.2 | 64.88 | 9.897 |
前年同月比[%] | 1.289 | 5.329 | 6.147 | 6.716 | 6.279 |
卸売・小売業の日給の最新と最大データ
全体平均 | 一般労働者 | 男性計 | 女性計 | パートタイム労働者 | |
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最新 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最大期 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最新値[万円/日] | 1.55 | 4.328 | 4.16 | 1.87 | 0.7956 |
最大値[万円/日] | 3.004 | 4.328 | 4.16 | 1.87 | 0.7956 |
前月比[%] | -48.4 | 114.6 | 114.1 | 65.05 | 10.59 |
前年同月比[%] | 1.043 | 5.871 | 5.316 | 6.674 | 6.151 |
卸売・小売業の時給と日給の傾向
日本の卸売・小売業における時給の分布を見ていくと、近年のデータ(2025年1月時点)では、5人以上の事業所における平均時給が2121円となっており、全体としての時給は過去と比較して低下しています。過去の最大時給は4072円であったことから、業界の給与水準が減少している傾向が見受けられます。
男女別の時給格差
男女間の給与格差は依然として顕著です。最新のデータによれば、男性の最大時給は5218円/時間、女性の最大時給は2765円/時間となっており、女性の時給は男性の約53%にとどまっています。この大きな差は、男性が比較的高給の管理職や技術職に就く傾向が強い一方で、女性は事務職やサービス業務に多く従事しており、給与の格差が拡大していることが一因と考えられます。また、パートタイム労働者の時給の最大値が1388円となっており、正社員とパートタイムの給与格差も目立っています。
雇用形態別の時給
正社員と非正規雇用の間で時給に顕著な差があります。一般労働者(正社員)の最大時給は5198円であり、これは非正規雇用者の最大時給である1388円と比べて大きな差が開いています。非正規雇用者の時給が低い背景には、雇用の不安定さや昇進・昇給の機会の制限が影響していると考えられます。また、パートタイム労働者が多い卸売・小売業では、正規社員と比較して待遇面での格差が広がっている点が問題です。
企業規模別の時給
企業規模別に見ると、従業員数が多い企業ほど時給が高くなる傾向が見られます。例えば、5人以上の事業所における最大時給は5218円であるのに対して、100人以上の規模では最大時給が5280円、500人以上の規模になるとさらに高くなります。このように、企業規模が大きくなることで、労働環境や給与水準も改善される可能性が高くなるため、大企業での勤務が安定した給与を得るための選択肢として有利だと言えるでしょう。
今後の予測
今後の卸売・小売業における時給の推移については、業界のデジタル化や効率化が進むことで、時給の上昇が期待される一方で、パートタイムや非正規労働者の割合が高いため、格差是正には時間がかかる可能性があります。企業規模が大きい企業では、従業員の給与を競争力のある水準に保つ必要があり、今後の経済状況や労働市場の変化を注視する必要があります。
まとめ
日本の卸売・小売業における時給の現状は、男女別や雇用形態別に顕著な格差が存在しており、特に非正規雇用の労働者が低い時給にとどまるケースが多く見受けられます。業界全体の給与水準が低下している中、今後は企業規模による給与差の拡大が予測され、正規雇用の重要性や、非正規雇用者への待遇改善が求められるでしょう。
卸売・小売業の時給の推移


卸売・小売業の日給の推移


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