2025年3月時点のフィットネスクラブ使用料(月額)全国平均は1.077万円で、名古屋や横浜、大阪など都市部での価格上昇が顕著。高価格地域では設備投資と高付加価値サービスが影響し、地方は公共運営で低価格を維持。今後は都市と地方で価格とサービスの格差が進む可能性がある。
エンタメの都市別小売価格
フィットネスクラブ使用料価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 名古屋 | 水戸 | 神戸 | 横浜 | 広島 | さいたま | 大阪 | 長崎 | 東京都区部 | 仙台 |
最新値[万円] | 1.077 | 1.401 | 1.392 | 1.348 | 1.348 | 1.331 | 1.32 | 1.293 | 1.271 | 1.263 | 1.226 |
平均比[%] | 100 | 130.1 | 129.2 | 125.1 | 125.1 | 123.5 | 122.5 | 120 | 117.9 | 117.2 | 113.8 |
前年月同比[%] | 1.614 | 4.942 | 0 | 0 | 5.603 | 0 | 0 | 3.982 | 0.873 | 0 | 0 |
フィットネスクラブ使用料価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山口 | 札幌 | 松江 | 秋田 | 甲府 | 長野 | 松山 | 金沢 | 福岡 | 高知 |
最新値[万円] | 1.077 | 0.748 | 0.787 | 0.83 | 0.853 | 0.864 | 0.869 | 0.93 | 0.93 | 0.935 | 0.935 |
平均比[%] | 100 | 69.43 | 73.01 | 77 | 79.13 | 80.15 | 80.66 | 86.28 | 86.28 | 86.79 | 86.79 |
前年月同比[%] | 1.614 | 0 | 0 | -19.35 | 0 | 0 | 3.268 | 5.625 | 4.969 | 0 | -9.091 |
これまでのエンタメの推移


詳細なデータとグラフ
フィットネスクラブ使用料の現状と今後
フィットネスクラブ使用料(月額)は、ジムやフィットネスセンター、スポーツクラブの会員制利用料(定額)を指します。2020年代に入り、健康志向の高まりや高齢化、テレワークによる生活様式の変化を受けて、利用者層は広がりを見せ、価格にも変化が現れています。
全国平均の推移 ― コロナ禍と回復、そして上昇へ
最新データ(2025年3月)では、全国平均は1.077万円。2010年代前半は1万円以下の水準でしたが、コロナ禍による会員減少を経て、設備投資・感染対策コストが反映され、2022年以降は上昇基調にあります。とくに2024年以降はエネルギー費や人件費の高騰が価格に転嫁され始めました。
高価格地域の特徴 ― 大都市圏と充実した設備投資
以下は月額利用料が高い都市です:
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名古屋(1.401万円)
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水戸(1.392万円)
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神戸・横浜(1.348万円)
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広島(1.331万円)
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さいたま(1.32万円)
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大阪(1.293万円)
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東京都区部(1.263万円)
これらの地域では以下のような特徴が見られます:
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都市部に多く立地し、高層複合施設内のテナント型店舗が多い
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サウナ、温泉、スタジオ、パーソナルトレーニングなど高付加価値
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外国人利用者やインバウンド対応のプレミアム型クラブ
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地域競争が激しく、サービス向上に伴う価格調整
とくに横浜(+5.603%)や名古屋(+4.942%)では、再開発に伴う高級ジムの新規参入が影響しており、施設の高機能化と価格上昇が連動しています。
低価格地域の特徴 ― 地方の低コスト運営と固定客重視
使用料が低い都市は次の通りです:
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山口(0.748万円)
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札幌(0.787万円)
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松江(0.83万円)
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秋田(0.853万円)
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甲府(0.864万円)
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長野(0.869万円)
これらの地域では以下の要因が価格に反映されています:
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自治体や協同組合が運営する公共型ジムが多い
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土地代や人件費が安く、設備も必要最低限
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都市部と違い、営業時間も短めで地元利用者中心
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人口流出による価格維持戦略
ただし、松江(-19.35%)や高知(-9.091%)のように、競争や人口減少によって利用料を値下げせざるを得ない状況も見られます。
価格形成に影響する主な要因
フィットネスクラブの価格は次のような要素により決まります:
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立地・地価:都市部は固定費が高くなる
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施設規模・設備の質:プールやスパがあると高額化
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人件費・インストラクター雇用数
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会員数の変動と損益分岐点
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地域の健康意識と需要水準
また、近年はサブスク型(通い放題)と都度利用型(1回利用)の併用プランも増え、料金体系も多様化しています。
今後の展望 ― 健康志向と格差の中で
日本全体として健康意識はさらに高まり、フィットネスクラブ需要は拡大が予想されます。一方で、都市部と地方の設備・価格格差は広がる傾向にあり、地方では公共型と個人ジム、都市部ではハイエンド・多機能型ジムへと二極化が進んでいます。
テクノロジー導入(スマートジム、AI指導)や地域コミュニティ連携が今後の価格設定と運営モデルの鍵を握るでしょう。
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