2025年3月時点のカラオケルーム1人あたり使用料は平均913.4円。山形や横浜、宇都宮では高額化が進み、横浜では前年比25%以上の急上昇。一方、奈良や鳥取、岡山など地方では500円台を維持。人件費や電気代、設備投資の増加が価格上昇の背景にあり、今後は多様な料金体系と体験価値が求められる。
エンタメの都市別小売価格
カラオケルーム使用料価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山形 | 横浜 | 宇都宮 | 松山 | 大阪 | 高知 | 東京都区部 | 長野 | 青森 | 広島 |
最新値[円] | 913.4 | 1600 | 1402 | 1340 | 1327 | 1254 | 1137 | 1136 | 1087 | 1067 | 1066 |
平均比[%] | 100 | 175.2 | 153.5 | 146.7 | 145.3 | 137.3 | 124.5 | 124.4 | 119 | 116.8 | 116.7 |
前年月同比[%] | 3.349 | 6.667 | 25.18 | 22.94 | -5.214 | 0.642 | -3.726 | 3.555 | 0 | 1.91 | 0.756 |
カラオケルーム使用料価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 奈良 | 鳥取 | 岡山 | 秋田 | 盛岡 | 佐賀 | 福島 | 山口 | 水戸 | 那覇 |
最新値[円] | 913.4 | 520 | 524 | 533 | 615 | 636 | 640 | 673 | 699 | 711 | 720 |
平均比[%] | 100 | 56.93 | 57.37 | 58.35 | 67.33 | 69.63 | 70.07 | 73.68 | 76.53 | 77.84 | 78.83 |
前年月同比[%] | 3.349 | 0 | 0 | 0 | 11.82 | -5.357 | 3.226 | 0 | 0 | 0 | 3.896 |
これまでのエンタメの推移


詳細なデータとグラフ
カラオケルーム使用料の現状と今後
カラオケは日本独自の娯楽文化として、学生から高齢者まで幅広い層に支持されてきました。個室空間で楽しめることから、コロナ禍以降も一定の需要を保ち、飲食を伴う施設として再構築が進んでいます。
2025年3月現在の1人あたりの平均利用料は913.4円で、ボウリング等と並ぶ中価格帯のレジャーとなっています。
価格の長期的な推移 ― 段階的な上昇と再構築
2010年ごろは1人あたり500〜700円程度が標準的でしたが、2020年以降、インフレや設備投資の影響で価格は徐々に上昇しています。
また、時間単価制やフリータイム制の多様化、ドリンクバー付き料金などの複合化によって単価の平均化が進み、店舗の収益構造は大きく変化しました。
価格が高い都市の特徴と背景
上位に並ぶ都市(山形:1600円、横浜:1402円、宇都宮:1340円、松山、大阪、高知、東京など)は、以下の共通点を持ちます:
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都市部での地価・人件費の高騰
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最新機種導入や防音性などの設備更新
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外国人観光客や若年層の需要を意識した価格設定
特に注目すべきは山形の1600円で、全国最高値です。需要の集中とともに、地方都市での施設減少により価格競争が減少し、価格が高止まりしている可能性があります。
また、横浜(+25.18%)、宇都宮(+22.94%)の急騰は、都市部再開発や設備一新による料金改定が影響していると考えられます。
価格が低い都市の特徴 ― 地方の安価戦略
一方、下位には奈良(520円)、鳥取(524円)、岡山(533円)、秋田(615円)などが並びます。これらの都市には以下のような傾向が見られます:
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利用者層が地域住民中心で、価格に敏感
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飲食を伴わないシンプルなサービス提供
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中小運営会社による価格据え置き方針
また、秋田(+11.82%)のように安価地域でも価格上昇傾向が見られる地域もあり、光熱費の高騰や最低賃金の上昇が反映されていると推測されます。
全国的な課題 ― 価格形成に影響する諸要素
カラオケ価格を左右する主要要因には、以下の要素があります:
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人件費・電気代・防音設備更新
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店舗の規模(小規模 vs チェーン店)
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観光地需要と外国人対応サービス
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地域内競争の有無
カラオケはボウリング以上に時間単位の消費活動であり、価格設定には「平日 vs 週末」「昼 vs 夜」などの変動も加味されるため、単純比較が難しい分、地域差が生まれやすい産業です。
最近の価格上昇の背景と今後の展望
2024〜2025年にかけての平均単価上昇は、以下のような背景が想定されます:
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物価高騰によるドリンクや食事の価格上昇
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コロナ後の人流回復による週末需要増
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防音改修やAI機器導入といった設備投資の増加
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「ひとりカラオケ」や「推し活」など新用途での高単価需要
今後は、娯楽の中でも「個室化」「没入感」「カスタマイズ性」が強く求められる中で、多様な料金体系や付加価値の差別化が一層進むと予測されます。単価は一概に高ければ悪ではなく、「満足感とのバランス」が問われる時代へと入っています。
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