天丼の価格動向を徹底解説!平均1066円の背景と今後の展望

外食・定食

天丼1杯の平均価格は1075円で、山形や富山など地方都市で高額傾向が顕著です。特に山形は前年比+18%超の急騰が見られます。価格上昇の背景には、原材料費・人件費・光熱費の高騰があり、今後も緩やかな価格上昇が続くと見られます。地域経済や食文化が価格に反映されている点も注目されます。

都市別の天丼1杯の相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均1078+4.829
1山形1433+4.828
2富山1367+10.87
3東京都区部1350+8.608
4前橋1350+9.489
5水戸1333+5.209
6鳥取1318+14.01
7横浜1285+5.501
8福島1253+2.119
9新潟1239+11.22
101193+6.804
11京都1193+3.022
12名古屋1192+8.958
13和歌山1184
14宇都宮1183+7.545
15山口1170+5.405
16高松1155+5.383
17熊本1111+4.516
18秋田1110+3.064
19広島1095+0.183
20福井1093+6.426
21甲府1093
22鹿児島1087+12.18
23福岡1078-0.828
24那覇1064+7.15
25金沢1060+13.98
26大分1057+0.667
27仙台1050-6.25
28さいたま1050+2.439
29長野1033+5.408
30大津1023-5.54
31神戸1005+5.567
32札幌998+8.126
33長崎993+4.857
34佐賀964+8.804
35大阪962+6.064
36盛岡943+3.626
37岐阜933+4.479
38静岡927+7.791
39松江905+2.608
40高知890+9.202
41千葉873+10.09
42青森869+0.346
43宮崎863+8.281
44松山856
45奈良842+6.045
46徳島833+2.84
47岡山810-13.46
天丼1杯

詳細なデータとグラフ

天丼の小売価格の相場と推移

天丼は、海老や季節の野菜などを揚げた天ぷらを丼飯にのせた伝統的な日本料理であり、その価格は原材料の価格変動を如実に反映する食文化の指標です。本稿では、2016年1月から2025年5月の統計に基づき、天丼の都市別価格の傾向やその背景を多角的に分析します。


価格の高い都市 ― 山形・富山・前橋などの特徴

最新のデータでは、山形市が天丼1杯あたり1,433円と最も高く、全国平均(1,075円)を大きく上回っています。前年同月比でも+18.23%と著しい上昇を見せており、これは天ぷらに用いる魚介類や季節野菜の仕入れコスト増、地元産の高品質食材へのこだわり、さらには観光需要の回復による価格設定の見直しが影響していると考えられます。

富山市(1,367円)前橋市(1,350円)、水戸市(1,333円)と続くこれらの地域も、内陸型または日本海沿岸部に位置し、地元漁港や山の幸を活かした天丼が主流であり、地元色の強い高級志向の店舗が価格を押し上げている可能性があります。


首都圏と地方都市の価格構造 ― 東京都区部・横浜・津など

東京都区部(1,311円)横浜市(1,285円)は、都市部の標準的な価格水準を反映しています。都心では地価や人件費が高く、さらに観光客やビジネス需要に応じたメニューが中心であるため、天丼も比較的高価格になりやすい傾向です。加えて、使用される天ぷらの具材が豊富で多様化していることも、価格を押し上げる要因です。

1方で、津市(1,193円)は比較的抑えられた水準ながら、前年同月比+6.804%と上昇傾向にあります。これは、原材料の全国的な高騰が都市の規模にかかわらず影響を及ぼしていることを示しています。


地方都市における急激な価格上昇 ― 鳥取・新潟のケース

鳥取市(1,318円、+14.01%)新潟市(1,239円、+14.62%)といった地方都市での天丼価格の上昇は特に注目すべき点です。両市とも日本海に面し、地元の新鮮な魚介類を用いた天丼が主流ですが、近年の漁業コストの上昇や天候不順による不漁が、仕入れ価格に影響を及ぼしています。

また、これらの都市では外食チェーンよりも地元店舗が多く、価格転嫁がダイレクトに反映されやすい傾向にあるため、価格の変動が大きくなりがちです。


価格上昇の共通要因 ― 原材料・人件費・エネルギーコスト

どの都市にも共通して見られるのが、以下の要因によるコストプッシュ型インフレです。

  1. 海産物や野菜などの原材料価格の高騰 特に天ぷらに使われるエビやイカなどの輸入依存食材が円安の影響を受け、仕入れ値が高騰しています。

  2. 人件費の増加 飲食業界の人手不足に伴い、最低賃金やパート・アルバイトの賃金が上昇。個人店舗では特に価格転嫁が必要になっています。

  3. 調理油やガス・電気料金の上昇 天ぷらは大量の油と高温調理を要するため、光熱費の増大がメニュー価格に直結します。


今後の見通し ― 外食産業と価格の持続的上昇

天丼の価格は今後も緩やかな上昇が続くと予想されます。特に地方都市では、物価上昇と地元経済の維持の両立が課題となっており、高品質志向の外食産業は価格を上げざるを得ない状況が続きます。1方、都市部では競争の中で価格の均衡が図られやすく、価格の伸びは緩やかになる可能性もあります。

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